第11話『恐怖人形』

日本人形って不思議な怖さがあるよね。

そんな日本人形が襲ってきたら怖くない?


というのが、たぶん本作『恐怖人形』だ。現在はNetflixで配信されている、まごうこと無きジャパニーズホラーだ。


ジャパニーズホラーでは前回『犬鳴村』を見て痛い目に遭っていたので、今作こそはと期待しながら視聴した。


結果、ツッコミどころが非常に多いものの、87分間を最後まで楽しんで見られた、全く怖くないホラー映画だった。


ストーリーは、ある日差出人不明の怪しい案内状を受け取った大学生の主人公、由梨。指定されたキャンプ場に行けば10万円が貰えるとのことで集まった同年代の見ず知らずのメンバーたち。しかし彼らとは思いも寄らない共通点があり、早々に意気投合したが、ある不気味な日本人形が、少しずつ由梨たちに迫ってきていた――。


というのが、本作の概要。


キャンプ場の管理人は無表情で感情が全く読めなくて不気味だし、途中で出てくるイカレた学者も良い塩梅で狂っている。学生達も生け贄役としてしっかり役目を果たし、性格の悪い奴らからテンポ良く脱落していく。


ストーリーもさくさく進み、最後20分には予想もしなかった展開をしてくれたので、最後まで楽しめた。


ホラー映画のはずなのに全く怖くないのも印象的。


『犬鳴村』はあのしょうもない装飾を入れるくらいなら、この路線で行くべきだったんじゃないかと本気で思った。


日本人形についても、不気味さと可愛さが共存していて、初めはコンパクトサイズ(小さいガンプラくらいのサイズ)なのだが、徐々に大きくなり、サンドウィッチマンの伊達楽ボックスサイズになったかと思えば、最後は着ぐるみとして歩き回っていた。


まんま着ぐるみだったので全く怖くないし、キャラクターが殺されていくのもそれっぽく臭わせるだけに止まっているのがほとんどなので、スプラッタでも無い。


しかも最後にはその「着ぐるみであること」までしっかりと使ってきているから、非常に丁寧に作られた作品という印象を受けた。


ジャパニーズホラー的な怖さは全く無いが、洋物のいわゆるスプラッター系ホラーが苦手な人にはオススメし辛い映画だ。


夏だしホラーが見たいけど、怖いのはちょっと……みたいな人にはちょうど良いと思う。


バックボーンも大して描かれないので、日本映画につきもののぐだぐだした感情むき出しのシーンも無い。


最初から最後までストレス無く見られる映画だった。


オススメの作品なので、Netflixに登録している人は是非見てみよう。


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映画と過ごす日々~サメとゾンビとホラーと僕と~ 阿佐木 れい @asakirei

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