第2話

 蒼佑が、GID、ねえ……。そしてそれを、幼なじみの私をスルーして、波にだけ(たぶん)打ち明けるなんて。

「どうしよう、千成?」

「んにゃ~」

 そっか。波だけじゃ、荷が重たすぎるのか……。いや。しばしマテ。

 波は女の子。蒼佑も、心は女の子。ってことは。

 ぴんぽーん。

 私の頭の中で、裸電球がともった。

「そっか。波の好きな人が、女の子になっちゃったわけだ」

 もう一度、コクリ。

 あっちゃ~。蒼佑は、波の気持ちに気付いてないのかあ。

「どうしよう」

 同じことをもう一度、つぶやく波。

「うーん。って。波はなんて返事したの?」

「『頑張れ!』って……」

「うーんんん……」

 これは。波が困惑するのも、ムリないなあ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る