12:「私の愛情、おクチからアナタに、いっぱい注いであげますからね♡」

 いますぐ大声で叫んで、現実逃避したい衝動に襲われる。でも、自分で逃避しなくても、エッチの体の柔らかな感触や、お風呂の熱に浮かされて、勝手に意識が飛んでしまいそうだった。

 「あっ、あわわわわわ……!」

 「エッチです。あら大変っ! 貴方、震えていらっしゃいますよ。もっと温めてさしあげないと。んン……♡」

 「あぷっ、ぶっ!?」

 エッチは、俺の顔をクルッと横にして、いきなりキスしてきた。ぎらぎらと輝く、エッチのピンク色の瞳が、俺の視界の大部分を占めてしまう。

 「んん~~~っ、うふふふ♡ うぅンっ、くチュ……んむ、にゅるにゅるにゅる、ニュルルル……っ♡ 貴方に、おクチご奉仕させていただきます♡ 私のくちびる、好きなだけ練習に使ってくださいね……っ♡ んン、はぁ~~っ……ぷちゅっチュププ♡」

 「むむ、んーっ?!」

 どっちかっていうと、好きに使われてるのは俺のほうじゃないか!? というくらいに、エッチのキスは激しかった。

 「はぁっ、はぁ……アナタぁ……♡ ニュるっ、じゅるクチュクチュっ……くちゅ♡ ぷちゅっ♡ ちゅぅっ……♡ ね~ぇ~っ♡ 私の愛情、感じていただけてますか? ンふふっ……むチュっ、んぷヂュぅ、にゅヂュちゅぅぅぅぅぅぅっ……♡」

 「うぅっ、んぐぐっ……!」

 エッチは、後ろから俺をきつく抱きしめる。ぜんぜん、身動きがとれないっ!

 「んん~っ♡ もっと、もっとチューしましょ、アナタぁ♡ ぺろぺろぺろぺろ、ンむっ……ぴちゃぴちゃぴちゅピチュっ……ふぁぁっ♡ ぁむン、ヂュるるるるるっ……んぁっ、あっ♡」

 「うぅ、くっ……え、えっち、もうちょい手加減を……ぷふぅっ!?」

 手加減どころか、エッチはくちびるも胸も痛いくらいに押し付けてくる。

 「んンっ、ふぁぁ~~~っ❤ 私の物理的肉体、柔らかいですかぁ? 楽しんでいただけてますか♡ うふふっ、貴方のおめめ、トロォ~ンってなってますよぉ♡ クスクスっ……もっとぉ、好きなだけぇ、私のおクチたんのぉして下さいね、アナタ♡ んんっ……ちゅっ、ニチュちゅぅっクチュ♡ はぁーっ、はぁ……ンっあんっ♡ ンちゅっ♡ ちゅっ、チュるるるるるっ……ずちゅずちゅ、れろぉっ……❤」

 「ううううーっ!?」

 や、やわらかい。あったかい……。

 女の子って、なんでやたらにやわらかいんだ……。それとも、異星人だからか?

 「れるっ、ンっぷちゅ、じゅぷじゅぷじゅぷっ……ンん、ぁ~~~~~~~むっ……❤ はぁ、ぁぁぁ……っ♡ アナタにご奉仕していると、たまらなくって、体がムズムズしてぇ♡ 私、あたまが変になってしまいますぅ……♡ ニュるっ、じゅぷっ、ジュプぷ、んんっ……はぁ~っ、ちゅぽっ、ちゅぽっチュパっ……❤」

 エッチは、上半身で抱きしめるのに飽き足らず、脚までも俺に巻き付けだした。俺のひざのあたりで、エッチの足先どうしがガッツリと鍵のように組み合わされている。とても外れなさそうだ。もう、俺は身じろぎさえできなかった。

 ……俺も、他人にここまで献身的にはできないだろう。さすがは高次異星人……文字通り次元が違う。

 なんて、他人事みたいに感心してる場合じゃない! 俺は当事者なんだぞ、当事者! 

 「んふぁぁぁぁ~~~~~~っ❤ アナタぁ、私の愛情、感じてください♡ ニュるっ、ンっぷちゅ……ずちゅちゅぅニュヂュぅ♡ ハァァ~~~っ、ちゅっ、ンちゅぅっ、ちゅっ♡」

 「うぶっ、え、エッチ……! あ、愛情は、分かったから……んんんんっ!?」

 ぎゅぅぅぅ~~~~っ! と、エッチが俺を抱きしめる。ぷるぷるしたバストが、俺の背中でつぶれるのが分かった。も、もう気絶しそうだ……!

