大学

十六  PCディスプレイ 15.6インチ部分

 

 冷たい水のシャワーをずいぶんと長いあいだ浴びていた。部屋の中で、からだが震えるのも大輔はそのままにしておいた。帰りの電車のドアの窓を何度も殴りつけたのだろうか、拳を痛めたようだった。「ぶっ殺してやる」「めちゃくちゃにしてやる」「ぶっつぶす」。そんなことを繰り返しながら、大輔は部屋の中を歩きまわる。

 いつものブログに大輔はログインする。法律違反のスーパー○○上井草店の店長に告ぐと入力するが、すぐに消し、過去の記事もすべて削除する。そのうえで、「もう怒っていない。誰だか知らないが、俺の宝物を返してくれ」とだけ書き込んだ。

 それから大輔はこの世界での同盟に関する議論の続きを追うがそこに新たな書き込みはなかった。雑談が行われているスレッドで、今日、馘首になったことを相談することを大輔は思いついた。以前、ある同盟員が、仕事で運転をしている最中に、駐車場で他の車にぶつけてしまい、その損害の賠償を会社より求められていた。社会保険労務士の資格をもつ同盟員が、彼の相談に対して、法律的に根拠のある具体的かつ適切なアドバイスを与えていた。それで、事故を起こした同盟員は救われたのだ。自分が解雇された経緯も、違法で赦されないのは明らかに思えた。ただ、副方面長がたかだがアルバイトを馘首になってしまったことを明かすことが憚れたのか、結局書き込みをするまでは至らなかった。いっそう、告白とともに辞職しようかとも考えたようだが、それは結局、今回の件は自分に非があると認めることであった。現実社会とこの世界を自らつなげる必要はなかった。この世界に現実社会の汚濁を持ち込むべきではない。

 次の日、大輔は昼過ぎまで寝ていた。大学の授業は休んだようだった。起きだしてきてわたしの電源を入れて確認してみたが、例のブログの書き込みには何の反応もなかった。この世界の状況に変化もなかった。大輔はインターネット上でスマートフォンの値段について調べだした。それから、キャリアのサイトで盗難保険について確認をしていた。盗難届だとか、紛失時の申告だとかの記事を読んで、メモをとっていたが、表情は浮かないままだった。保証は一定額に限られ、いずれにしろ高額の負担は発生するようだった。

 それから、大輔はSNSの設定が誰にも読まれないものになっていることを幾度か確認したのちに、久々に書き込みを行った。


 夏は本当にいいことがない。女に関わってもいいことがない。というか、生まれてからいいことがないともいえる。

 嫌になる。吐き気がする。死にたくなる。いや、死にたくはならない。俺はそこまで弱くない。

 ただ心を鎮めさえすればよい。小さなチェーンのろくでもないスーパーマーケットの店長とそこで働く馬鹿どもの顔はもう忘れるべきだ。俺は犯人を見誤った。その時点で負けたんだ。犯人は店長だ。あのクソは俺のスマホをみて、ブログの書き込みを確認したかったんだ。なぜ、俺はそれに気がつくことができなかった。あの場で、それをひとこと、ボソリと漏らせばよかったんだ。店長、返してくださいよ。通報しますよ。それだけをひとこと漏らせばよかったのに、それができなかった。

 自分が悪いわけではないのに、どうしても、心が沈んでいく。食い扶持を失ったのだから、当然なのかもしれない。これから先のことを考えると、不安で仕方がない。卵かけご飯も喉が通らない。

 結局は金の問題だ。金さえあれば、問題の多くは解決する。スマホがなくなっても、また買えばいいかとあれほど騒ぎ立てることはなかったし、そもそも、あんなくだらないアルバイトをする必要もなかった(あそこは、ババアばかりの暗い職場ばかりだと思っていたのに、実際は、若者も結構いるし、若者とババアも結構会話をするし、呑みにも出かけるしで、思っていたものとだいぶ様相が違った)。

