思い出屋さんのゆううつ

"いなくなった人の声で電話ができる"

実際にこんな事ができればどれだけ有難いか、もし自分なら誰ともう一度話がしたいか、そんな事を考えながら読んでいました。

しかし、どれだけ人を救う事ができても自分は自分を救う事はできない。自分の本当に欲した事は自分で得る事ができず…。それは悲しい事かもしれません。

だけど、新しく思い出を塗り替える事はできるのかもしれません。思い出は、消えていくものではなく新しく塗り替えていくものだと、そんな風に伝わりました。

"誰かの背中を押す事が、自分の背中を押す事につながっていく"

短いながらも、濃い内容のメッセージが伝わってくる作品です。

皆に思い出を、そしてヨモギさんも･･････

いいお話です。

　これは「誰かに校閲・しっかりとした（略」用の辛口レビュとなります。

　心温まるストーリー。「大切なことは目に見えない」という星の王子様の１文のような物語でした。
　特に子どもの描き方が良いですね。思わず萌えてしまいました。

　問題点はまず、終盤のおばあさんのカタルシスが弱いところです。
　何故人の声真似をしているのか？　それが見えないため、ラストで想いが昇華されない。
　もちろんヨモギさんの思いは描かれている。けれどそれは、ラストで「よかった」と想い涙を流すものではない。
　涙を流した理由をもっと盛り込むことで、読者はもっとヨモギさんに感情移入をして、「よかった」の一言で強い感動を味わ…続きを読む

映画「ツナグ」を連想した貴方(貴女)！ 違いますよ〜。読んでみてください。あの映画とは少し違った感動を味わえます。
童話らしい独特の世界観を確立させています。でも、児童向け童話じゃないと思う。誰かと死に別れた経験を持つ幼児は少ないだろうから。これは大人向け童話だと思います。
大人ならばこそ、少しだけ勇気みたいな気持ちを貰える読後感が良いです。

作者へ)
コンテスト参加を知り、改めて読み直しましたが、私には大した指摘を思い付けませんでした。素晴らしい作品だと思います。強いて言えば、タイトルの「憂鬱」はニュアンスが違うかなと思いました。

　この作品を読む際は、スクロールはゆっくりで、お願いします。
　行間である程度、ゆっくり読めますが、一文一文を大切に読んだ方がいいと思います。大丈夫です。ゆっくり読んでも時間はかかりません。
　まず、この世界観と設定が良いです。とても牧歌的です。
　大きな事件は起こらないのに、とても心を揺さぶられる感動作です。
　そして何より、人間が人間を思いやる気持ちにあふれていて、人間関係がとてもいいのです。
　この物語に出会えて良かったです。
　是非、この静かな感動を味わってください。

結論から言うと、とても温かな短編だったと思います。

依頼人の、喪った大事な人の声を真似できるお婆さん。
でも、お婆さん自身も大事な人を喪っていて……と入りなのですが。

お婆さんがしてきたことは、とてもとても大事で、尊いことに繋がってるとわかった時、少しほろりと来ました。

ちょっと感動したいという時におススメしたい。

“誰かの思い出の人の声をまねすることができる”魔法を持つおばあさんと、少年を通して描かれる心温まる童話です。

“大切な人の死”がという重そうなテーマでありながら全く重さを感じさせずに、優しい物語を展開させていくというのは凄いと思います。
また少年の子供ならではの純粋な行動も、とても心が温まりました。