第12話電子魔道書的GWの過ごし方(闇鍋)3杯目

「遊びや!!!」

「なんでテニスなんだシオ。学園でもできるだろ?」

「避暑地の別荘に来たら併設のテニスは鉄板やろ!?」

「偏見だ」

回想

カイハンをやり過ぎ3日目を寝過ごし、現在に至る。

おわり


「でもテニスなら5人でもできるねー」

「私やったことないんですが大丈夫でしょうか…」

小町特製で造られたテニスウェアを着るエストリカにラケットを持ち震えるこむぎ。

「ええアプリがあるねん。ええっと…『基礎テニス教本入門編』。無料アプリやけど、これ使えばアプリがすこし体を動かしてくれるんや」

「常時起動型の身体補助アプリの廉価版ですわね」

小町はそういうも一番気合いの入ったテニス服を着ている。

「ほう、ジョロ、テニスに自信アリか?」

チラリと見るザラメに物理的にも上から目線の小町が返す。

「天王寺家の令嬢として、テニスはたしなみの一つ…6歳から習っていましてよ?」

「手〇ゾーンとか使えそうやな」

「えらく高く見積もりましたねシオさん」


そうして始まったテニスダブルス。

最初は、ザラメ・シオVSこむぎ・小町となった。

「こむぎさんは拾えるのを前で、私がフォローしますわ」

「よろしくおねがいします!」

初心者と経験者のほほえましい握手が交わされる。

「やると言い始めた責任は取れるんだろうなシオ?」

「当たり前や。うちかて中学に部活で全国行った口やで?」

ぐっと不敵な笑みを浮かべるザラメにシオ。

試合開始

「せーっの!」

小町の鋭いサーブを経験者のシオが綺麗に返す。球を追おうと動くも速すぎてついていけていないこむぎに、シオ任せの前衛ザラメ。

1回のレシーブでシオの実力を悟ったのか小町も変化を付ける。

「すごーい、ダブルスなのに二人だけでラリー続いてる~」

審判のエストリカが驚きの声をあげたさなか、シオがなぜか敵のこむぎに指示を出す。

「こむぎ!ラケット前にだしてーな!」

「は?え?え?こう?」

言ってる間際にシオのスマッシュがこむぎのラケットにぶつかりバウンドすると、見事真正面にいたザラメの顔面に激突する。

「……わ、私は普通に返しましたわよ?」

いつもなにかと自分のせいにされる小町が先手を打つ。

だが犯人はわかりきっていた。

「おい、シオ狙っただろ?」

「すこしは動けやレッツビョーニン!まだ頑張って気概みせてるこむぎのがマシや!」

「…いいだろう。出来れば使いたくはなかったんだが、ここはリミッターを外させてもらう…」

そういいながらスマホをポチポチ弄るザラメ。

「あれ?こういうのフラグっていいませんでした?」

「こむぎさん、ザラメさんは自分で地雷造って踏み抜くのが常ですわ」

2回戦

ザラメVSシオ・エストリカ

「ほんまにええんか1対2で?」

「これはせめてものハンデ…いや情けだよシオ。君は私を怒らせた」

「なんかアプリ使ってるね」

「結局アプリ頼りかい」

「馬鹿にするのも今のうちだぞ?『熱血シューゾーパンプアップ』を使えばどんな人であろうと世界ランカーだ」

スマホを片手に勝ち誇った顔のザラメに白い眼のシオとエストリカ。

「なんかすごそうなアプリですね」

「簡単に言えば起動と同時にプロになれるアプリですわ。使用者の体型に合わせて、プレイスタイルとかを決めるんですの。でも体力とかは上がらないので、常人が使ったら3分もつかどうか」

小町の説明にこむぎが先が分かったという風に3人をみる。

「さあこいこい、バッチこーい!」

「…エストリカ、手本見せてやれ」

「え?同じの使うの?」

「このままやとアイツ明日筋肉痛で死ぬわ」

それを聞きアプリを起動し、サーブするエストリカ。

瞬間ザラメの髪留めが吹き飛ぶ。

「こうさんせーやー、次は股抜きやるでー」

そう言われて乙女のように内またになり涙目のザラメ。

「私鉄網を引きちぎるサーブってアニメの中だけだと思いました」

「エストリカさんがアレ系統使えば金メダリストですわ」


つぎでラストのGW

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日刊:女子高生のイマドキ電子魔道書の使い方 れっとあんばー @redamber

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