第33話 風神雷神の起

起。


俺の名前は、光リエ(ヒカル・リエ)。女の名前だが、れっきとした男である。


「女の子が欲しかった!? 男の子が生まれたら、男の子の名前をつけやがれ! 小さい頃から、「リエちゃん? え!? 女の子と思った!」とか、好きな女の子に告白をしては、「私、女の子の名前の人とは付き合えません!」とか、そんなことばかりだ!? 俺の人生で楽しいことなんて、やって来ないんだ!」


と、思いつめ、学校の屋上から飛び降り自殺を図ったのだが、不幸な俺は死ぬことすら許されなかった。そんな俺の前に、レンタル福の神という、偉そうなでキチガイな女が現れ、不幸を幸福に変えるという。俺は、福の神に憑りつかれてしまった。福の神のおかげで、俺にも久野文香という彼女もできた。そして、俺の不幸との戦いが始まった。「貴様の不幸、私が頂こう。」あ~ん、パク、モグモグ、ゴックーン「おいしい!」「ほんとに食うな!」俺の生死の不幸はおいしいらしい!?


富士山が大爆発を起こすという、大不幸から人々を守ることができた。俺と福の神だけでの作品としての形もでき、後は舞台を変えても永遠に続けられる所まできてしまった。ということで、新キャラクターを登場させ、作品の世界を拡げる所まで来た。新キャラ以外は、過去作から再登場という形になる。第1号が地味な佐藤さん。第2号がスケバン・気づかい・猫の3人組。


不幸を呼び寄せる俺は、ついに不幸な神まで呼び寄せた。闇エリ子に憑りついていた貧乏神が俺に乗り移ったが、俺の不幸は貧乏神の貧乏という不幸すら吸収しようとする恐ろしさだった。やっぱり不幸な俺に耐えれるのは、福の神しかいないのだった。


先に先に進めようとすると、進むが頓挫するので、ここで闇エリ子こと、闇エリと貧乏神サイドを書いてみよう。これがアニメとは違う、小説の良い所だ。なんと闇エリは、親の貧乏神を誕生日プレゼントのお人形さんのエリザベスとして、なすりつけられたのだった!? お人形さんの正体が、私の幸福を食べる貧乏神と知ってしまい、貧乏神のエリザベスに憑りつかれた私との、ステキな共同生活が始まり、高校にも合格することができたのだ。闇エリは、女子更衣室で俺に裸を見られたことを怒っていた!?


なんにせよ、これで光と闇が揃うことになったのだった。しかし2人は出会いは最悪だし、仲は悪そうである。なのにクラスでは2人は付き合っていて、彼氏彼女だという噂で盛り上がっていた。光と闇・・・売れ筋に持っていけるストーリーが考えられるのだが、それでは今、書籍化やアニメ化されている作品と変わらないような? 教えて編集さん!


光と闇のカップル誕生!? 2人の間を取り持つのは、福の神と貧乏神!? なんちゅう展開になってしまったんだ・・・。ラブコメにはなるね! 光と闇が揃ってしまったことにより、純粋に不幸を福の神が食べ、幸福を貧乏神が食べるというのが小ネタになってしまった。新展開に向け、新キャラを大量生産していく!?


俺は、光の福の神使いに、エリちゃんは、闇の貧乏神使いに、それぞれモデルチェンジした。不幸と幸福のバカップルのため、個性が死んじゃったからだ。そして、第3の神も実装されようとしていた!? 候補に挙がったのは、七福神、冥王神、太陽神、月神、風神雷神・・・。果たして、誰が実験台になるのか!? 


どうやって、福の神と貧乏神が戦うのか、見ものである。神を食べる訳にはいかないしな・・・。幸福と貧乏で踏みつぶすか!? どれだけ強い幸福と不幸なんだ!? オリジナルはオリジナルだけど、こんなにオリジナルにする必要があるのだろうか!?


1番の幸福は2人でいること。1番の不幸は、2人でいられないこと。これが光と闇のカップルの出した結論だった。光の魔法とか、闇の魔術とか、普通にはならないみたいだ。なにか、おもしろい神は舞い降りて来ないだろうか!?


紙神が降臨された。トイレットペーパーの神、ティッシュ神、折り神・・・おもしろいようで、おもしろくない!? ということで、マジメに風神雷神から、神チャレンジを始めることにした。成功するだろうか!?


承。


「誰だ!? おまえは!?」

「誰もいないよ。」


そう、俺の前には誰もいなかった。


「3紙神の名残が・・・。」

「元気にしてるといいね、紙神。」


エリちゃんは、紙神にも優しかった。


「今回から、まともな神が出始めるんでしょう?」

「そうらしいね。さすがに、紙神と同じ登場の仕方はしないか。アハハ。」

「もう光くんたら。」


エリちゃんは、俺を軽く叩いた。


「イタタタタッ!?」

「え!? 私、そんなに強くは叩いてないよ!?」


俺の体に痛みが走った。特に関節が痛い。


「まさか!? これは痛風!? (2神、風、全身に雷で関節が痛い。)」


痛風に年齢は関係なかった。


転。


「この男は、私たちがもらった!」

「誰だ!? おまえたちは!?」


俺の前に、神と名乗る、カミナリパンツを履いた女が2人現れた。


「私は風神!」

「こっちは雷神!」

「2人合わせて、2風で全身にカミナリだ!」

「風神雷神ですって!?」


まともな神が、やっと現れた。


「ゴホゴホ。急に咳が、頭が痛い、体が震える・・・。」

「光くん、大丈夫!?」

「寒い・・・。」


俺は、ブルブル震えていた。


「私に憑りつかれた者は、風邪を引いてしまうのだ!」

「あなたのせいなのね!」

「なんてったって、私は風の神さんですから!」


風は風でも、風邪だった。


結。


「風邪の神さんなんて、私が退治して見せる! 光くん、待ってて!」

「がんばってね・・・、ブルブル。」


闇エリは、戦う気満々であった。


「あなたみたいな、小娘に何ができるというの?」

「私は、ただの小娘じゃないわ!」

「なんだと!?」

「私には、幸せを呼び集める力がある。そして、私には、貧乏神が憑りついている!」

「なに!? 貧乏神だと!?」

「どこ!? どこ!?」


風神雷神は、辺りを見回すが、どこにもいない。


「あれれ!? エリザベス!? どこ行ったのよ!?」


エリが呼んでも、エリザベスと福ちゃんはいなかった。


その頃、福の神と貧乏神は、トイレから出てきた。


「ああ! スッキリした!」

「トイレットペーパーの神も喜んでたよ。」

「そうだな、白い紙が真っ赤になってた。」

「え!? 福ちゃん、切れ痔!?」

「違うよ! トイレットペーパーの神が鼻血を出して染まったんだよ!」

「紙神は、神ハラ好きだからね。」

「キャハハハハ!」


2人は、光と闇がピンチに陥っていることを知らなかった。


つづく。









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