第13話vier 6

「へぇーそうなんだ」


薄ら笑いを浮かべる佳佑君の顔。

引かれた?

それとも私の説明になっとくしてくれた?

どちらとも言えない。



「そうなの。母が色々心配してくれて、、、、」



言い訳をし続けようと思ったその時。

後ろから両手を羽交い締めにされる。

私を羽交い締めにしたのはにひとだった。



「ちょっとアンタ何してんの?」

振りほどこうとしても、素材は鉄屑。振りほどけない。



「早くママを幸せにする手伝いをして下さい」


にひとが佳佑君に話しかける。


「はぁっ?」


そんな我々の姿を見て、冷ややかな目でこちらを見る佳佑君。

ポケットに手を伸ばすとスマホを取り出した。



「ママをヤッて欲しいです。僕もその手伝いをしますから」


「ヤるとか」


「にひと!何言ってんの?意味が違うってバカ‼」


必死にもがくけど、振りほどけない。

佳佑君は笑うのを堪えながら、スマホをいじると



「つーか俺、そういう変態なの無理だから」


そう言い大声で笑いつつ、アパートからどんどん離れていく。



違うの!誤解だから!

すぐに追いかけて誤解を解きたい所だけど、にひとのロックが外れない。

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