第4話

 面白いことですが、売れる売れるの一点張りで書くものが、必ずしも売れることはありません。


 自分にとって最高に面白いものが、売れるとも限りません。


 小説や漫画を書いて商売することは水物と同じで、そのときそのときの買い手の流れで決まってしまいます。


 編集者が面白いと思うもの、書き手が面白いと思うもの、買い手が面白いと思うもの、それが偶然マッチングしたときに、はじめて大ヒット作になると思います。


 大ヒットにならなくても、


 タイトル、あらすじの工夫


 で、買い手の興味を惹くことも出来ます。


 ところどころで耳にしますが、


 読者に媚びるなんてできない。


 とか、


 宣伝して買ってくれなんていう前に良い作品を書いた方が良いんじゃない。


 と言われる方もいます。


 その方はそれで売れているのだから、すばらしい才能の持ち主だと思います。


 でも、私は思うのです。


 書いたら賞を取って、本になって売れて、次作が本になる。そういう方は昨今は稀です。


 門戸はどんどん厳しく狭くなり、即売れる作家さんを求める兆しが強くなっています。


 賞を取って本になっても売れなかったら捨てられるのです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る