第10話 ▲クロノスのラビュリントス
紀元前八〇八七年九月二日
ツーロン岬の先端に立つ石の離宮の近くには、太陽神ラーを祀った古代の「マーリンヘンジ」が存在している。巨大な白い大理石で取り囲んだサークル遺跡は、「超人(アデプト)大系」で著名な魔術師マーリンが巨人を使役して作ったという伝説が残る初期の天文台だった。実際には古代ドルイド教団が作った事が分かっている。ガイアのグリッドたるレイライン上に造られたと云い伝えられ、毎年夏至になると、純白のローブに身を包んだドルイド僧が儀式を行う事で有名だが、それ以外にも一般人たちが訪れる巡礼地でもあった。信徒たちはグレーのローブに身を纏う。そこで救出隊もロードマスターを麓の村に残し、グレーのローブに身を纏って、巡礼の姿にまぎれることにした。
灰色の大理石のみで造られた通称「石の離宮」は、中世アトランティスに建てられた皇帝家の所有する城である。内部は、迷宮と呼ばれるほど複雑な構造を持つ。そのせいか「ラビュリントス」という異名を持っていた。当時クロノス帝があえてこのような構造に作ったと伝えられている。ウロボロスのシンボルを掲げたその宮殿は、大蛇を祀っているとも噂されていた。
ネクロポリスの地下を掌握していないシャフトが、この迷宮の秘密を全容解明したとも思えなかった。シャフトがここへ姫を幽閉したのは、救出困難であると同時に、レジスタンスにとってチャンスでもあった。そこに勝機がある。迷路なら安心だと思ったのだろうが、シクトゥスも案外と智恵が浅いのかもしれない。
ここを訪れる者もほとんどなく、たとえ近くを通る者が居たとしても、近隣のマーリンヘンジを巡礼する者たちだけであった。
今、グレーの外套に身を包んだ六人の巡礼者が、フードで頭をすっぽりと覆い、急な坂道を上ってきた。オージン、ライダー、それにインディックたちである。ラーのマーリンヘンジで一度立ち止まり、参拝しながらそれとなく石の離宮の様子をうかがう。そこには一人の年老いた参拝者だけが居た。その間、インディックは、ラーのマーリンヘンジの構造に興味を持ったらしく、スキャニングしたり、しきりと調べ回っている。その時、神殿の敷地内にシャフトの秘密警察はおらず、無人である事がオージンの「ホルスの眼」によって判明した。それは索敵専用の一種のダウンジング魔術であり、自ずと姫の部屋へと導かれるように自動的に動く。それはヴリルの作り出す反重力で浮かぶ光り輝くクリスタルである。
「どうやら、隊長の陽動が功を奏したらしい。さすが運を持っておられる。それにしてもクロノス帝の子孫のアルコン隊長が、この城の秘密を探った方がよかったのかもしれませんね。何か不安だ」
二十二歳のインディックは囁いた。シャフト保安省はレジスタンス狩りと共に、クリスタル大神殿攻略を再開し、全勢力を投入している。保安省はクリスタル大神殿近くに出没するレジスタンスの討伐に忙しく、こちらはがら空きになっていた。もう一人の参拝者の姿はいつの間にか消えていた。一匹の烏が離宮の屋根を飛び越えていった。
烏は離宮の中庭で人の形に変化した。城内に待ち受ける、シャフト保安省のただ一人の保安部員カンディヌス。彼は、オージン卿がレジスタンスの一味だという情報をマリス・ヴェスタに知らされて以来、結局上官に告げることなく、オージンを密かに追跡した。そうして石の離宮に姫が捕らえられていて、ここへ彼ら救出に来る事を察知した。彼らのロードマスターが到着して以来、ずっと見張っていたのだが、対決するか、それとも見過ごすか依然思案している。
