第2話 子どもの眼差し

 僕は水曜休みなので、水曜は僕が保育園の送り迎えをした。初夏、息子を送って行くと、息子は靴箱前の簀の子にひっくり返って恨めしそうにこっちを見た。初夏の眩しい陽射しが息子の顔を照らす。息子は、ひとりっ子で我儘だ。僕は、親として後ろ髪引かれる思いはあったものの、親がいつまでもいるわけではないと分かってもらいたくて置いて出て行った。あの朝の青空のように澄み切っていた息子の眼差し。見つめる対象を信じていた。自分を守ってくれる存在と。

 昔、ある政治家が言った言葉。『子どもの笑顔を守りたい』。ぜひそういう世の中になってもらいたい。子どもは、弱い。国家、行政、地域、家庭が一丸となって子ども達を守らねばならないのだ。少子化と言うならなおのこと。

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