第22話

【ジジイの見本】


さて、それでは、ジジイの見本を見ていこう。



色んなテクニックを駆使しながら、いつの間にか相談者の心理をハダカにする、その超絶テクニックには、ワインが合うので、是非とも、読者のみなさんには、ワインを飲みながらこの本を読んでもらいたい。





「もしもし?」

「はい、こちらはエヌチーチー相談所です。おかえりなさい!」



↑おかえりなさいということによって、あなたの居場所は、ここですよ、と優しく思わせる(^_^)



「た、ただいま」




↑変な奴(≧∇≦)



「えー、お電話くれて、嬉しいよ。声、かわいいですね」


↑本題を無理に聞き出そうとしないで、たわいない会話で、さりげなく褒める(^_^)



「え?そ、そうですか?お会いしたらガッカリするかも」

「いやいや、はっはっはっは!」


↑コメントしづらいことを言われた時は、とにかく、このイヤイヤハッハッハ作戦を使う(^_^)



「えーと、実は、相談がありまして。しゅ、主人の、ことなんですけど、そ、その、す、砂を触った手で、手を洗わずに、すぐ、わたしのおっぱいを触ってくるんです」

「手を洗わずに?」

「はい。砂を触った手で、すぐにわたしのおっぱいを触ってくるんです。それが、悔しくて悔しくて」

「ご主人に、その悔しい気持ちを伝えましたか?」

「は、はい!手を洗ってほしい、と」

「そしたら、ご主人は?」

「主人は、『いやいや、はっはっは』と笑って、取りあってくれませんでした」




↑イヤイヤハッハッハの使い手出現!(≧∇≦)


強敵の可能性あり!





「そうですか。砂を触った手で、触るっていうのは、ご主人は、一体どこにいるのですか?公園とかですか?砂場とか?」

「公園というか、砂場というか、砂を触った手で、わたしのおっぱいを触ってくるんです。それが、ウッ、ウッ、つらくて、つらくて。ふえーん。ふえーん」




↑泣きだした。こういう時は相手が泣きやむまで優しく待つ(^_^)





5分後、落ち着いてきた。


「うっ、うっ、うっ。す、すいません!あ、あの、その、砂を触ってから、手を洗ってほしいのに、手を洗わずにすぐ、わたしのおっぱいを触ってくるんです」

「えーと、では、ご主人は、どこにいるのですか?あと、奥さんも」

「どこっていうか、砂を触ってから、手を洗わずに、わたしのおっぱいを触ってくるんです」

「奥さん、その砂は、どこから、来た砂ですか?」




↑答えない時は、質問の仕方を変えてみる(^_^)




「公園の砂場です」


↑質問の仕方を変えただけで、このザマ(^_^)


「てことは、ご主人は、砂を触ってから、家に帰ってきて、奥さんのおっぱいを触るんですね?」

「いや、もう、そんなんじゃないんですよ!もう、わたしが『手を洗って!』って言う暇もないんですよ!砂を触ってから、わたしのおっぱいを触るまで、もう1秒もかかってないんじゃないかしら!」

「じゃあ、奥さんも砂場にいるんですかね?」

「わたし、わたし、わたし、うっうっ、悔しいーっ!ウエーン!ウエーン!あはーはーん!」




↑泣きだしたときは、泣きやむまで優しく待つ(^_^)




5分後、依頼者は泣き止んだ。



「うっ、うっ、すいません」

「いえ、いいんですよ。それで、ご主人は公園の砂場にいて、その砂場の砂を触ってからすぐ、奥さんのおっぱいを触るんですね?」

「はい!そうなんです」

「手を洗って!っていうセリフも言えないぐらいにすぐ?」

「そうですね。そのセリフだと、“てを”ぐらいで、もう触られてますね。で、あとから、『さっき、テオって言ってたけど、なに?』って聞かれるパターンです」

「えーと、そんなに早く触られるってことは、奥さんはその時、公園の砂場にいっしょにいるんですかね?」

「ていうか、その、わたし、手を洗ってほしいんです!主人は、『お前がおっぱいを後で洗ったらええねん。どっちが洗うかの問題やからな』と言ってきます!ウエーン!ウエーン!」




この依頼者はこの後、一時間泣き続けた。



みなさんなら、どう対処するかな?


後編に続く。





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