社会で生き、社会で死ぬ

社会とは、なんだろうか。
社会不適合者、という言葉がいつか生まれた。そんな昔の話じゃなかった気がする。たぶん、つい最近の話。
その言葉は、決まって、自己を形容するときに使われる。
「おれは社会不適合者だからー…」
なんて調子で。

でもさ、社会ってなんだろう。
不適合だとして、社会がないと生きることってできないのかな。

いったい何の思念をひけらかしているのかと思われそうだが、まあ読んでみればいい。どう生き、どう死ぬか、なんてクソみたいな命題をけっこう考えちゃうようなタイプの人には、この物語はとびきり甘く、ズキンと心が痛んで、自分の不快音に耳を済ましてしまうんだ。ぜんぶ読み終わった人に、ちょっと聞いてみたい。プロローグを読み返して私は思ったんだ。「そんな贅沢なことが他にある?」って。

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