三びきの子ぶた

15分

   三匹のこぶた登場。


大ちゃん

 あーまいった。うちを追い出されちゃったよ。


中ちゃん

 大ちゃんが部屋を散らかしたまんまにするからだろ。


末っちゃん

 (ぼそっと)中ちゃんもね。


大ちゃん

 中ちゃんがトイレの水流さないからだろ。


中ちゃん

 ひとの事言えるかよっ!


末っちゃん

 とにかく、住む所を考えないと。


大ちゃん

 そうだな。


末っちゃん

 じゃあ、みんなで協力して…。


中ちゃん

 やだよ。


末っちゃん

 なんで?


中ちゃん 一人暮らしがしたいからだよ。一人暮らしで自由に生きるんだ。


大ちゃん

 そいつはいいな。そうしよう。


末っちゃん

 大丈夫? 心配だなぁ…。


大ちゃん

 と言うことでこっからは別行動だ。みんな達者でな。


   と、退場。


中ちゃん

 年寄り臭い言い方だな。じゃあな、末っちゃん


   と、退場。


末っちゃん

 本当に大丈夫なのかなぁ…。


   と、退場。

   オオカミ登場。


オオカミ

 あー、腹減ったなぁ…。どっかにうまいもん落ちてないかなぁ…。


   と、退場。

   大ちゃん登場。


大ちゃん

 さてと…でも、めんどくせーなー。

 何で作ると一番楽に出来るかな?


   しばらく考えて、


大ちゃん

 そうだ。柱を立ててワラでおおうのが一番簡単だな。そうしよう。


   と、建て始める。


大ちゃん

 よし、完成だ。


   場面変わって、中ちゃん登場。


中ちゃん

 ったくもってしかしよぉ、あったまくんよな。おかあさんのやつ。なにも追い出すことねーべな。ちくしょう! なんかむしゃくしゃしてきた。なんか、当たり散らせるものねーかな? そーだ。柱に木の板打ち付けて家にしよう。家も出来るしストレスも発散出来るし一石二鳥ってやつだ。そうしよう。


   と、トンテンカンと建て始める。


中ちゃん

 よし、完成だ。


   場面変わって、末っちゃん登場。


末っちゃん

 お兄ちゃんたちってば、しょうがないんだから。僕までとばっちりで家を追い出されちゃったじゃないか。まぁ、諦めよう。さて、やっぱりここは住んでた家のようなヨーロッパ風のレンガ造りの家にしよう。


   間。


末っちゃん

 きっと、一人暮らしが大変になってお兄ちゃんたちが泣きついてくる気がするから立派な家を作っとこう。


   と、建て始める。

   場面変わってワラの家の前。

   オオカミ登場。


オオカミ

 あー、腹減った…もう三日も何も食べてない。どこかに豚でも落ちてないかな…。


   と、そこにワラの家から出てくる大ちゃん。


オオカミ

 ナイスタイミング!


   オオカミ、後ろから忍び寄って襲う。

   気付かない大ちゃんだが偶然避ける。


オオカミ

 あっ! こんちくしょう!


   オオカミ、後ろから忍び寄って襲う。

   気付かない大ちゃんだが偶然避ける。


大ちゃん

 ん?


   オオカミ、後ろから忍び寄って襲う。

   気付かない大ちゃんだが偶然避ける。


オオカミ

 やい、こぶた! おとなしくオレに食われろっ!


大ちゃん

 うわっ! オオカミだ! 逃げろっ!


   と、ワラの家に逃げ込む。


オオカミ

 うわっ! 逃げられた。


   ワラの家に近づくオオカミ。

   家を調べる。


オオカミ

 グヘヘヘヘ、こんなちゃちな作りの家ならオレの鼻息で吹き飛ばしてやらぁ。

 フン!


   と、鼻息を吹きかけるが揺れるだけ。


オオカミ

 テヘヘ、ちょっと言い過ぎた。

 まずは大きく息を吸ってぇ…フウーッ!


   ワラの家は大きく揺れると吹き飛ぶ。

   頭を抱えて震えている大ちゃん。


大ちゃん

 え? あれ? うわっ! 逃げろーっ!


   と、退場。


オオカミ

 まてまてーっ!


   と、追いかける。

   場面変わって、レンガの家の前。

   末っちゃんが一所懸命家を建てている。


末っちゃん

 はぁ、もう一息。


   場面変わって、木の家の前。

   逃げてくる大ちゃん。


大ちゃん

 助けてー! 中ちゃーん!


中ちゃん

 大ちゃんちょっと待ってて、今トイレ。


大ちゃん

 待てないーっ!


