第16話《魔本導くアナザーワールド》リプレイ⑪

~エンディング2 『小林茉莉の結末』~


 PC3のエンディングが終わった後、PC2が支部に入り、救出に成功した小林茉莉と会話する流れになりました。


阿東一価:「さてと、茉莉さん無事かな。支部長、中に入れてください」


ヒドゥン:ではぱくんちょと二人を食べて支部に入れます。二人を食べて一人になったところで

ヒドゥン:「ネバーエンディングストーリーにも、エンディングはある。しかし人々の記憶には残り続ける……私は君の事を忘れないだろう、夢野百合子君」とつぶやいてヒドゥンはもう出ません

椎名 護:(支部長にもそういう所あるんだよな……鞄だけど)


GM:渋く締めましたね。では、ここは夏木支部。支部長の体内です。中では職員の方々が取りこまれた行方不明者を介抱しています。職員の中には蘭子もいるでしょう

阿東一価:これ、何人かは覚醒しちゃってるよなぁ

GM:ハネムーンはドタキャンで、真実を知ってしまった蘭子です

椎名 護:誰か鎮静剤ぶち込め、ジャーム化するぞ

GM:まあ、覚醒してるかしてないかチェックしないと、出せないでしょうね

阿東一価:手っ取り早くワーディング張って調べるか


~そういえば取り込まれた人の時間ってどうなってるの? の巻~


GM:茉莉さんは、救護室のベッドに寝かされています

椎名 護:「そういえば、肉体年齢ってどうなってるんだろう」

GM:みたところ、成長はしていないです

椎名 護:ふむ……

阿東一価:「うーん、3歳分成長してたら色々困りますね……ん、あまり変わってないな」

GM:消えたあの日のまま……。皆さんも、支部長に取りこまれてから大して時間がたってないことに気がつきます。

椎名 護:(消えたあの日のままか)と考え、ちょっとセンチな気分になった自分を鼻で笑うなどする

阿東一価:「ちょっと時差ボケ気味ですね」と言いつつあくび

GM:でもな、昔取りこまれた人もそのままやねん……

阿東一価:つまり15歳で取り込まれてこっちで10年くらい経ってる人がそのままだったりすんのか

GM:そういうことだね


椎名 護:(……めんどくせぇ……女神さまは体だけはちゃんと育ってたのにな……)


GM:あれは妄念の姿なので。「女神っていったらこれくらいじゃなきゃ!」というバストサイズです。


椎名 護:(……なんというか、なぜバストサイズをあんな風にした……コンプレックスだったのか?)

GM:漠然とした大人のイメージだった。「大人の女ならこれくらいじゃなきゃ!」という……。


 素敵な女の子になりたかったんですね。彼女なりに。


GM:みんなのことは、おいおい考えていくとして……小林さんは、なんかぼんやりしてます。どうする?

阿東一価:とりあえず支部の自販機でお茶でも買って渡してあげよう

GM:お、やさしい

椎名 護:任せてしまおう。シャワー浴びてくる


~阿東くんと茉莉さんの会話~


 助け出された茉莉さんはぼんやりとしています。

 ここが現実だということはなんとなくわかっているのですが、急な変化についていけないようです。なにげに、これが初めてのロイス相手との会話でした。


阿東一価:「や、茉莉さん。僕のこと覚えてる?」

小林茉莉:「あれ……? 阿東くん……なんで、ここにいるの……? ここ、どこ……? 学校の保健室、かなあ……」

阿東一価:「まぁ、似たようなものかな」

小林茉莉:「私、すっごい大冒険をしてたような気がするんだけど……」

阿東一価:「そうなんだ? どんなことしたの?」


 優しく訊ねられて、彼女はこれまであったことを思い出そうとします。


~小林さんの好みのタイプ~


小林茉莉:「ええっとね……なんか、本の世界に取りこまれて……言葉わかんなくて……人狼と戦ったり、えと、最後はカッコイイ人に捕まっちゃって」

阿東一価:そういう認識なんだなw

GM:カッコイイ人?

椎名 護:(カッコいいの概念が崩壊する音が聞こえた気がするけど、いまはこのシャワーが幸せだ)

GM:正直いって、小林さんの好みではないというかそもそも好みという概念がまだないですけど……「なんか一般的にいって背も高いし優しいしそういう部類なのかなー? よくわからん」くらい

阿東一価:14歳だろ!? 普通の子はありそうな気がするがw

GM:ジャニーズとかテレビで見るような流行りの子は、あまり好きじゃないんです。みんなはいいっていうけどよくわかんないな、という感覚です。


 しかし14歳でテレビや友達の受け売りや淡い初恋関連ではない、自分好みの男をハッキリ自覚してるっていうのも……それはそれでどうなんだ? まだまだ恋に恋しててほしい夢見がちなGMは認めませんよ。


阿東一価:しかしこの分だと覚醒はしてなさそうだな?

