柚希の消失
「おい!柚希は!柚希はどこなんだよ!」
「あんた、そんな汗かいてどうしたんだい。柚希ならやっぱり待てないってそっちに向かったんだけど一緒じゃないわけ?エレナや葵はどうしたんだい?」
「くそっ!すれ違いかよ!わりぃ、少し帰り遅くなるかもしんねぇ」
「ちょっと、どこに行くんだい、外は雨が強くなるって…」
俺はその言葉を聞き終えた時にはもう走っていた。なぜ、こんなに焦っているのかわからない。体が熱い。冷や汗に似たものだろうか。そんな生易しいものではない。俺は不安で不安で仕方がないのだ。
「おーい!柚希、柚希、どこにいるんだよ、お願いだから早く顔見せてくれよ、なんでこうなるんだよ!全部俺が悪いってのかよ!俺がなんでこんなことになんなきゃいけねんだよ。俺は柚希がいないこの世界でなんて生きられない、たまったもんじゃねー、妹なしにこの世に価値なんて、、、ねーんだよ。」
雨が俺の体に刺さるように降り注ぐ。ありえない、柚希がいなくなるなんて、、俺は暗闇のなか走り続けた。
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