意識的情動的身体的機械少女 (第18回座談会公開済み)
エントリー#18
作品名 意識的情動的身体的機械少女
作者名 枝戸 葉
作品URL https://kakuyomu.jp/works/1177354054882681738
作品のキャッチコピー、あらすじ
『錯覚する機械など、存在価値が無いわ。』
GCN(擬似意識機関)として物語を生み出す機能のみに特化した<私>は、AI<キャラクト(擬似情動機関)>メアリの擬似意識となり、研究所で様々な実験を課せられる。そのまま順調に生体身体(バイオボディ)NAOMI32swに搭載され、アンドロイドとなった<私>とメアリだが、NAOMI32swの下位ソフトウェアの中に、見知らぬ『癖』を見出したのだった。
そしてそのNAOMI32swの『癖』が、かつて彼女に乗せられていた、とあるAIの記憶を人々から呼び覚ます。
意識と、情動と、身体と。
3つの機械の少女たちは、一つの身体に乗り、かつてのNAOMI32swの記憶を求めて歩き始める。
作者からの一言、メッセージ
「人間だって腸が思考すると言います。皮膚が思考すると言います。胃が思考すると言われています。ではソフトウェアの集合である機械の中では、膨大なソフトウェア達の声で埋め尽くされているのではないでしょうか。伊藤計劃の言う魂の語る物語をブラッシュアップ、あるいはスケールダウンし、細部だけに特化したような作品ではありますが、楽しんで頂ければ幸いです。」
座談会
前回までの『座談会』――――
だらだらと下らない『座談会』を続ける、ななせ、七瀬、N氏の3人。
そんな3人の前に、謎の人物が現れるっ!!
「――――もうアンタたちにこの『座談会』を任せては置けないねっ」
その正体とは――――?
第18回座談会の幕が、今開ける!!
ななせ「おっ、お前は……」
七瀬 「まさか……」
N氏 「どうして、お前がここに……」
ななせ・七瀬・N氏 「なっ……NANA!!」
NANA「アンタたちがダラダラ下らない『座談回』をやっているからアタイが出張って来たよ。こっからはアタイのステージだっ!!」
ななせ「まさか、お前が出てくるなんて……」
七瀬 「なん……だと……」
N氏 「説明しよう――NANAとは、我らが作者の中のロックンロールでパンクな感情の塊であり、その発露である。黒髪ショートのドギツイアイメイク、そして黒革のライダーズジャケットを着た可愛い女の子でもある」
ななせ「それなんて矢沢あいさんのN〇N〇……」
NANA「黙ってな!」ボコッ
ななせ「へぶしっ」
NANA「早速第18回の『座談会』の幕開けだっ。第一宇宙速度でかっ飛ばしていくよ。さぁ、エントリー作品の説明をしなっ」
ななせ「はっ、はい……今回のエントリー作品は『意識的情動的身体的機械少女』。作者さんは枝戸葉さん。この企画がはじめましての作者さんです」
七瀬 「……SFを中心に書かれている作者さんだね。実は『意識的情動的身体的機械少女』で使われている『キャラクト』と呼ばれているシステムは、同作者の『AI cry-sis』という作品でも使われていて、おそらく独自のSF的世界観や技術体系を確立している作者さんだと思うな」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881892174
NANA「『意識的情動的身体的機械少女』の話しはどんな話なんだい?」
ななせ「アンドロイドの中に3つのソフトウェアが入っていて、その3つのソフトウェにはそれぞれ別の人格があるんです」
NANA「三つの人格……? 混乱しそうだけど……しないのか?」
ななせ「それぞれのソフトウェアには優劣があります。意識を生みだす『私』。情動を生みだす『キャラクト』。そして、アンドロイドの体であり外界の情報を受け取る『NAOMI』。この3つのソフトウェアがお互いの役割を担い、最終的に様々な情報を『私』が物語にしてフィードバックするんです」
NANA「なんだか難しくて混乱してくるね」
ななせ「確かに、説明すると混乱しそうなんですけど、実際に読んでみると混乱することもなく、ものすごく丁寧でロジカルに説明されてます。正直、一つの体にそれぞれのソフトウェが持つ3つの人格があるという点には、度肝を抜かれたというか――この発想ってすごくないか?と興奮しました」
N氏 「最終的に、アンドロイドの体である『NAOMI』が、以前に乗せられていたAIの癖を行い、その真相を探るミステリー仕立てになっていくのだが――この解決方法も、物語の帰結もSF的で素晴らしい。アシモフの『ロボットシリーズ』を連想させる短編だ」
ななせ「物語の後半、前のAIである『ミレア』が、心と体の不一致で外界からの情報を遮断して閉じこもっていくあたりは、ものすごく読ませますよね。機械に魂が宿るのか、それとも全ては単なる記号なのか、深く考えさせられました」
七瀬 「この作品は、登場人物も良いんだよね。ストーリー自体は難しことをやっているので、あえてキャラクターを立てて、キャラ同士の掛け合いをコミカルにしているというか――『私』と助手のやり取りは微笑ましくて、子供を愛でているような感覚になったね」
ななせ「そうですね。そのあたりも計算されていたように思います。とかにかく、レベルの高いSFだなあと思いました。後、『私』ちゃんのマヨへのこだわりがすごいんですけど、それも含めてすごいなあと」
NANA「なるほどね! アタイはSFのことは全然分らないけど、パッションに溢れたロックでパンクな作品ってことだね」
ななせ「なんだ……そのまとめは?」
七瀬 「まさか、それが言いたいだけだったんじゃ……」
N氏 「説明しよう――『座談会』がマンネリになってきて何か新しい刺激が欲しいと考えた時に、真っ先に我らが作者が考えたのが新キャラの投入だったのだ。漫画やラノベなどで、話を続けるために安易な新キャラの投入に疑問を抱いていた作者だが、新キャラの投入が必然であることを身をもって知ることとなったのだった」
NANA「何をブツブツ言ってるんだい? 次回も第一宇宙速度でかっ飛ばしてくよ!」
ななせ「こっ、こんな感じで、今回の座談会を終わります……」
七瀬 「やれやれ、これじゃあこの先が思いやられるなあ……」
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