姫がここに移された事を知っているのは、シャフトの中でもごくわずかだった。その情報がマヌケなハウザーからオージンへと漏らされ、救出隊が離宮へと向かった事などもちろん誰も知らない。つまり現時点で、ラビュリントスが襲撃される事を知っているのは、シャフトの中でも、カンディヌスとマリス・ヴェスタだけなのだ。幾らなんでも警備を誰も置かないとは、保安省は余りに間抜けだ。もし、保安省の誰よりも有利な立場にある自分達の手で彼らを捕らえる事ができたなら、シャフト保安省の中において、有利な立場に立つ事が出来るはずである。しかし、相手は六人……。
カンディヌスは一人で魔術警備システムを作動させた。迷宮を完全掌握する事はできていないが、敵の動きを察知し、封じる事はできるはずだ。ともあれマリス・ヴェスタのおかげで、奴らをもてなすことができるのだ。まずは目的の部屋へ彼らを行かせないだけでなく、魔術警備システムの幻術を作動させ、幻の攻撃者を続々と生み出して彼らを翻弄する事にした。それは、カンディヌスが使用できたこの城の秘密のごく一部だったが、そのシステムがなければカンディヌスにもともと幻術の能力はない。
大理石のロビーホールの天井は高く、中央にクロノス帝のシンボルマークの意匠のウロボロスの蛇が飾られている。白く輝く素材は、プラチナ製のようだ。その他にはモノトーンの石作りの壁面に、巨大な絵が六つ飾ってある。どれも一見、何の変哲もない風景画だ。
中央には白いテーブルクロスの奇妙な形状のテーブルがあった。テーブルは上から見ると六角形をしている。もっと奇妙なのは、そのテーブルの上にフルコース料理が人数分置かれ、さらに燭台に火が燈っていたことだ。
「これは……誰かがさっきまで居たという事か?」
無人のはずの城の中で、まるで、誰かが六人の到着を待っていたかのようだった。目の前の不気味な光景に一瞬沈黙が支配する。
「いいえ、ホルスの眼はこの辺に人の気配を感じていない。だが、テーブルには触らないほうがいい。何かの魔術か、罠の可能性がある」
時間はあまりなかった。救出隊はシャフト保安省が大神殿を奪わない内に、姫を救出しなければならなかった。オージンを含め、救出隊は全員初めてここを訪問した者ばかりだ。宮殿内の迷宮を解き明かすには、持ってきた地図だけでは頼りならない。
モノトーンの冷たい石造りの廊下は、光源はないが明るい。
オージンは「ホルスの眼」のスキャニング術を使って、索敵及び目的の部屋を探していく。姫の波動を察知し、たとえ波動が目くらましによって遮断されたとしても見抜く「目」だったが、限度があった。
「皆伏せろ!」
通路を歩いている時、オージンが命じた。一行が地面に伏せると四方からレーザー光線が廊下を走った。
「自動警備システムか」
一瞬早く「ホルスの眼」が察知しなければ、全員死んでいたところだった。少なくとも無傷ではすまない。そのままの格好でインディックは壁のジャックを発見し、ずるずると這っていく。持参の装置と接続する。一〇分後、レーザーシステムは解除された。
「解除されてない事は分からなかったのか?」
「この城は油断ならないと分かりました。反射神経の運動になったでしょう? もう、大丈夫なはずです」
インディックは冷や汗をぬぐいながら笑顔を作った。
「止まれ!」
「どうした」
廊下の向こうから冷たい風が吹いてくる。
「伏せろ! もう一度だ」
全員がその通り床に伏せた途端、廊下を埋め尽くすほど巨大な鎌が壁から出現し、眼に見えぬ速さで通り過ぎていった。鎌は壁の右側、左側、そしてまた右側から交互に三度も襲い掛かった。
「さっき、警備システムを解除したんじゃなかったのか!」
今度はもう少しで全員、首が胴体と分かれるところだった。
「さっきはレーザーシステムを切っただけです。これはもっと古い時代の仕掛けです。勉強になりました。こんなところで警備システムの歴史が良く分かったぞ」
と、いうことでインディックは、さらに二十分かけて古い仕掛けの警備システムの方も解除した。三度目は困るぞ、と誰もが思っている。
