第32話 第3の神の結

「貴様! オカマ! 貴様! オカマ!」


起。


俺の名前は、光リエ(ヒカル・リエ)。女の名前だが、れっきとした男である。


「女の子が欲しかった!? 男の子が生まれたら、男の子の名前をつけやがれ! 小さい頃から、「リエちゃん? え!? 女の子と思った!」とか、好きな女の子に告白をしては、「私、女の子の名前の人とは付き合えません!」とか、そんなことばかりだ!? 俺の人生で楽しいことなんて、やって来ないんだ!」


と、思いつめ、学校の屋上から飛び降り自殺を図ったのだが、不幸な俺は死ぬことすら許されなかった。そんな俺の前に、レンタル福の神という、偉そうなでキチガイな女が現れ、不幸を幸福に変えるという。俺は、福の神に憑りつかれてしまった。福の神のおかげで、俺にも久野文香という彼女もできた。そして、俺の不幸との戦いが始まった。「貴様の不幸、私が頂こう。」あ~ん、パク、モグモグ、ゴックーン「おいしい!」「ほんとに食うな!」俺の生死の不幸はおいしいらしい!?


富士山が大爆発を起こすという、大不幸から人々を守ることができた。俺と福の神だけでの作品としての形もでき、後は舞台を変えても永遠に続けられる所まできてしまった。ということで、新キャラクターを登場させ、作品の世界を拡げる所まで来た。新キャラ以外は、過去作から再登場という形になる。第1号が地味な佐藤さん。第2号がスケバン・気づかい・猫の3人組。


不幸を呼び寄せる俺は、ついに不幸な神まで呼び寄せた。闇エリ子に憑りついていた貧乏神が俺に乗り移ったが、俺の不幸は貧乏神の貧乏という不幸すら吸収しようとする恐ろしさだった。やっぱり不幸な俺に耐えれるのは、福の神しかいないのだった。


先に先に進めようとすると、進むが頓挫するので、ここで闇エリ子こと、闇エリと貧乏神サイドを書いてみよう。これがアニメとは違う、小説の良い所だ。なんと闇エリは、親の貧乏神を誕生日プレゼントのお人形さんのエリザベスとして、なすりつけられたのだった!? お人形さんの正体が、私の幸福を食べる貧乏神と知ってしまい、貧乏神のエリザベスに憑りつかれた私との、ステキな共同生活が始まり、高校にも合格することができたのだ。闇エリは、女子更衣室で俺に裸を見られたことを怒っていた!?


なんにせよ、これで光と闇が揃うことになったのだった。しかし2人は出会いは最悪だし、仲は悪そうである。なのにクラスでは2人は付き合っていて、彼氏彼女だという噂で盛り上がっていた。光と闇・・・売れ筋に持っていけるストーリーが考えられるのだが、それでは今、書籍化やアニメ化されている作品と変わらないような? 教えて編集さん!


光と闇のカップル誕生!? 2人の間を取り持つのは、福の神と貧乏神!? なんちゅう展開になってしまったんだ・・・。ラブコメにはなるね! 光と闇が揃ってしまったことにより、純粋に不幸を福の神が食べ、幸福を貧乏神が食べるというのが小ネタになってしまった。新展開に向け、新キャラを大量生産していく!?


俺は、光の福の神使いに、エリちゃんは、闇の貧乏神使いに、それぞれモデルチェンジした。不幸と幸福のバカップルのため、個性が死んじゃったからだ。そして、第3の神も実装されようとしていた!? 候補に挙がったのは、七福神、冥王神、太陽神、月神、風神雷神・・・。果たして、誰が実験台になるのか!? 


どうやって、福の神と貧乏神が戦うのか、見ものである。神を食べる訳にはいかないしな・・・。幸福と貧乏で踏みつぶすか!? どれだけ強い幸福と不幸なんだ!? オリジナルはオリジナルだけど、こんなにオリジナルにする必要があるのだろうか!?


1番の幸福は2人でいること。1番の不幸は、2人でいられないこと。これが光と闇のカップルの出した結論だった。光の魔法とか、闇の魔術とか、普通にはならないみたいだ。なにか、おもしろい神は舞い降りて来ないだろうか!?


承。


といことで実験で、第3の神が現れた。


「誰だ!? おまえは!?」

「フフフ・・・、私は、トイレットペーパーの神だ!」

「なに!?」


ついに現れた第3の神、それは、トイレットペーパーの紙だった。


「プププッ。」

「笑っちゃダメよ、かわいそうでしょ。」

「もうダメだ! ワッハハハハ! トイレットペーパーの神だって!? ワッハハハハ!」

「光くんたら、あの紙も、好きでトイレットペーパーの神として出てきたわけじゃないでしょうに・・・。」

「わ、分かってくれます!? たまたま語尾に、紙ってあるだけで、トイレットペーパーの神にされてしまったんです!? ヒドイでしょ!?」


紙が涙を流して、ビショビショで、もう使い物にはならない。


「はぁ・・・はぁ・・・やっと笑いが落ち着いた。笑うのがかわいそうになってきた。」

「ほんとよね、この調子だと、ティッシュ神、折り神とかも出てきそうよ。」

「そういえば、待機所にいたような・・・。」


神? 紙には困らなさそうだ・・・。


転。


次の神が現れた。


「おまえは誰だ!?」

「私はティッシュ神だ!」

「知ってる。」

「え!?」

「知ってると面白くないわね・・・ガッカリ。」

「え!?」


ティッシュ神は、驚いた後、途方に暮れている。


「やっぱり神を紙で済まそうとするのは、無理があったか・・・。」

「アイデアはおもしろいんだけどね・・・、話が広がらないわ。」

「一層のこと、神紙戦記でも書いてみるか?」

「おもしろそうだけど、誰が読むの? 誰が共感するの? トイレ紙、ティッシュ紙?」

「んん~困った。」

「あの、私の存在は・・・。」

「黙ってろ!」

「はい!? 静かにしときます!」


ティッシュ紙は、ちょんぼりした。


結。


次の神が現れた。


「折り神だろ。」

「え!?」

「今、大切な話をしているから、紙神は静かにしててね。」

「は、はい!?」


こうして、3人の紙神は、端っこに追いやられた。


「トイレ神、ティッシュ神、これはいったいどういう事なんだ?」

「私たちは、神としては役不足みたいなんです・・・。」

「それなら最初から出さなければいいのに・・・。」

「うえ~ん!」


紙神は、愚痴って、泣いた。


「やっぱり神は、ビックネームを持ってくるしかないか?」

「そうね、あの3紙が、偉大な神に進化する可能性もないものね。」


光と闇は、冷酷非道だった。


「うえ~ん!」

「まあ、おまえら泣くな。」

「そんなことを言われても、涙が自然に出てきて止まらないんだ!」

「私たちが、お尻を拭いて、鼻水をかんで、鶴でも折って使ってやるから。」

「ありがとうございます!」

「現金な奴らだな、本当に神かよ!?」

「早くトイレ行って、お尻を拭いてください、エヘヘヘヘ。」

「セクハラかよ!」

「違う、福ちゃん。神に対するセクハラだから、神ハラよ。」

「あ、そうだった。神ハラか!」

「エヘヘヘヘ。」


結局、神は紙であり、決まらなかった。


つづく。





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