 毎日、値段を気にせずに、好きに外食ができれば、栄養はからだに行き渡り、病も気からというように、ぐじぐじと悩むところも少なくて、もっとよい人生を歩めただろう。女性にも人気があったかもしれない。金を持っているという事実の効果もあるだろうし、今の自分とはまるで違う自分でいるからだ。

 家族だって、きっともっと仲が良かった。親父も病気にならずに済んだ。母親もヒステリーを起こさずに済んだ。すべては金だ。金から発生する問題だ。

 ここから逃れるにはどうするのか。

 それは逆説的だけど、金のことを気にしないことだと俺は結論づける。

 金がない。ないと言い続けていても仕方がない。

 金のことを忘れるのだ。自由な心を取り戻すのだ。

 金なんてどうにでもなる。

 新しいスマホを買おう。前よりも画面の大きいものを買おう。


 十七  スマホ 3.7インチ部分


 前期テストの途中で、大輔は大学に行くことを放棄した。

 経済史のテストの際に、試験官から、首にぶら下げたわたしを仕舞うように注意された大輔は忽然と立ち上がり、教室から出て行ってしまった。試験官が何か誂うようなことを口にしたらしく、廊下を降りていく際に教室で笑い声が響いているのが聞こえた。大輔はそれに立ち止まり、教室に舞い戻るそぶりをみせたが、結局は、すぐに静まり返った教室の中に怯えるように背中を向け、階段を飛び降りていった。

 大輔に買われてから、私は自分がとても大切にされていることを感じていたが、いささか度が過ぎるとも思っていた。電車に乗っている際に何度も所在を確かめられたし、眠るときさえ首にさげておくのはいったいどんな理由があるのだろうと訝った。

 なにしろ、大輔はそれほど私を必要としているようには見えなかった。連絡をとるのは母親だけであり、この母親からの連絡も心待ちにしている様子もなかった。スナック菓子の食い過ぎで倒れた父親のことをずいぶんと悪げにいうばかりか、そんな相手を選んだ私は馬鹿な女だよと嘆く母親の話を大輔はほとんど聞いていなかった。実際に大輔は母親に対して、父親の容態が変わらないのであれば電話での連絡は不要であるし、急変でもしないかぎり、メールでも構わないとさえ言っていた。

「いやだよ。色気づいちゃって。もしかして、部屋に誰かいるの?」

 子どもに邪険にされたことに動揺したのか、変にはしゃぐ美希に対して大輔はますます苛つきをみせる。うっさいな。僕だって忙しいんだよと電話を切った。その後、私を床に叩きつけかけるが、思いとどまり、危ない危ないと誰に見せるつもりでいるのか歪んだ笑顔を浮かべる。いずれ、必要になる。いずれなと大声を出して、そのままPCに向かう。

 変わったときに笑う男だった。金もないのに駅前のレストランでステーキを食べ、腹を壊して、店の便所で蹲っているときも笑い声をあげていた。

「なんで、こうなるんだよ」

「なんで、こうなるんだよ」

「なんで、こうなるんだよ」

 そう言って、笑い声をやかましくケタケタと響かせていた。個室のドアにかかっていた女の水着のポスターに唾を吐き、また、笑っていた。


 十八  PCディスプレイ 15.6インチ部分 


 ホワイト・ライオットでは、サーバー4に移住後に向けた話し合いがぽつぽつと続いていた。ハナゲバラは、各々がバラバラにされたのちの、分布の結果をみて、方面長を任命し直すとの方針を示していた。ただ、候補者は従来の方面長、副方面長を第一にするつもりだと書いてあるのをみて、大輔は期待を抱くよりも、不安を覚えたようだった。仮に大輔に町が与えられた地域に従来の方面長や副方面長が不在の場合、大輔が方面長に任ぜられることになる。大輔はサーバー4へのデータの移行が許されている有料プラグを買ったことがないために、サーバー4に移住後は、赤子同然の戦力ではじめなければならなかった。

