-2-「キミたち‥‥そのコの、トモダチだネ?」
②
後を付いてくるツヨシをナツキは
「うおー、でっけぇーな!」
その家を一目見て、そうツヨシが
アヤカの家は
なんでも菊池家は
ちなみにヒカルの家は三十年ローンを残す一軒家。ナツキは借家の一軒家。ツヨシは団地ビル暮らし。各々、自分の家とのレベルの違いを見せつけられているかのようで
「ツヨシ。一応言っておくけど、アンタがアヤカの家に入れてくれるとは限らないからね」
「へいへい」
ツヨシは同じクラスメートであれどアヤカとは部外者なのである。おいそれと
それはヒカルにも言えることだが、
三人は豪華で立派
よくアヤカと遊ぶナツキもアヤカの家に
その
――ピンポーン♪
横からツヨシが押した。
「なに勝手に押してるのよ!」
「だって、どっちにしろ押すんだろう?」
「もうっ!」
勝手なツヨシの行動に
「あれ?」
もう一度インターホンを押して待ってみるが、やはり応答は無かった。
「いつもだったら、必ず誰かが出てくれるのにな。
インターホンのスピーカーから“笛の音”が流れてきて、
『‥‥ドうゾ』
低い声が漏れ聴こえた。
すると『カチッ』とドアの
開いた先‥‥扉の大きさに比例した広めの
三人は様子を伺いながら、そろりと全員が中に入ると、
――バタンッ!
玄関扉は勢い良く閉ざしてしまった。
「な、なに!」
不思議な現象にナツキが
鍵がかかっているではと思い、鍵のつまみ口(サムターン)を動かそうとしたが、これも動かない。
「どうなってるんだ?」
三人とも
『ドうゾ‥‥ナカヘ‥‥アヤカのモトヘ‥‥』
スピーカーから聴こえてきた声が
三人はお
「なんか様子がおかしいけど、とにかくアヤカの部屋へ行ってみよう! おじゃまします!」
ナツキは
ヒカルはナツキを見習い、同様にスリッパに履き替えては
◆◆◆
唯一アヤカの部屋の場所を知っているナツキを
「ねえ、ナツキちゃん。なんかあの
「ヒカルも? うん、やっぱりそんな感じがするよね‥‥」
境川にあった
「どうしたんだ?」
二人の会話に、その場に居なかったツヨシが
「前にね、ここみたいな変な雰囲気を感じ目場所に行ったことがあって、そこと同じ感じがするんだ」
「変な? あの枯れ木山で
確かにあれも変な場所であるが、そこと比べて感じる“イヤ”な‥‥まるでべっとりと粘着質な空気がまとわりつくよう
「あそことは別の所だよ。火野くん、注意していた方が良いよ。あそこより危ないかも知れない」
「マジで!?」
もしかしたら、またトッティキメラのような化け物が現れるかも知れないと注意を
ましてや今は魔女さんが側に居ないのだ。
辺りを警戒するのように、三人はゆっくりと進んで行く。
アヤカの部屋は二階にあるので階段を上っていき二階へと辿り着くと、ヒカルたちの一番近くにあるドアが、
――ガチャ!!
と、
「「「うわっーーー!」」」
突然の出来事に三人は驚きの声をあげてしまった。
「な、なんだよ!? 誰か居るのか?」
ツヨシはドアが開いた部屋の様子を伺う。
ベッドや机、タンスが置かれている、なんの
「誰も居ない、な‥‥」
ツヨシの
異変たっぷりの空間から今すぐにでも
「もしかしたらアヤカが危ない目に
ナツキたちは再び足を動かし、アヤカの部屋へと向かっていく。
友達の部屋に入るまで、ここまで時間を
――コンコン!
念の為にナツキが部屋のドアをノックする。
「アヤカ、居る? っ!?」
すると、またしても玄関の扉の時と同様に自動的に開いた。
その場から部屋の中を
部屋には沢山のぬいぐるみが置かれており、
「アヤカ、居るの? どこ~?」
ナツキが足音も立てないように静かに部屋の中に入っていくと、ヒカルたちも後に続く。
「あっ!? アヤカ!」
キングサイズのベッドに横たわるアヤカをナツキが発見した。
その寝顔は
苦しんでいるアヤカの寝顔に
「さっきからなんだ、この音?」
ヒカルたちが音の
『キミたち‥‥そのコの、トモダチだネ?』
自分たちよりも子供っぽく高い声が響いてきたのである。
“そのコ”とはアヤカの事を差していると思い、ついナツキが答える。
「そ、そうよ!」
『だっタら‥‥そのコが、イるバショにツれてってアゲルよ。そのホウが、あのコもキミたちもヨロコぶでしょう』
「居る場所? え、アヤカはここに居るんじゃ!?」
ナツキの問いかけもそっちのけで、突然辺りが
「な、なに!?」
ヒカルたちは
あまりにも酷い
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