第8話「ラストチャンス」

2015年1月8日。


この日は、本当のラストチャンス!



この試験に落ちたら、仮免許の有効期限切れにより、免許を完全失効してしまいます。



全く受かる気がしないんだが(笑)




やっぱり難易度が高い一発試験を3回で合格するのは不可能なんだろうか…。



時間が経過すればするほど、自信損失ですよ。




今年は年末年始に実家へ帰省するため、自宅車を使って練習ができる点は幸運だった。



あー



情けない(笑)



時期に、なぜわたしは運転の練習をしなきゃいけないんだろう。



お正月のゆったりムードに



もはや、試験なんてどうでもいいとさえ思い始めた時、



父「おい!お前このままだと免許失効するかもしれないんだろ。練習いくぞ」



と、父からのお誘いが(笑)



危ない、危ない。



父の叱咤激励がなければ、あたしは年末年始の浮かれまくったいきおいで、免許を失効するところだったw




しかも父の提案は、近所の墓地で運転の練習をするというものだった。



墓地は、広い敷地を有しており、確かに車の練習をするには最適な場所だった。


公道だったら、細かい確認をできないし、縦列駐車の練習はできないしね。



ただし、問題発生(笑)



うちの実家は北海道のため、当然のように道路には大量の雪がつもっている(笑)



これじゃあ、カーブの時の幅寄せの間隔はつかめそうもないな(笑)



話は変わるんだけど、我が家では誰も父を助手席に乗せたがらないw



ベテランの運転手である彼は、人の運転にあーだーこーだ物申すことがやめられないのだ。


そのおかげで、ちょっとした買い物でさえ、運転手は気分を害していた(笑)



ましてや、免許取得のための運転となれば、彼の指導にも熱が入るだろう。



危険である。



かなりリスキーな賭けだったが、当日我が家で暇な人は、彼しかいなかったので、自動的に彼が助手席同乗者になるしかなかった。



出発前、母に「あんまり運転のことで言いすぎないように」と厳命されていたところを目撃して、吹き出しそうになったがなw



父が物申したくなる運転をする訳にはいかない。



あたしは、運転しながら、教官に教えられた知識を話しながら、



「ブレーキをするときには、数回にわけるんだよ、ほら!」


「曲がる時は、減速して、ここで目視。曲がる時は10キロ走行だよ」



と実演してみせた。



父は、「そんな運転してたら、周りに迷惑になるだろう」



と愚痴をこぼしてたんだけど、



あたし「免許取得の運転だもの。こうしなきゃ減点になるんだよ」



と言い聞かせた(笑)




おかげで、クソ味噌に罵倒されることもなく、無事練習は終了。



父「もう少し練習すればいいだろう。まだ時間はあるんだぞ」



あたし「もうわかったもん。あたしの運転みたでしょ?この調子でやれば合格間違いなしよー!」



前回同様、飽きただけなんだがな(笑)




実家での羽伸ばしが終わったら、いよいよ現実問題との直接対決だ!



両親の応援を背に頑張るぞ!!






2015年1月8日。


運命のラストチャンス。



不思議とあまり緊張はなかった。



ラストチャンス当日、




なんと



試験を受ける直前になって、



とうとうあたしの免許再取得のブームは過ぎ去ってしまったようだった。



ブームというのは、あたしは免許再取得に若干ハマっていたということだ。



この年で運転の基礎を教わる?



面白いじゃない(笑)



せっかく金も時間もかけて挑戦するんだから、めいっぱい楽しんでやろうと思い、結構夢中だったw



ただし、いかんせん飽きっぽい。



試験がどうでもよくなってきた。



落ちたら、落ちたで、仮免許生活でも楽しむよ。



試験の説明中もずっとこんな感じ(笑)



他の受験者が必死にノートをペラペラめくってるのも気にも留めず、腕を組んで大あくび(笑)



今日は3号車の2番目。



ただ、見逃せなかったのは、3番目の走行車が、あのクソジジイだったということだ(笑)




なんで、またいるんだよ!!



しかも、なんで同じ車なんだよ!!!!笑





ますます、試験なんてどうでもよくなってきた。



試験開始。



最初の

走行車は、若い男性。



やんちゃっぽい身なりだったが、非常に低姿勢で好印象。



運転も正確で、今まで同乗してきた、どんな人より上手いじゃない。



ミスも全くなく、交代の指示が。




ここにきてもなお、全く緊張しないオレ(笑)



しかも、予想外だったのは、今まで1・2回目で走った試験コースとは明らかに違うコースに当たってしまったことだ。



午前中の受験だったこともあり、出勤時間と重なり、信号機がないところでの歩行者や自転車の横切りが非常に多く、


工事現場や路駐車ばかりの難しいコース。



ただし、まったく緊張せず、動じなかったおれは、一つ一つ正確に対応していった。



交代の指示がでた時点で、



「え?もしかして結構できたんじゃね?」



と実感が(笑)




じじいは相変わらずだった。


前回指摘されたところを全く直しもしない、貫禄の運転(笑)



路上試験後の、場内では



1番目のあんちゃんと



まさかの



俺の名前がコールされた(笑)



この時点で、試験中最大の笑いが襲いかかる。




落ち着け、落ち着け(笑)




あんちゃんも俺も方向転換だった。



今回も当然ながら落ちるとふんでたあたしは、



正直めんどくせーなって感じてた(笑)




めんどくせーから、チャッチャと終わらしたかった。






俺は、






チャッチャと終わらせた(笑)






気づいたら、




方向転換、




できてるじゃん!





何が起きたのかわからないまま、運転席を試験管にあけわたし、車庫に戻ることに。




試験管「おめでとう。2人とも合格です」








wwwwwwwww







合格した(笑)












驚愕のラストチャンスでの滑り込みに成功(笑)





こうして、おれの免許再取得の物語はおわった。

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恐怖の鮫洲 ~免許失効記~ @erina

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