 サーバー4の住民の中では、移住者を抹殺する運動が起こり、広がりを見せていた。サーバー4の首位同盟「阪神タイガースラブ」と二位同盟の「スーツはズボンだけ買えればいい」は三ヶ月続いてた戦争の停戦に合意し、移住者の排除に向けて談合を繰り返していると同盟員のひとりから情報が入っていた。大輔も篠崎から似たようなことを聞いていた。サーバー4の住民はもともと新参者というだけで、この世界の中では低く見られているむきがあった。そうであるのに、サーバー2の不手際から、自分たちのあずかり知らぬ理由で、己の町のとなりに町が建ち、移民が一挙に流入するのは、受け入れがたいことであるようだった。同じこの世界の住民であるのに、その排他的な態度は胸糞悪いとハナゲバラが憤りを露にした。サーバー2排斥運動をうけて、ハナゲバラは、以前より頻繁に発言するようになっていた。本人も認めるように、排斥運動がハナゲバラの心に火をつけたのだ。

「サーバー4の一部の連中の主張は本当に頭に来る。移住後は、大人しくしていようかと思ったけれど、そうもいかなくなったようです(笑)」

 大輔を含めたホワイト・ライオットの同盟員たちはハナゲバラの復活を喜んだが、各々がひとつの町しか持ち得ないなかで、どこまで、サーバー4の巨大同盟と戦うことができるのか、現実的な回答はなかった。その理不尽さを訴える先もなかった。大輔以外の同盟員も、有料でプラグを買ったことがあるものはほとんどいない。

「どうしますかね。借金してでも、戦ってやりましょうか」

 そんなハナゲバラの書き込みを大輔はずいぶんと長いあいだ眺めていた。


 十九  スマホ 3.7インチ部分 


 テストを終えた教室から、多くの学生が出てくる。扉のところにいる大輔をみて、声をかける学生はいない。大輔はその存在を無視されている。時々、笑い声があがるが、伸びた髪を輪ゴムでしばり、穴の空いた運動靴をガムテープで巻いた大輔をみてのものではないようだった。若者とは不思議なもので、暗黙の了解というものを見事な早さでつくり上げる。大輔は話題にしてはならない存在だった。話題にする奴は内にもわかっていないとみられてしまう。

 大輔は目当ての男をみつけられないままだった。家に篭もる生活にいい加減に飽いたし、さすがに不安になって登校してみたが、暑さにめまいがするし、春には影を歩くようなところがあった他の学生たちは夏になるととたんに日の下を好むようになり、大学はますます耐え難い場所になっていた。用事を済ませて、部屋に帰りたいと思った。大輔は、顔がわかる同級生たちにどうにか声をかけ、例の男が大学に来ているかを尋ねた。丁寧語で話す大輔を笑う者はいない。やはり彼らは大輔という存在をいかに意識しないかに気をかけているように私にはみえる。大輔は探そうとしている男の名前を知らなかった。背が高くて、お洒落な男だと説明し、一緒に洋服を買いに行くことになっているというと「ああ、その軽い感じは、ロトっぽいね」と集団の中のひとりがいい、皆がその意見に頷いていた。

 ロトはサークル・マトリックスのたまり場である九号館ピロティにいるらしかった。休み時間は終わりに近づいていて、学生たちは次のテストを受けるために教室に向かっていた。ピロティには二、三人の学生しか残っていなかったが、その中にロトはいた。大輔がお~いと声をかけると、ロトはうつろな目で大輔を見上げた。「あいつ、今、かなり下がっているぜ。ダウナーもいいところ」と同級生の一人が言っていたのを大輔は思い出した。

「よお」

 と大輔は挨拶をした。ロトは「よお、相棒」と言い、隣に座る男と顔を見合わせた。学生にはとても見えない老けた男がしたを向いて、つばを吐いた。老けた男の首のうしろに彫られた蜘蛛のタトゥーが覗きみえた。