「オージン、ホントにこっちで合ってるんだろうな?」
ライダーにはあたかも、目的なく彷徨っているようにしか感じられなかった。
「その地図、不正確じゃないの?」
という声も上がる。
「いや、私はもう地図は使用していない」
「じゃ『ホルスの眼』ってやつだけか。ソレ、サイコメトリー機能、信用できるの? あんまり言いたくないんだけどさオージン、その眼ってやつ……ホントに頼りになるのかね」
彷徨って一時間二十分、一行はすでにしびれを切らしている。
「信用してもらいたい。『眼』の透視能力の検索範囲は半径五十メートルだ。つまり歩き回っていれば、いずれこの城全てを包み込む。さて……『眼』によるとここは右か。いや、左だ」
「どっちでもいいが、このままじゃ朝になるぞ。そんなに慎重で、一体何を恐れている? 太陽神殿だっていつまでも持つまい。アルコン達が全滅しても構わんならいいが、そうでなきゃ貴様のぜい弱な力に頼るのはやめて、俺の好きにさせてもらう事になるが」
ライダーもそろそろ我慢の限界のようだ。先ほどの二つの警備システムを事前に見抜けなかったことも、「ホルスの眼」に対する不信感につながっていた。
「貴殿が暴れすぎなければ、陛下がお命を危うくすることもなく、我々もこうなってはおらん!」
オージン卿は珍しく不満げな声を出した。
「おいおい、なんだこれは。結局俺たちはロビーホールに戻って来ちまったじゃあないかッ」
ロビーのテーブル上の料理は出来たてを示す湯気が立っている。時計を見ると夕刻五時六分。入ってきた時間だ。見事に、救出隊はラビュリントスに引っかかっていることを認めざるを得ない。
再びオージン卿は白く輝くホルスの眼を先頭に飛ばしながら、慎重に廊下を進んでいく。
「皆伏せろ!」
オージン卿は命じた。一行が地面に伏せると四方からレーザー光線が迸った。
「自動警備システムか」
そのままの格好でインディックは壁のジャックを発見し、ずるずると這っていく。持参の装置と接続した。一〇分後、レーザーシステムは解除された。
「解除されてない事は分からなかったのか?」
「もう大丈夫なはずです」
インディックは汗をぬぐって笑う。
「止まれ!」
「どうした」
廊下の向こうから冷たい風が吹いてくる。
「伏せろ! もう一度だ」
全員がその通り床に伏せた途端、廊下を埋め尽くすほど巨大な鎌が壁から出現し、眼に見えぬ速さで通り過ぎていった。鎌は壁の右側、左側、そしてまた右側から交互に再三襲い掛かった。
結局長い廊下を進んでも、一向はロビーの風景画のホールへ戻ってきてしまう。もうすでに、同じところを三回通りかかっていた。そんなに広い宮殿ではないはずだ。
「地図は当てにならん。お前の術もだ」
ライダーが苦虫をかんだような顔をしたとき、時計を見たインディックが気づいた。
「……ちょ、ちょっと待て、このやり取り、さっきから僕たち、同じ話ばかりしています!」
時計は五時六分を差していた。
「何だと?」
「その通り……。おそらく二度、あるいは三度と同じ場所を通っているだけでなく、同じ時空を繰り返している。だが、我々はその事に気付いていない!」
オージン卿はホールを見渡した。
「このラビュリントス……時を司るクロノス大帝。秘密はやはりあのシンボルマークか!」
「ウロボロスか。こいつを見たときから、何か嫌な予感がしたんだ。だから、連中は安心して、この城を空けておくことができる訳だ」
六人は、再び自分たちが立っているロビーホールの意匠を全員で見上げた。一体なぜ時の帝のマークはなぜウロボロスなのか。それは、「同じ時空を繰り返す」事を示しているのではないか。このテーブルの料理。いつ通過しても、出来立てを表す湯気が立っている。
