2-2:ライチ1

放課後、ライチは気になることを調べていた。リッカを染めていた黒魔法の出処だ。とはいっても、消滅させてしまった分体の逆探知は難しい。であれば、可能性を探すのみだ。


ライチは自分のアトリエのテーブルの家に、町の地図を広げた。そして、橙色の絵の具を筆に取り、呪文を唱えた。

「”色濃い魔力を、『探し』出せ”」

橙色の絵の具が光る。ライチはそれを大きく振る。地図上に絵の具が飛び散る。


飛び散った絵の具はいくつかの場所に吸い寄せられるように集まっていく。

「さあて、どこにいる……?」

まずは学校、ここは違う。いつも自分たちがいるところだからだ。


次にこのアトリエ、もちろんここも違う。マモリちゃんの家、魔法使いの一族なので当然違う。ライチ君の家、これも違う。リッカちゃんの家、怪しいけど保留。

「となると、ここか」

指し示した場所は、ライチの夢の世界に出てきた公園だった。

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