「洋服を一緒に買いに行く約束をしていたけど、行けなそうだから、それを伝えに来た」

「洋服?」

「ああ。やっぱり、覚えていないかな……」

「いや、覚えている。忘れるなんて、ありえねえ。なんだよ? 楽しみにしていたんだぜ」

「色々と。それで、お金がなくなったし、はっきりいって、気分もすぐれない」

「そうか。それは俺も一緒だ。コンプリート・アグリーだ。実はよお、被災地でボランティアをしてきてたんだけどよ。なんか、俺らの行かされた場所が原発周辺の瓦礫をわざわざ運びこんだところだって噂があったわけよ。実際、俺はボランティアの次の日、鼻血が止まらなくなったのよ。ありえなくね?」

「ひどいな。誰がわざわざ瓦礫を運んだの?」

「政府だ。そんなの、決まってんだろう。俺ら、善意のボランティアに対する嫌がらせよ。あいつらはボランティアとか、大嫌いなんだ。なにしろ、税金をとれねえからな。俺たちはパブリック・エナミーなわけだ」

 学生の本分は勉強で、被災地に行くのは大事なことだが、それだけが復興に貢献することではないんだよと大輔は甲高い声でつらつらと語りだした。ロトと老けた学生は顔を見合わせる。ロトは頭の上でくるくると指を回す。老けた学生の方は下を向いて、また唾を吐いた。

「じゃあ、まあ、ともかく服は買いにいけないからね。会って、話せてよかった」

 さすがに会話を続けても仕方がないことに感づいたのか、大輔は家に帰ろうとする。背中をみせると「まてよ、相棒」とロトの声がした。

「メガネ君2.0よ、おめえは俺らの奉仕の精神を馬鹿にしたわけだよな」

「えっ? いや、ボランティア活動も大事なことだって言ったじゃないか」

「でも、結論としては、無意味だっていいたいわけだろう? 違うか?」

「違うよ。それは絶対に違う」

 そうかとロトは頷くと、傍らのリュックサックの中を漁り、「だったら、これをやる。これを今すぐ着ろよ」と汚れたTシャツをつまんでみせた。がんばろう、日本!という文字が背中にプリントされている。

「ロトちゃん、それ、俺が体育のときに着ていたやつでしょう」

 と老けた男は笑う。

 相手の気分によって忽然と温度が変わり、この手の無理難題を強いられることに大輔は慣れていた。わらいものにしてやろうという圧迫感も知っていた。大輔を下の人間だと見ているゆえに、彼らは自分に意見されることを極端に嫌う。――だが、俺はおまえらが思っているような人間では絶対にないのだ。大輔はロトがつきつけるTシャツを手で払いのけた。

「今、銃があったら、おまえらを撃ってるぞ」

 大輔はそう言ってのけた。どうして、そんな言葉が口から出たかはわからない。大輔はこのところ、インターネット上で海外ドラマを見続けていたから、その影響を受けていたのかもしれない。

 笑うことも困惑することもなく、ロトはゆっくりと手を振りかざすと、素早く大輔の頬を張った。パチンという音とともに、大輔の顔が横にぶれた。メガネがふき飛び、それを老けた男が蹴飛ばして、さらに遠くに滑らせた。大輔は急ぎメガネを拾いに駆けた。このうえ、メガネを失うなどありえなかった。背中を見せたところで背後から蹴りを入れられ、そのまま動きの自由を失い、地面に伏した。大輔の喉元に私が刺さる。大輔は噎せ返り、私の無事を確認したのちに、「うぉおおおお」という声とともに猛然とロトに向かっていく。と、からだが宙に浮く。老けた男の足か、もしくは、元々あった段差につまづき、大輔は己のすべてを賭けた勢いがままに、隣のベンチに突っ込んでいった。私はフォルダーから外れ、地面の上を滑っていき、花壇の段差で止まった。