「それだけじゃない。どうもさっきから、幻の通路を通っているような気がしてならない。ここはそんなに巨大な城ではないはずだ。だがそれが少なくとも三倍以上の広さに感じられる。地図が当てにならないのは、この城の警備システムである幻術が作動しているために違いない」
「そいつを早く云え!」
ライダーはホールの壁面を手当たり次第念動力で破壊していった。どこかに幻術装置があるはずだとあてにして、めちゃめちゃに破壊しているのだ。
「待て待て、派手にやりすぎるな! この城はどんなトラップが仕掛けられてるかまだ分からんのだ。破壊した結果、姫にもしもの事があったらどうする? 頼むからこのまま調査を続行するため、私の『ホルスの眼』に任せてほしい」
オージン卿がそう言った途端、廊下の鉄の戸がガコンと開く。部屋の暗闇から巨大な猛牛が現れる。だが、突進してきたその身体は人間だった。その毛むくじゃらの手には、巨大な銀色の斧を持っている。ライダーは右手でのどを掴むと、左手で角を掴んで、キメラの動きを一瞬で制止した。しかしその腕はまだ斧を振りかざした。ライダーは首投げで倒すと、ミノタウロスの頭に左拳を叩き込んだ。こんな芸当ができるのは相手と同体格のライダーだけだろう。終にそれは倒れ、動かなくなった。よだれをたらし、床に横たわったミノタウロスを、ライダーが見下ろして言った。
「気が着いていたか? オージン。奴の気配を」
「いいや……」
オージンの「ホルスの眼」は彼の存在を把握しなかった。
ライダーの破壊行為が功を奏したのかもしれない。
「しかし、ホルスの眼がミノタウロスを操作する者の気配を察知した。確かにこの城には誰かが居る」
「さ、さすがはジョシュア・ライダー……噂どおりのパワーだな」
ミノタウロスを倒された時に、カンディヌスは負傷した。ミノタウロスはカンディアヌスが放った使い魔だ。使い魔を使役する際、それと意識が同通している。その事によってカンディヌスは身体にダメージを受けたのだ。カンディヌスがラビュリントスのシステムを掌握できたのは、トートアヌム大学でクロノス帝の時代を専攻していたおかげだった。彼らを迷宮に翻弄させた後、使い魔に自分の意識をアストラル・プロジェクションして入り込ませて攻撃を仕掛けた。だが、それは驕りだったと気づく。もはや立っている事もやっとの状態のカンディヌスは敗北を認めた。
「この城の中に『男』がいる。確かに手ごたえを感じた。操作していた者の」
「確かか? キメラの他に? シャフトか?」
「……そうだ。その男がミノタウロスを操った」
ミノタウロスの首につけられている赤い首輪。それはシャフトのものである。オージン卿は操った男の顔を視たという。
「ここは?」
「図書室だ。さっきからここに何か秘密を感じる」
図書室に入ると、四方に四体の彫像が立ち並んでいる。純金製、プラチナ製、オリハルコン製など素材は様々だ。これらはクロノス帝と高名な配下たちの像だった。いずれも三メートルはある。ライダーが怪訝そうに四体の彫像を見上げた途端、それは動き出した。
「これは彫像じゃないぞ、魔術で操作しているゴーレムだ!」
「これも、警備システムなのか?」
「そうだろうな、但し男の気配はない、こいつは自動操作だ。下がれ!」
オージンは杖のレーザーで先制攻撃を仕掛け、インディックたちも全員ブラスター(光線銃)を抜いて光線を浴びせた。だが「人形たち」は、首が吹っ飛び、手がもげても動き続けた。ライダーは念動力をこめた拳で直接破壊を行った。完全にバラバラにしないと自動的に作動するゴーレム人形は停止しなかった。かくして三十分もの時間が経過し、バラバラになったそれらを見ると、中は機械が詰まっていた。
「ふぅ……やれやれだ、クロノス大帝とその偉大な臣下たちと戦うハメになるとはな」
やはりこの装置は人為的なものとは感じられない。おそらく自動的にこの城は作動している。おそらく、まだ存在するだろう。早急に無人警備システムを止めないといけなかった。
