第26話 メール
池袋で買ってきたマスキングテープを、他のテープと一緒にしまってから、わたしは掃除機をかける。
最近は、前よりも吸い込みが悪くなってきた気がする。ちゃんと、フィルターの掃除もしているのに、以前は吸い込むことができたゴミが吸い込めないのだ。これは、もうすぐ動かなくなるのかもしれない。もしそうなったら、次はモップでもいいかなと考えて、それから、わたしは掃除機のゴミを捨てる。
どこから出てくるのか分からない綿の様なほこりを取り除く。
そして、かすかな着信音が聞こえた気がしたから、携帯電話を探す。昨日持って行ったバッグにしまったままだった。わたしはメールの確認をしている途中で、首をかしげてしまった。
そのメールは、わたしに「聞いてほしい話がある」という内容で、詳しくは書かれていない。どんな話なのか、それすらよく分からないメールだ。それに対して「どんなお話ですか?」という当たり前の返事しか書けないわたしは、なんて気のきかない女だろうと自分でも思う。返事はすぐに届いて、その結果これからすぐに会うことになった。翔さんはあのスーパーに居て、これからわたしの住む部屋まで来ると言う。
すぐに掃除機をしまったり、お湯を沸かしたり、着替えたり、とにかく忙しかった。
そして、そろそろ翔さんが部屋に着いてもおかしくない時間になった。
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