空を失った人類の希望。空を駆ける戦士たちの戦いと日常と。

まずなにより印象的なのが、怪物の登場によって空を失った人類というその設定だろう。
世界のあり方を強く示し、なにが危機でなにが恐ろしいのかを実感として知ることが出来るのが強みだろう。
そしてその空の侵略生物と戦うのが、同じく空を飛ぶことが出来るようになった進化した人類『反重力種』であり、主人公、真鍋マグがその力に目覚めたところから物語は始まる。
人類のために戦う、しかしその中でも戦う理由に違いはある。
そんな人間模様と、棄てられた地上のビル群を眼下に戦う絵的な美しさ。
そしてそれが極まったのが『さよなら東京』のラスト。
これは、まさにそこにある戦いの物語である。

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