第24話 『夜よ来い』

 文を全面的に修正しました。

 少し見やすくなってると思います。(ストーリーにはなんら影響ありません)


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 「風龍が消えただと?」

 「はい、同時期に龍脈の乱れも沈静化しており……詳細は風竜監視機関と魔導開発

  機構に調査させています」


 この声の主はつい先程まで自国の風竜対策に頭を悩ましていたギャラド国王『ラン・ダンク・ギャラド』とその側近、魔導大臣の『ウェン・トン・ルン』である。


 「…これが風竜復活の兆候である可能性は?」

 「風竜が消えたのは想定外のことであり調査終了まで何もいえませぬ。しかし現在

  の調査結果による推測では竜脈が乱れたときに復活し、その後どこかへ移動した

  という可能性が極めて高いと考えております」

 「うーむ……」


 国王ランは昨晩の風竜復活の知らせを聞いてから休みなくあらゆる方面から情報を召集を収集し最善の策を練り続けていたため、理解不明な報告に頭を悩ます。


 しかし策を誤ってはならないと、その老体にむちを打ち情報を集めようとする。


 「風竜は莫大な魔力を発し図体もデカかった筈、監視を続けておきながら見逃すこ

  となどあってはならないのではないか?」


 自国の機関の能力を疑いたくはないがどうしても府に落ちなかった為それらの機関を統括する魔導大臣に問う。


 「見失った事に関しましては申し訳ございません。しかし警備体制は万全を尽くし

  ており、二度の風竜のものと思われる雄たけびが観測された後に龍脈の乱れが収

  まりその僅か数十秒後に観測され続けていた莫大な魔力すらも消え失せたのす」

 「……そうか。では、今後我が国、及びカララ大陸に風竜の脅威が及ぶと考える

  か?」

 「今回のような予測不能なことが起きる可能性を除けば、は起きな

  いと思われます」

 「……外務大臣」

 「はっ」


 国王は風竜騒動で一時期忘れかけていた国防問題について軍務大臣に問うた。


 「隣国ギョルカの軍事増強の速度が我々の予測していたものより遥かに早いです。

  魔導文明圏クラスの国家と繋がっている可能性があります」

 「なっ…! 我が国の軍備増強はどうなっておる!」

 「レータル王国に援軍を求めてはいますが……やはり中立の立場から動いてはくれ

  ません」

 「まさかそれだけしかしてない訳ではあるまいな?」

 「はい。ギョルカ陸軍が唯一進軍してこれる渓谷はもはや我が国の要塞と化してお

  ります。……しかし、風竜が山脈から消えたと知ればを通って

  進軍してくることも考えられ、はっきり申し上げまして我が国は遅れをとってお

  ります」

 「ぬうぅ……」


 御前会議に夜は訪れない……

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ニッポン防御伝説 bba @asuha

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