第7話 乱心

言われた意味を理解できなかった


「殿、御乱心されたのですか? このような素性が分からぬ不審者を城に置くなど。この筧は反対します」


「筧、お前に聞いてはいない。俺はこの小僧と話をしているのだ」


「しかし、主人が間違った道に進もうとしてる時、それを止めるのが家臣の役目かと思っています」


「だが、こいつは役に立つのではないか? ”すまほ”とか言ったか? 我らにない能力を持ってるのは確かだ。いらなくなれば、この城から追い出せばいいだけであるしな」


「そうですが、こやつは目を離した隙に何をしでかすか、この筧にも想像がつきません。我らにとって不利益となることをするかもしれません。危険分子は早めに排除するがいいと思います」


「なるほどな。それならお前がこの小僧を見張れ。変な動きをしたら、俺に報告しないで排除しろ」


「御意。この筧、殿のご命令を受けます」


「では、瀬田。今から筧がお前の世話係だ。分からないことがあったら、筧を頼れ」


何も言っていないのに、勝手に決まった


「お殿様、あなたのお名前を聞いていませんでした」


「俺の名は真田幸村だ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る