第6回 ふぁいぶ、離婚の仲介をする(何度も)


 いつも駄文を読んで頂いてありがとうございます!

 いつの間にか、エッセイ・ノンフィクションジャンルで週間8位という嬉しい結果が出ました!

 本当に、ありがとうございます!!



 では、今日も買い手側の終わっている話をしましょう。

 こんなに連絡手段がやりやすくなると、出てくるのが『不倫』や『浮気』な訳です。

 まぁやろうと思えば出会い易くなっていますよねぇ。twitterやら出会い系なんて手頃にアプリで出来ますし、今流行りの<オフパコ>というのがあります。

 一応詳しく説明すると、<オフライン(つまり実際に会う事)でパコパコ(想像にお任せ)>という下品な略語で御座いますね。最近では有名なニコニコ生放送の主やyoutuberがファンと会って、ラブホテルで盛る事が増えているとか。

 ……あれ、俺ゲーム実況者を一年もしているのに、そんな案件ないよ?

 ……あれ、涙が――



 閑話休題。

 で、タイトル通りなんですけど、何故か私が離婚の仲介をする機会が何度もありました。仲介とは言っても大それた事ではなく、背中を押したって感じですね。

 結構皆さん同じ理由で離婚されている様子なので、別にここで語っても星ある内の一つなので特定はされないレベルでお話します。



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 一組の男女がご来店されました。

 男性が何故か下を向いていて、女性は眉間にしわを寄せていました。


(あっ、これぜってぇぇぇぇぇっ!! 面倒な内容だ)


 私は心の中でそう思ったのですが、ドンピシャです。

 席に案内するなり、女性が開口一番に事情を仰ってくれました。


「このバカ主人が不倫をしまして」


 あぁ、面倒なんだよなぁ。

 大抵の人は、周りにお客さんがいても関係なく口論を始めます。

 まぁそうですよねぇ、本人達からしたら人生の伴侶を失う可能性が高いですから、周囲なんて気にしていられる訳がない。

 話を嫌々ながら聞くと、どうやらLineで不倫相手と連絡を取っており、ちょうどその相手が「またエッチしよっ♪」って内容を送ったのを通知に表示されてしまい、たまたま奥様が見てしまったらしいのです。

 Lineの通知はオフにしていないと、いくらパスコードを掛けていたからといって表示されちゃいますからね。旦那さんの対策が甘すぎたという事です。

 そこから奥さんの愚痴タイム。もう私は「はぁ……」としか返す事が出来ません。助けて欲しくて店長に目線で助けを呼んだら、親指を立ててサムズアップされ「頑張れ」と励まされました。

 くっ、味方はいない!!

 そして旦那さんは開き直っているのでしょう、散々罵倒された挙句に出た言葉は――


「お前より若いから」


 だそうです。皆さん大体こう言います。


(あぁぁぁ……。火に油注いでどうするんだよぉ)


 案の定、富士山が噴火したかの如く怒り狂う奥様。

 これを三十分見続ける羽目になります。

 その間、私は現在執筆中の<ザ・ファイター>をタブレットで執筆していました。だって、俺なんて眼中になさそうだったんだもん。

 そして怒りがある程度鎮火したのか、私に対して質問してきました。

 やっと本題かと思ったら――


「旦那の浮気を止めさせるアプリないですか?」


「ないです!!!!!!!」


 あんなに喧嘩を見せておいて、本題はそれか!!

 正直、スタッフじゃなかったら本気でビンタしていたレベルです。

 それでそこから色々と相談を受けます。

 旦那さんとしても不倫相手と別れるつもりはない、奥さんは何とか別れて欲しいけど旦那さんが断固反対をする。堂々巡りです。

 私達はインカムを耳に装着して、席を離れなくてもスタッフ間で連携取れるようにしているのですが、店長から「他のお客様に迷惑になって帰っちゃってるから、何とか切り上げて」と指示が飛びます。どうしろってのよ……。

 でも私もそろそろこんな無駄な時間を過ごしたくないので、私から話を進める事にしました。


「奥様、奥様は旦那様と別れたくないのですか?」


「……えっ? う~ん」


 おい、別れたくなかったんじゃないのかよ。

 じゃあとりあえず選択肢を与えようか。


「正直私共が入れる話でもないですし、これ以上ここで話されていても他のお客様に大っっっっ変なご迷惑になります」


「はい……」


「ですので、もし不倫を止めさせたいのであれば携帯を解約してください。ですが旦那様名義なので、旦那様のご了承やサインを頂けないと解約出来ません」


「はぁ? スタッフ如きが俺の携帯を解約させるだ? 貴様、誰の金で給料貰ってると思ってるんだ!」


 私の提案に激昂する旦那さん。

 そもそもあんたのせいで、俺は一時間以上無駄な時間を過ごしているんだ!

 俺にも成績があるのに、そんな時間があったら他のお客様に提案してるわ!

 ――なんて心の中で思っていましたが、この際旦那さんは無視しました。


「それが出来ないようでしたら、もう離婚を考えられた方がよろしいのでは?」


 もう面倒だったので、私はストレートに携帯以外の提案をしました。

 もちろん旦那さんはさらに激怒。上から目線で私を人間の屑と罵ってきます。奥さんにとっては貴方は男の屑でしょうに。

 すると奥さんは早速決断されたようでした。


「何か、店員さんに言われてストンッと落ちました。私、離婚します」


「ふぁっ!?」


 あっ、旦那さんからどっかで聞いた事ある情けない声が聞こえたぞ?

 実は旦那さん、私達オタク寄りじゃないの? なんて思っちゃいました。


 デデドンッ!(閑話休題)


 結局、旦那さんは慌てふためき奥さんの機嫌を取り戻そうとしましたが、もう意思はダイヤモンドのように固く、退店されるまで変わる事はありませんでした。

 離婚後の携帯の契約状態をどうすればいいのかとか、色々質問されたのを丁寧にご回答しご納得され、やっとご帰宅されました。

 嵐の静けさです、本当に。

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 こんなのを何度もやってます。

 携帯ショップは貴方達の人生相談所じゃないんだけどなぁ!?

 ですが、携帯を使うという事はそこには様々な出会いがあります。

 だから奥様以外の女性にも容易に出会えてしまうのも問題でしょう。

 こういう部分をたくさん見ているので、私は「携帯料金はもっと高くなっていいと思う」という説を自分の中で作り上げている訳です。

 ちなみに面白おかしく書いているだけですが、内容は実際にあった出来事です。本当信じられないでしょうけどね。

 皆さんも不倫をするなら、マジで気を付けて下さい。

 スタッフ共は不倫をしている皆様を、バレないようにと切に願いながら応援しています(業務量を減らす目的で)。

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