怪異には理由がある。それをあるべき様にするのが主人公の仕事。

 これだけ魅力に溢れすぎていて、紹介文に迷った作品はない。主人公たちのキャラクターも立っていて、飽きが来ない。そして怪異の設定の仕方が凝っている。普通の「人間対怪異」ではなく、単純に「怪異と人間が仲良くやっている」というのでもない。この作品における怪異には起こるべくして起こった理由があるのだ。主人公たちはその理由に迫ることで、怪異を解決していく。まるで「謎解き」のような作品でもあるのだ。幻想的な和風ファンタジーと侮るなかれ。その本質は、人間にも、もちろん読者自身にも向けられている。
 激しい異能力バトルなどのハイファンタジーではないが、小生はこのような作風が個人的に大好きだったので、この作品に出会えて本当に良かったと思います。
 文章もきれいで整っていて、作者様の力量も恐るべし、と思いました。まだ読んだことがなかったあなた、是非この不思議な世界へ一歩踏み出してみてはいかがでしょうか?