「図書室に、これだけ守りを固めていると云う事は、この近くに警備室があるはずだ」
ホルスの目がチカチカと点滅しながらデスクに近づいていく。オージン卿がデスク上の引き出しを開け、中のボタンを押すと、図書室の本棚にある隠し扉が開いた。そこにエレベータが出現する。六人を乗せるだけの大きなエレベータだった。全員で上へと向かう。すると中世の城の中では異質な、機械的な警備室へ到着した。
警備室で、オージンが呪文(パスワード)を唱えると、ウロボロスシステムを作動させていたクリスタルは解除された。
「やはりな。ここにはさっきまで、人がいた気配がする」
警備室で再度地図を確認し、姫を救助に向かう道筋を探る。迷宮は先程までとは様子が違った。
「だが、今は居ない」
「気配が消えている? 本当に、ここに保安省の奴らが居たのか。それも、迷宮に仕掛けられていた自動装置じゃないのか?……最初に城に入った時、ホルスの眼は気配に気づかなかったはずだが」
「もしかするとさっき、ラーのマーリンヘンジで見かけた男かもしれません。何でも記憶しておくのはいいことだ。後で役に立つかもしれないから」
インディックがひとり言のように言った。
「だが、そいつが一体何で城の中で待っていたのだ。どっちにせよもう逃げられているだろうが。とにかく、姫を見つけ出すことが先決だ。奴はきっと保安省の大部隊を招き寄せる。保安省の部隊がピラミッドを奪取し、ここへ来る前に急ぐぞ!」
「姫の囚われている部屋の検討はついたが、警備システムを解除しない限り、迷宮に迷うことになる。さっきのようなトラップは、城内に無数にあるに違いない。皆さん、日ごろの訓練の成果をここで見せましょう!」
インディックは水晶デバイスを操作し、ハッキングした。
「……そうか。なるほど」
「何か分かったのか?」
「はい。この城のシステムは、我々が来る前から、外部の者が用意にアクセスできるようなバックドアがあったみたいです。いいえ、バックドアというよりも迷宮を抜ける『糸』といった方が正確でしょうか」
「ヱイリア・ドネだ。彼女から聞いた言葉を思い出した。ヱイリアはここに訪れていた。その時に『ホルスの眼』のような索敵魔術が反応するパンくずを落としていった。我々が来るのを見越していたのかもしれん」
ライダーが記憶をたどった。
「本当か」
オージン卿が関心する。
「それで警備システムを解除して分かったんですが、この城は一個の巨大な時計です」
「じゃあたった今、時計を止めたということか?」
「いいえその逆です、『時計』は、ずっと止まっていた。というより、普段は『止まっている』んです。だから我々は同じところを歩き回り、そして入ってきた五時六分の、同じ時空を繰り返しました。しかし今、時計はようやく動き出したのです。だから、我々はきっと前に進むことができるはずです」
城に入った時刻、「五時六分の世界」に閉じ込められていたおかげで、時計が正常に作動し出すと、もうとっくに深夜0時を過ぎている。
「それが、ウロボロスの迷宮の秘密か……」
カンディヌスは自分の正体を見抜かれた事を悟り、脱出する選択をした。再び烏に変じたカンディヌスには、もう彼らを倒そうという考えは失われていた。オージン始め、あまりに力に差がある事をカンディヌスは肌で感じていた。オージンの「ホルスの眼」は実は迷宮をほとんど解いていたのである。ライダーの破壊力にインディックの技術力・戦闘力ではとても彼らには敵わない。いや、最初から勝てないと分かっていそれでも、カンディヌスが今生きているのは、自己過信を捨てるという聡明な判断をした結果なのだった。
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