GM:幸い覚醒はしてません

阿東一価:「そっか、大変だったね。楽しかった?」

小林茉莉:「うん、大変だったし、こわいこともあったけど……えと、その……助けに来てくれたから」

阿東一価:「んー? 誰が?」

小林茉莉:「おかしいよね。阿東君が助けに来てくれた気がするの」


 小林さんは(シーンには登場してませんが……建物の中にでもいたんでしょう)おぼろげながら阿東君のことを覚えていたようです。


阿東一価:「あはは、何だそれ。夢にまで出てくるって、僕やっぱりイケメンなんだね」

小林茉莉:「夢……」


GM:彼女は夢かどうかに少し疑問を持ったようですが、すぐに思い直します


小林茉莉:「うん、そうかも! 私、阿東くんの出てるテレビドラマ、大好きなの! 阿東君はね、かっこよくて強くて……演技するの、大好きなのかなって。それってすごくいいなって。だからきっと夢に出てきちゃったんだね」

阿東一価:「お、それは嬉しいね! あれ結構大変だったんだよねー、ロケであっちこっちに飛ばされるしさー」


GM:小林さんはにこにこして聞いてます。「うん、うん」って頷きながら。


阿東一価:「あんなに飛行機乗ったの初めてだよ。1ヶ月で両手で数え切れない数乗ったもの。乗り継ぎ含めて、だけどさ」

小林茉莉:「そんなに? わたし、飛行機あんまり乗ったことないなあ。でも、たいへんそう……。体に気をつけてね……」

阿東一価:「それは勿論。肌や喉が荒れたら大変だし」

小林茉莉:「さすが~! プロってすごいね」


 楽しく話をしているうちに、アナザーワールドで経験したことは、本当に夢だったように感じられてくる茉莉さん。このままなら、無事に現実に戻れるでしょう。


阿東一価:(……ま、夢だと思ってもらえるなら、それに越したことはないかな。記憶操作も大変だって聞くし)

阿東一価:(それに、折角僕の格好良いとこ、覚えててくれたファンだもの。その思い出消すなんて勿体無いだろ?)


GM:ちゃっかりしている

阿東一価:ま、そんな感じで茉莉さんとお喋りしてシーンアウト、かな

GM:うん。お喋りしている間に、小林さんは眠くなってきたみたいです


小林茉莉:「ごめんね、眠くなってきちゃったの。ありがとね、阿東くん」

阿東一価:「うん、お休みなさい、茉莉さん」

GM:「また学校で会おうね」と言って、すやすや寝息をたてはじめました。


 こうして、夏木支部の面々は、ひとりの女の子の日常を取り戻すことに成功しました。辛い別れはありましたが、PC3の今後の生き方で、過去を塗り替えてほしいと思います。


 ……ただ、椎名君いわく、今後はさらに修羅の道を行くことになるそうです。


~おつかれさまでした。シナリオは終了です。~


GM:これでシーンは終了です

ヒドゥン:お疲れ様でした

阿東一価:ん、シナリオが終了?

GM:そうですねえ、他にしたいことがなければ、終了になります

椎名 護:椎名くんはない

ヒドゥン:支部長も無いです

椎名 護:この後は、一人で夜風に当たってきたい

阿東一価:まぁやりたいことはやったかな

GM:蘭子さんを慰めるーとか楠木君を取り戻しにいくーとか

阿東一価:それは、やるなら支部長にお願いしたいw

ヒドゥン:楠木君は本人の意思だし蘭子さんは自業自得というか、その痛みが彼女を成長させるし

GM:ですね

椎名 護:うむ。これでまた彼女は強くなるのだ

GM:それではシナリオを終了したいと思います。お疲れさまでした

椎名 護:お疲れ様でした

ヒドゥン:お疲れ様でした

阿東一価:お疲れ様っしたー

GM:長らくお付き合い頂きありがとうございました!


 以上でリプレイは終了です。

 内容について、ご意見、ご質問等ありましたら、コメント機能か、ツイッターでも受け付けます。お気軽にどうぞ。(GMのアカウント:@minoli_a)


 この後からは、シナリオパートとしてNPCの情報や簡単なシナリオ、あとオマケを投稿する予定です。よろしかったらそちらも是非よろしくお願いします。


 ここまで読んで下さった皆様、どうもありがとうございました。


                         ミノリアキラ

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