詐欺

反座目線


「よし、次のところ行くか。」

俺は、反座 伊司 改め 詐欺師。

犯罪師ではない。詐欺師だ。

巷で話題の「おれおれ詐欺」を専門にしている立派な詐欺師だ。

仲間の、極亞公忍ごくあくにん と 悪居弥次わるいやつと、活動している。今日は、四人狙って成功率百パーセントだ。よし、次を狙おう。

おっと、電話がかかってきた。


詐欺師目線


俺は、詐欺師だ。言い切る。俺は詐欺師だ。大事だから何度も言う。しかし、まだ実績はない。初めてだ。それに、俺は自信がない。なぜなら、俺の名前は、五久握任ごくあくにん。電話に出るだけで切られてしまうことも多々ある。

よし、かけるぞ。

「もしもし、だけど。仕事で失敗しちゃって。50万振り込んどいてくれない?頼むよ。」

よし、成功。お、きっちり50万入ってるよ。


反座目線

「何だよ。へましやがって。まあ、とりあえず振り込んどいてやるか。」

……。あ。騙された。くそー。気付いたがもう遅い。

仕方ない。サツに連絡しよう。

「はい、はい、そうなんです。」

次の日、極亞公忍は逮捕された。そして、彼の証言により、反座伊司 悪居弥次

ともに逮捕された。テレビを前に、にやつくのは五久握任だった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る