第4話

「昨日の今日でもう決めたのね。結構、早かったねー」


 俺は今、甘木先輩と対面している。


 灰ヶ峰の見舞いへ行った翌日。俺は早速甘木先輩にコンタクトを取った。


「で、答えを聞かせてくれるかしら?」


 先輩は問う。俺は言う。


「入ります。俺、〈大罪セブン〉に入る」


 にやり、と。口角を上げて、さも嬉しそうに笑みを浮かべるのは甘木先輩だ。


「ありがとね。夜刀くん」


 言って、彼女は歩き出す。俺も後を追う。そして、一つの扉の前へ辿り着く。


 その扉の取っ手に手をかけて、先輩は言う。


「私は、私たち〈大罪セブン〉はあなたの加入を歓迎するわ」


 そして、開けられる扉。


 その先にはほかの〈大罪セブン〉のメンバーがいた。


 俺――黒瀬夜刀は今、新たなステップを駆け上がる。


 アバドンであり、サタンに憑かれている俺は、〈大罪セブン〉の一員として、疑問の答えを模索する。

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奈落の底にいるものは 硯見詩紀 @suzumi_shiki

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