作品考察

 私の作品について、少し語ろうと思う。

「詩集 風の刻印」

 これは、私が学生の時に書いた、卒業制作に手を加えたもの。内容は暗く鈍重。何回か読めば意味が分かってくるが、相当世界史や世界情勢を理解していないと面白くもなんともない。

 

「詩集 空への伝言」

 風の刻印があまりにも重かったので、ライトな作品が書きたくてのちに書いたものをまとめた詩集。なんか歌の歌詞みたいなものを意識して書いたものもあったな。韻を踏んだものもあった。


「厳冬の惑星」

 おそろしく問題提起や思考の誘発が多い作品。本文挿絵なしのに段組みで500ページ近くあるので読者を跳ね返してはツーンとしている。こう書くと嫌な印象しかないが、この時は面白く読みやすい作品にしようと頑張っていたので、すごく若い力がみなぎっているのが分かる。いじめから始まって核問題で終わる。こう書くと変な作品だと思われるかもしれないが、自分なりに消化しているつもり。登場人物がとにかく厄介だったので、しょっちゅう詰んでは書き直していた。


「残月」

 厳冬の惑星の10年後を描いた続編の割には問題提起や思考の誘発が少ない、ライトな作品。もうとにかく自分が満足いくまで、元の作品を壊して壊して壊しまくりながら修正していった。ひな形は残っているが、ほぼ新作。厳冬の惑星を知らないとわけわからないってわけではないので、それなりに読める。けど、読んでおけばニヤリニヤリが止まらないんじゃないかな。そういう作りにはしたつもり。


「移り行く季節の中で」

 私は短歌が好きだけど、短歌フォーラムin塩尻には絶対出さない。だって恥ずかしいもん。高校生とかもっとすごいの書くしさ。


「青空とダイヤモンド」

 これは、障がい者のデイケアの文集にのっけたやつ。1ページで終わるよう努力した。掌編意外と得意かもしれない。


「街灯」

 とにかく、落ち着いたものが書きたくてしょうがなかった時期があって、その時に衝動的に書いたもの。厳冬の惑星や残月みたいな、とにかく登場人物が曲者だらけで手に負えなくってうるさい作品を書いていると、こういうのが無性に書きたくなる。それで書いたらこんな感じになった。


「天使」

 最初書き始めた時は、主人公と三体の天使の問答で終わるはずだった。あんな結末にする気はなかった。でも、書いていてあの結末にしたほうがスッキリしたから、ああいう風にした。自分の描いた作品の中で最もマトモだと信じて疑わない。


「飴」

 スピンオフ。厳冬の惑星のスピンオフで、読者のことをまるで考えていない厳しい作品。とにかく残酷描写だけだ目立ってしまってあとのものがそれについていっていない。まあこれ自分の欲望だけで書いたから仕方ない。厳冬の惑星に出てくる三人の人物が軸。厳冬の惑星執筆当時、この三人だけはなにかしら話を作ってやりたいと思っていた。残月をはじめ他の作品で十分活躍する人物を徹底的に排除したかったというのもある。

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