Angelfish (第17回座談会公開済み)

エントリー#15


作品名  Angelfish

作者名  藤原肇

作品URL https://kakuyomu.jp/works/1177354054882697123



作品のキャッチコピー、あらすじ

『エンゼルフィッシュは目を閉じない。』


地下鉄の自爆テロに巻きこまれたわたしは、五感はすべて正常なのに目以外動かせない『閉じ込め症候群』になった。これはわたしと、わたしのクローンと、わたしのアバターのお話。



作者からの一言、メッセージ


「七瀬さん 企画・編集ありがとうございます。SFをはじめて読んだのは中学時代、『夏への扉』だったのですが(猫の絵にひかれました笑)、未来への希望を描いている作品を多く読んできたぼくにとって現在と地続きの限りなく現実に近い未来を描いた『虐殺器官』は大きな衝撃でした。うまくまとめられていなくて申し訳ないのですが、たのしく書かせていただきました。Twitterでうっかりこぼした「書いてみたい」を拾ってくださって、ほんとうにありがとうございました。」



座談会


ななせ「第17回『座談会』をはじめますっ」


七瀬 「今回の作品はどれだい?」


ななせ「はい。エントリー作品は『Angelfish』。作者さんは藤原肇さん。Twitterでも交流のある作者さんですけど、藤原さんの投稿している『Do Not Attempt Resuscitation』を読ませていただいたことが切っ掛けですね」


https://kakuyomu.jp/works/1177354054882606608


七瀬 「『医療用ヒューマノイド』が誕生している未来の物語だね。SF的なガジェットを上手く使って医療について語り、同時に深く考えさせる素晴らしい物語だったね」


ななせ「そうなんです。今回の『Angelfish』を読んで思ったんですけど、藤原さんはSF的なガジェットを使って社会や、その社会での問題を描くのが上手いなあと思いましたね。N氏にも話を聞いてみようと思います」


N氏 「まずは『Angelfish』について。この物語は、一人の人間に幾つものセキュリティが講じられた社会を描いた、過剰なまでに保護主義的な未来を描いている。主人公の真綾には――社会的地位や人間関係を保つために、適切な応答を最適化するダイアローグアバターのマーヤ。つまり‘わたし’がいる」


ななせ「ふむふむ」


N氏 「そして、仮に真綾の肉体が損傷した場合に備えて、姉妹同然に育てられた真綾のクローンのアーニャ。つまり“わたし”がいる。主人公の真綾は、『とある事件』によって眼球以外動かせなくなる『閉じ込め症候群』になり、マーヤとアーニャの補助なしでは生きられなくなる」


ななせ「真綾は、マーヤとアーニャの助けで日々の生活自体は維持しているんですけど、少しずつ自分が自分じゃないものになっていく、自分との齟齬を感じ始めて不安になって行く描写は素晴らしく、胸に来ましたね」


N氏 「その結果、真綾はアバターであるマーヤを拒絶するのだが、そうなると真綾のセキュリティはアーニャだけになり、その先の未来に気づいた真綾は深い絶望を覚える」


ななせ「この辺りからグッと読ませますよね。最終的に真綾が下した選択は読者に読んでもらうとして、非常に完成度の高い短編だったと思います」


七瀬 「真綾とアーニャの心を見透かす栞子という友人も良かったと思うな。真綾やアーニャや、この社会にたいしてのアンチテーゼ的な役割を担っていると思うんだけど、彼女のおかげで物語にグッと深みが出たような気がするよ。栞子が、自分が飼っているか弱い生物『エンジェルフィッシュ』を見つめるさまは、そのまま彼女がか弱い人間たちを見つめているようで、彼女の聖母のような超然した雰囲気にマッチしていたね」


ななせ「そうですね。物語の中で何度も登場する『エンジェルフィッシュ』という小道具が、たんなる小道具で終わらずにメタファーとして機能していて、それが素晴らしかったですね」


N氏 「ふむ。今回は非常に有意義な『座談会』になったように思う」


ななせ「前回はラップをやるような馬鹿がいましたもんね……その前にもWBCでテンション上がってたし。そろそろ真面目にやっていきたいものです」


? 「ちょっと待ちなっ! アンタたちは、なにをダラダラ駄弁ってるんだよ。もうアンタたちにこの『座談会』を任せては置けないねっ」


ななせ「おっ、お前は……」


七瀬 「まさか……」


N氏 「どうして、お前がここに……」




突如『座談会』に乱入した謎の人物――


その正体は――――!!


次回、第18回座談会を待て――而して期待せよっ――to be continued.



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