第34話

屋敷内は、宴(うたげ)のような豪華な食事が用意されていた。

各々、食べ始めた。芸者たちが、艶やかに踊っていた。

当主、清国は酒を口に運び、オレに聴いてきた。

「清雅。結婚は・・・・」

「いえ、まだです・・・・」

「では、子供も居らんのだな。」

「はい・・居りません。」

「ふむ・・・お蝶はどうだ。」

え・・・、オレとお蝶は、同時に顔を見合わせた。

「御前・・・・」お蝶は畏(かしこ)まり、「私と清雅様では身分が違います。」

「そんな事はない。」おれは、必死に弁明。「オレには過ぎた女性(ひと)ですから・・・」その言葉にお蝶は、頭を下げ、

「もったいないお言葉。」

「ワシからの命令だとしたら・・・・」当主。

「はい・・・」お蝶、「御前の命ならば、悦(よろこ)んで・・・」

「よし・・、清雅、お主もお蝶で構わないのだな。」

「はい、オレ・・・いや、私は、お蝶と添い遂げたいと思います。」


食事も終わり、各自、部屋へ戻った。

「ふ~」山師。「食った食った~。」足を投げ出し、

「あんたには遠慮ってモンがないのか。」明日真。

「え・・何で、遠慮しなきゃヤバいの・・・」

「当たり前でしょ。」お篠。

お蝶がオレを呼んだ。

「清雅様・・・・どうぞ、こちらで旅の疲れをお取り下さい。」

「え・・・」

「何だ。ふたりで、良いことすンのか~。」山師が茶化した。

「やめなさいよ・・・」お篠。




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