オオカミの声

 マーテー!


大ちゃん

 ギャーッ!


   中ちゃん出てくる。


中ちゃん

 おいおいどうしたんだよ?


大ちゃん

 おっ、おっ…おかみさんが食べようとしたんだよ。


中ちゃん

 どこの女将さんが食べようとしたって?


大ちゃん

 女将じゃないよ! オオカミ!


中ちゃん

 家に逃げ込めばよかったんじゃねーの?


大ちゃん

 逃げ込んだんだよ。そしたら一息で吹き飛ばされちゃったんだよ!


中ちゃん

 どんな家つくったんだよ?


大ちゃん

 ワラの家。


中ちゃん

 めんどくさがってテキトーに作ったんだろ?


大ちゃん

 テヘヘヘヘ…。


オオカミの声

 マーテー!


大ちゃん

 ぎゃー! 来たーっ!


中ちゃん

 大丈夫。オレんちは木で出来てるから吹き飛ばされたりはしないぜっ!


   と、二匹は家の中へ。

   そこにオオカミ登場。


オオカミ

 ちっ! 逃げ込みやがった。しかぁし! ヒッヒッヒッ、さっきみたいに息をかけて吹き飛ばしてやるっ!

 まずは大きく息を吸ってぇ…フウーッ!


   ちょっと揺れるだけ。

   木の家に近づくオオカミ。

   家を調べる。


オオカミ

 ナンダこれ? 力任せにトンカチ叩いて釘を打っただけじゃないか。これなら体当たりでバラバラに出来るぞ。よし!


   と、助走をつけて体当たり。

   家はバラバラに壊れる。

   頭を抱えて震えている二匹。


大ちゃん

 え? あれ? うわっ! 逃げろーっ!


中ちゃん

 ちょっ! おまっ! ちょ、待てよっ!


      と、二匹退場。


オオカミ

 まてまてーっ!


   と、追いかける。

   場面変わって、レンガの家の前。

   末っちゃんが一所懸命家を建てている


末っちゃん

 よし、完成だ。


   逃げてくる二匹。


末っちゃん

 ん?


中ちゃん

 大変だ! おっ、おっ…おかみさんがオレたちを食べようと追いかけてきてるんだ。


末っちゃん

 大女将どうしたって?


大ちゃん

 大女将じゃねーし。オオカミだし。


末っちゃん

 そりゃ大変。ちょうど出来上がった所だから急いで僕の家に逃げ込もう。


   と、三匹は中へ。

   そこにオオカミ登場。


オオカミ

 ちっ! 逃げ込みやがった。しかぁし! ヒッヒッヒッ、さっきみたいに体当たりでバラバラにしてやるっ!


   と、助走をつけて体当たり。

   ちょっと揺れるだけ。


オオカミ

 ちくしょう! びくともしねぇ。なんとか外におびき出さなきゃダメだな。


   少し考えて、


オオカミ

 おーい! おまえら、この先の森にドングリがいっぱい落ちてたぞ! あの森のドングリはうまいって評判らしいじゃねーか。どうだ、行ってみねーか?


末っちゃん

 うるさいぞオオカミ。僕らを肉質が良く脂身はさらりとして甘味があるのが特色のイベリコ豚にして食おうってんだろ。そうはいかないぞ。


オオカミ

 ちっ! つーか、オメーら黒豚じゃねーだろ。

 仕方ない、汚れるのは嫌だがあの煙突から不法侵入だ。


   と、退場。

   場面変わって、家の中。


中ちゃん

 聞いたか?


大ちゃん

 あいつ、煙突からこの家に侵入する気だ。


中ちゃん

 どうする?


末っちゃん

 暖炉に火を焚いて、大きな鍋にお湯を沸かすんだ。


中ちゃん

 そうするとどうなる?


大ちゃん

 バカだなぁ、晩ご飯作るんだろ?


中ちゃん

 なる程、なまけものでもさすがはお兄ちゃんだ。頭がいい。


末っちゃん

 何を言ってんだか…。


   三匹、お湯を沸かす。

   上の方からゴソゴソと音がする。


末っちゃん

 来るぞ!


大ちゃん

 きゃー、こわーいー!


中ちゃん

 もうダメだ!


   ボチャンと音がしてオオカミが叫ぶ。


オオカミ

 ぎゃー! 熱っちーいっっ!


   大ちゃん中ちゃんが、のびたオオカミを運んで退場。


末つちゃん

 こうしてオオカミを退治した三匹はレンガの家で楽しく暮らしました。おしまい。

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