 大輔は白いベンチにもたれかかっている。私のすがたをみつけると這うように進み、掴む。私のディスプレイにひび割れがあることを見出して、悲鳴をあげ、嘆き悲しむ。何人かの生徒は今の残酷な光景を目の当たりにしていたが、鼻血を滴らしながら、私を何度もさする大輔に近づいてくるものはいなかった。老けた男が交通整理の真似ごとをする。知り合いに何をしているのだと声をかけられ、男は「ロトがキレた」とだけ答える。「酷暑だね~」と誰かが口にする。こんなことには慣れている。こんなことはいくらでもあると大輔は自分に言い聞かせる。

 大輔は立ち上がり、からだを一通り動かしたのちに、メガネを拾う。レンズは割れていないようだが、弦が折れて、かけることができない。

 眼鏡の弦を嵌め込もうとしている大輔にロトが近づいていく。大輔は上半身を起こしロトに唾をかけようとする。ロトはそれを避け、拳を振り上げ、殴る真似をする。大輔は腕をあげ、やめろ、やめろと叫ぶ。ロトは大輔の腹に足をただ載せる。大輔はうずくまる。その上から、ロトはいう。

「次にこの大学に来たら、マジで追い込む。教員も事務員も動員して、マジで追い込む。おまえはもう二度とこの大学には来れない」

 大輔はロトの顔をみあげる。頷けと命じられ、大輔はこくりと頷いた。

「ショウ、俺、ちょっと気分よくなったわ。ドリンクバーにでも行かねえ」

 ロトはそういい、歩き出している。

 大輔は自分のせいで倒れていたベンチを直す。まるで、友達同志がからかい合っていたかのように、まったく、どういうことだよと笑みさえ浮かべながら、元に戻したベンチに腰を下ろす。それから、ふいに怒りに駆られる。俺はヤるときはやってしまう男だ。俺は野生を忘れかけている。高校のときだって、カッターナイフをちらつかせて、靴を馬鹿にした奴を追い回しことだってあったんだぞ。それで、高校ではいじめられずに済んだんだぅああ。いじめられるよりも孤独を選ぶ強さを持っている男なのだあああり。

 天を仰ぎ、鼻血の味を大輔は噛みしめる。弦が折れた眼鏡が地面に落ち、滴る鼻血を左手で抑えながら、右手で拾い上げる。

「血がなんだっていうんだ!」

 鼻を抑えて、ベンチに寝転んだ大輔はそう叫ぶ。ロトの言葉がただの脅しだと思う奴は何もわかっていなかった。あの手の男は、実際に教員などの学校すべてを味方につけることができるのを大輔は知っていた。一方、大輔は孤独であった。いつもひとりで戦ってきた。味方はいない。ハワイ史の講師は非常勤でここでは力を持っていない。鼻血をすする大輔はメガネを片手で持ち、私をベンチに置いた。この世界の仲間たちに助けを求めるのだろうか。私はどうしてここまで自分が大切にされたのか、知った気がする。私は現実社会ではなく、この世界の方に存在するものであった。

 緊急指令と題名がついたメッセージがひとつ届いていた。大輔は鼻血をすすると急ぎ、本文を開いた。

 十五時より、緊急幕僚会議を開催する。参謀、副参謀、外務大臣、方面長、副方面長のうち、出席できるものは以下のチャットルームに集合すること。ハナゲバラ

 すでに時刻は一四時を回っている。「やべえ」大輔は片手でメガネを支え、歩きはじめる。「やべえよ。幕僚会議に出なきゃ。やっぱり、大学なんかに来ている場合じゃなかった。俺はいつもどうして、こうなんだ」。鼻血混じりのつばを吐き、どけよ。ホワイト・ライオット北西副方面長のお通りだぞ。課金もせずに、俺がいくつの町を持っているのか知っているのか? 周囲からの視線を跳ね返しながら、大輔はキャンパスの中を駆けていった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る