第19話 創造神と???

 …邪神?ってなんですか?初耳なんですけど。


 あぁ、説明不足だものね。まずは正しい神話を知ってもらおうかしら。


『昔、まだこの世界が誕生する前までさかのぼる。


 そこには名前もなくただそこにあるだけの存在がいた。


 それには知性があり、自らの持つ力でこの世界を創造した。


 初めはただ大地があるだけの星だったが、その星にそれが降り立つとそれから溢れる力のおかげでその大地は美しい緑と青に染まった。


 それからさらに時がたつと、それは自らの他に知性のある存在を創った。しかしそれとはほど遠く不完全なただ本能のまま動くものが出来ただけだった。


 それは次に自らの力を最大限使い知性のあるものを創った。


 しかしそれは禍々しい黒い塊になっただけのとても弱々しいものが生まれ再び失敗してしまった。そしてそれはその塊を大地へと放し、それは自らが生み出したものを観察することにした。


 観察していくうちに生み出されたものの一種が知性を持ち始めた。それにはまだ及ばない程だったが、それからも時がたちその一種は同種を集め集団で暮らすようになっていた。


 それは二足歩行をし、自らの力の一端を使うことができるようだ。そこから先も知性のある種が増えていき、いつしかその世界は知性ある種がそれぞれ独自の文化を持ち、大地を制していた。それはその中で初めに知性を持ち始めた種に興味を持ちはじめた。


 しかしある時期にその種に変化が訪れた。今まで上手くやっていた種とも対立を始めさらには同種にも牙を向けた。


 それはそのことを特に気にもせず観察していたがその種は…いや、その種のうちの一匹が自らに刃を向けようと画策していた。


 それはその一匹のことを観察することにした。


 するとその一匹に自分がかつて放した禍々しい黒い塊がその一匹の中に入っていることに気づいた。


 その塊はついにそれのいる空間さえ見つけ出しそれを消そうとしてきた。それはそのとき初めてそれが創った種の前に現れる。塊もそれを追い再び大地へと現れる。


 それは塊に自らの力を最大限使いその塊にぶつける。


 すると大地は割れ、塊は地下深くに沈んでいく。


 それは残った力であれてしまった種を沈めるため、そして今後その種を管理するため自分と同格の種を創った。


 その後黒い塊は残った力で邪神を創り出し自分の代わりに戦わせたが、それとそれの同格の種によって塊と同じ場所へ落とされ、それと同格のもの達に封印された。


 それは封印した邪神と塊を別の空間へと飛ばし、長い眠りについた。


 それは創造神として、同格のもの達は女神として、後の世界に広まっていく。』


 




 …とまぁ、ざっくり言うとこんな感じね。私も詳しいことは忘れちゃったし。塊については同じ場所にオとされたと言っても実際どうなったか分からないしあのあと創造神様がなにかしてたし…。まぁ、このあとは貴方達の知っている神話へと繋がるわ。悪魔達は恐らく邪神の力の残りカスが残っていたから生まれたのでしょうね。


 うわー、たよりねぇ。でもそれを聞くと邪神はそうでもないと思うんですけど。女神達が倒したのならまた倒せばいいじゃないですか。


 そう簡単に言わないでよ、邪神が完全体なら女神達全員と創造神様がいないと倒せないくらいに強くなるのよ。今はまだ私だけでも倒せるくらいだけど力が弱い分、今どこにいるかも分からないし、きっとスキルの一つに完全に気配を消すとかのスキルがあるんだわ。


 えぇ、俺が探さなくちゃならない理由でもあるんですか?


 お願い!貴方しか接触できなかったのよ!旅をするならきっと他の女神にも会うだろうから!それに私もついてくから!


 は?ついてくからっなんでついてくるんですか。それに見つけたらどうするつもりなんですか。


 邪神の力を抜いて再び封印するわ。力が弱ければ邪神の力だけを消滅させられるけど。


 …はぁ、このまま嫌だと言っても帰してくれそうに無いですし…分かりましたよ。でもたまたま見つけたら伝えるだけですよ。それ以上は関与しません。


 ありがとう!私一人じゃ大地に降りられないのよ。誰かにに憑依しないと。


 えぇ、それ最初に言っといて下さいよ。あとから言うとか詐欺ですか?


 詐欺じゃ無いわよ!はい!もう送り返すから!じゃあこれからよろしくね!また現実で!さようなら!


 あ、おい!勝手に進めんな!まだ聞いてないこと多いんだぞ!おい…!…現実で憶えてろよ!……………あ、まだ名前聞いてねーし!……



 そして俺は意識を失っていき、目が覚めると目の前にさっきの女神がいた。同じ学校で…。


 「やっぱ変態だろ。」


 「違う!!!」

 


 

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