11.あらすじ

 こんにちは。今日は雨が降ってます。明日は晴れると良いですね。


 今回は、<あらすじ>の構成、書き方について、説明していきたいと思います。


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 <あらすじ>とはお話の大まかな流れのことです。


 ですから、お話の骨子を説明すると言うことは、お話の大まかな流れを簡潔に説明することになります。


 大まかな流れとは、<起承転結>のことを指します。


 この<起承転結>を他人が読んでわかりやすく書かれていればOKなのです。


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 また、この<あらすじ>のことを<あおり>と勘違いしている方がいます。


 投稿する際・他人に読んでもらう際の<あらすじ>とは、おおむね、<起承転結>全て書くことを指しています。


 <あおり>はどちらかというと、<起承>までの一番面白いところでぶった切ったものを言います。


 投稿したり、他人に<あらすじ>の説明を求められたときは、<あおり>ではなく、<起承転結>の方を説明しましょう。


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 一番簡単な<あらすじ>は<起承転結>それぞれを一行にまとめたものでしょう。それは、骨子の大本になるもので背骨の中の神経のようなものです。大本なので、骨子に固めてしまうと大概隠れて見えなくなるくらいがちょうど良いと思います。


 ですが、この神経ほどの一行で書かれた<起承転結>は他人に説明して聞かせるには大まかすぎて、全く内容が分からないことが多いです。


 要するに、分かってるのは自分だけという状態になります。


 骨子にまで育てた状態になって初めて、<あらすじ>として他人に読んでもらえるレベルになります。


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 たとえば、


 1.主人公が旅に出る。

 2.仲間と出会う。

 3.敵が目的を阻む。

 4.敵を倒し、目的を遂行する。


 これが神経の部分になる、<起承転結>です。


 これでは、何が何だか分からないですし、<テーマ>も見えてきません。


 この<起承転結>を骨子で固めていく作業は小さな<起承転結>を纏わせる作業になります。


 <起承転結>それぞれに、入れ子のような<起承転結>を付け加えるのです。


 その作業は、最初のほうで話した<なぜなの?>を繰り返し、<理由付け>を行うことで完成します。


 たとえば、


 1.主人公が旅に出る。


 を、もっと詳細に4つの<起承転結>にまとめます。


 1-a.主人公には病気の妹がいる。

 1-b.妹の病気を治すには、ドラゴンの血が必要だと知る。

 1-c.しかし、ドラゴンと戦うには特殊な力が必要でそれを魂と引き替えに得る。

 1-d.血を手に入れるためにドラゴンが住む地に出発する。


 この<起>の<起承転結>を作成するに当たって、有効な概念があります。


 すぐびんさんのサイトの「パーフェクトなシーンを書く3×3の法則」です。


 この方法で、主人公や脇役達の動機付けを行うことによって、間延びすることなく飽きることのないお話を展開させることが出来ます。


 ただし、これは一例に過ぎません。もっと良い方法があるかもしれないので、皆さんも模索してみてください。


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 これで<起>はまとまりました。


 わたしは基本ファンタジー脳なので、たとえがファンタジーになってしまい申し訳ありません。ご容赦ください。


 次に、<承>を考えていきましょう。


 2.仲間とで出会う。

 ↓

 2-a.旅を始めた矢先、何者かに襲われ怪我をした脇役に出会う。

 2-b.やっかいな脇役だと思うが、主人公は脇役を連れて最寄りの町に向かう。

 2-c.しかし、脇役は町に向かうことを拒み、連れて行ってくれる代わりに必ず礼をすると申し出てくる。

 2-d.脇役は魔法が使えるため、主人公は仕方なく同行を受け入れる。


 骨子を作っていくうちに、いろいろな<なぜなの?>が生まれてきますし、お話を考えて<起承転結>を作った時点で、あなたの中でこういう話にしたいというストーリーが出来ていることでしょう。


 では、このまま、<転結>まで書いていきましょう。


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 3.敵が目的を阻む。

 ↓

 3-a.同行した脇役はなぜかドラゴンについて詳しい。

 3-b.ドラゴンの谷で生まれ育ったからだと、主人公に脇役は説明する。

 3-c.敵は脇役がドラゴンを呼ぶ鍵だと言い残し、脇役を連れ去られてしまう。

 3-d.脇役を見捨てられないのと、ドラゴンを呼ぶ鍵という理由を知るために、主人公は脇役を連れ去った敵を追う。


 4.敵を倒し、目的を遂行する。

 ↓

 4-a.主人公の前に始め主人公と取引をした人物が現れる。

 4-b.ドラゴンを手に入れるために使うか、脇役を救うために使うか、一度しか力は使えないと告げる。

 4-c.脇役を救うために力を使ったため、主人公は魂を引き渡さねばならなくなる。

 4-d.実は脇役がドラゴンであり、取引した人物はドラゴンの守護者だったため、血以外に妹を救う有効な方法を授けられる。


 これで、他人に読ませることが出来、お話の大まかな<あらすじ>が理解できるようになりました。


 あとは、このお話に血肉を付けていくだけです。それは、<なぜなの?><伏線>を駆使して、少しずつ書いていくことになるでしょう。


 これに<テーマ>を付けるとしたら、「大事なものを失う代わりに、もっと大切なものを手に入れる」だと思います。


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 さて、お話を書き終えたあなたがもしも投稿したいと考えたとき、有効な<あらすじ>の書き方をするとしたら、先ほど骨子で固めた、お話の<あらすじ>を規定の長さにまとめるのが一番簡単な方法です。


 主人公と脇役の名前、妹や取引をした人物の名前、性別、その他の敵の名前や性別が決まったら、すぐに書けるでしょう。


 できたら、お話を全て書いてしまってからの方がより詳しく<あらすじ>を書くことが出来るので、そちらをオススメします。


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 ところで、わたしはずっと<あらすじ>と書いてきましたが、<あらすじ>にはいくつか別の呼び方があります。


 ・梗概

 ・概要

 ・すじ(筋)、筋書き

 ・プロット

 ・アウトライン

 ・シノプシス


 これらも同じような意味なので、覚えておくと良いかもしれません。


 また、投稿で求められる<あらすじ>の長さは、原稿用紙250枚、400枚以上でも800字くらいです。


 中編では(原稿用紙150枚以内)、400字くらいです。


 この長さだと、血肉やアクセサリーまで入れていくと、規定の文字数を超えてしまいます。


 決められた文字数は守らないといけません。長すぎたり、「こうご期待!」などと結ぶと、そこで落選する可能性があります。


 短すぎない分には問題ないようですが、要旨をまとめ、<起承転結>になるように工夫してみてください。


 また、その文字数で上手に説明が出来ると言うことは、それだけお話を理解できていることだと思いますので自信を持っても良いと思います。


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 では、次回。

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