 「ンっ、ふぁぁぁ~~~んっ❤ 嗚呼っ、アナタが愛しいのがぁ、いくら抑えても止まりませんんっ……♡ ふぁぁぁぁっ……止まらないんですぅっ♡ ねぇっ、こんどはぁ……ンっ……前のほうから、キスさせてくださいぃっ……♡」

 エッチは俺の背中側から、お腹側へくるっと回りこんだ。これではまるで、エッチに押し倒されているかのような格好だ。

 「うっうわあああ!?」

 今までは、エッチの姿が良く見えないから、まだ良かったものの……。

 今度は、エッチのかわいい顔や、豊満な肢体が完全に目に入ってしまう。ものすごい視覚的インパクトだ。

 「どうしたんですかアナタ? そんなに大きな声を出して……もっと、キスして欲しいんですね♡」

 「なんでそういう解釈になるんですかっ!?」

 「私も、もっとキスしたいですよぅ……っ♡ 私の愛情、おクチからアナタに、いっぱい注いであげますからね♡ ン~~~~っ……」

 「んぷぷっ……!?」

 ニュププっ……と、エッチのクチの中がうごめくのが分かる。彼女は目をつぶって、必死にキスしてくれているようだ。されるがままで、なんだか頭がぼ~っとする。

 「ふぁっ、アンッ♡ んあっ、ァっ、ふわぁぁ~~~っ……❤ ンっ、クチュるるるるるっ……アナタぁ♡ れるっ、ピチャピチャヌヂュゥゥゥっ……♡ あなたぁ、好きっ、すきですぅ♡ プちゅっ……ン❤」

 エッチは、くちびるを深く重ねてくる。その上、体を激しく前後させた。とうぜん、出っ張っているバストが思いっきりこすり付けられてしまう。あぁ、やわらかすぎる……っ!

 「うぁ、あ……っ! え、エッチ……!?」

 「ああぁぁぁぁっ……♡ やだぁっ……アナタがダイスキなの、止まんないですぅ♡ ちゅぅ~~~~っ……ン、むちゅぅ♡ にちゅっヌチュチュ♡ はぁっ、んむ、チュっ、れろれろれろれろ……や、あぁンっ♡ アナタぁ、愛してますぅっ♡ ンちゅーっ、チュゥゥ~~~~~~っ……❤」

 エッチの濡れた髪の毛が、俺の頬にぺしぺし当たる。全身エッチまみれな状態でそんな愛の告白をされ、ついドキドキしてしまった。

 「お、俺も……あ、愛してます……!」

 「やぁぁっ、ウレシイっ……♡ あなた、アナタぁっ……んむ、むっ……にるっ、れるれるれるれる、はぁ~~っ……❤ んプチュっにちゅぅぅぅぅぅ~~~~っ♡ あぁぁぁァ♡ すき、スキぃっ、アナタぁっ……や、ふぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~っ……❤」

 びくっ、びくぅっ!

 と、エッチは俺の上で体を震わせた。ぎゅっと目をつぶり、口が開きっぱなしでよだれが垂れてくる。それが、俺の口元にぽたぽた当たった。

 「ンぁ、ぁぁぁぁ……っ♡ アナタぁ、いかがでしたか……? 私のエネルギー、アナタに注がせていただきましたぁ……っ♡」

 「!? そうか、接吻奉仕キスサービスか……。されるほうになると、けっこう元気が出るというか、体がスッキリした感じになりますね」

 「エッチです。それはよかったです♡ さぁ、そろそろ上がりましょうか、アナタ。いつまでも入っていると、のぼせてしまいますよ?」

 「い、いつまでも入ってたのは、だいたいエッチのせいなんですけど……」

 風呂場から上がっても、エッチは積極的だ。自分はタオルひとつ体に巻いただけの格好で、俺の体を拭き、下着まで着せてくれる。まるで王侯貴族扱いされているみたいだ。

 「エッチです。アナタ、寒くないですか? 拭き残しは? なんだか物足りない部分があったりしませんか?」

 物足りない部分ってなんだよ……。またキスでもする気か? とりあえず、つっこまないでおく。

 「わ、悪いなぁ……。そこまで気遣ってもらっちゃって」

 「エッチです。いぇいぇ、アナタは私なのですから、こんなことは当たり前ですよ♡ ン……♡」

 「ひっ?!」

 俺は、不意に悲鳴をあげてしまった。エッチが、俺の胸にキスしてきたからだ。当の彼女は、悪びれもせずニコニコして俺にすがりつき、顔を見上げるばかり。

 ん~……。愛されるって、けっこう疲れることだったんだな……。

 

 入浴後、俺は自室に居た。パソコンで調べ物をしていたら、扉がトントンとたたかれる。

 「エッチです。入ってもよろしいでしょうか」

 「あ、どうぞ」

 「エッチです。では、れますね」

 ニュルっ……♡

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