第35話:お蝶の秘密

邸内に大きな木製の風呂があった。まるで、温泉のようだ。

オレは、お蝶に促され温泉に入った。湯船に浸かっていると、お蝶が、

「お背中を流します。」といい、一緒に入ってきた。

「あ・・・」オレは、恥ずかしがっていると、

「どうぞ、背中を向けて下さい。」

「あ・・うん・・・」仕方なく背中を向けると、お蝶が洗い始めた。

「くすぐったくありませんか・・・」

「いや・・うん、ちょっと・・・・」

その時、天井に空いた穴から曲者、加助が覗いていた。

「清雅様・・・・私の秘密もご覧頂きましょう。」

「え、お蝶の秘密・・・」

「申し訳ありませんが・・・」背中を向け、「私の背中を清雅様の手で、軽く撫でて下さい。」

「え、背中を・・・ですか・・・」お蝶の白い背中を見て、一気に下半身は熱を帯びてきた。

「はぁ、ゴクッ。」ツバを飲み込み、優しく手で撫でた。瞬間、お蝶は電撃を受けたようにビクンとし、のけ反った。

「もっと・・・」お蝶は、さらに促(うなが)した。

「え・・、ああ、もっとですか・・・」汗が噴き出した。

すでにオレの幼獣は手拭いを押し退け、屹立していた。

やがて、お蝶の背中を撫でていると、オレの手の平が燃えるように熱くなってきた。

「こ・・れは・・・」オレの手からオーラが発せられたようだ。

「あ・・ああ・・」徐々に背中が桃色に色づいてきた。

その時、清雅の目に予知夢が過(よぎ)った。

「うう・・・この光景は・・・・・」洞窟の中の様子がハッキリ見えた、

だが、倒れ込むようにオレは、お蝶の背中に頬からもたれた。

貧血のような眩暈(めまい)に襲われたのだ。

「清雅様・・・」お蝶が心配気に聴いた。

「大丈夫だ・・・すまない・・・」頬を付けたお蝶の背中に何か迷路のような刺青(いれずみ)が浮き上がっていた。

「どうか、なされましたか・・・」

「はぁ・・・、イレズミが・・・・」

「そう、イレズミですか・・・・清雅様、よく見て覚えて下さい。」

「これをですか・・・」

「はい、これこそ、平家の正統な後継者が目に出来る揚羽の里に伝わる財宝を隠した暗号と聞かされています。」

「暗号・・・これが・・・・」

迷路のような刺青がくっきりと背中に浮き出た。

天井から覗く曲者・加助も目を凝らしてイレズミを見ていた。






















  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

平家伝説殺人事件・天才剣士・城戸明日真事件幀 オズ研究所 《《#横須賀ストーリー紅白 @aitr8228

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