第6話

「勇者の旅立ちじゃ」


 女王は、


>どうぐ


>じょおう


>らっぱ


>わたす


>ゆうしゃ


勇者にラッパを渡した。


「それで、これで何をしろと」


「ファンファーレを鳴らすのじゃ」


「無理」


>どうぐ

~中略~

>わたす


>しさい


「えっ、わたくし?」


>どうぐ

~中略~

>つかう


 ぷ、ぷぉぉぉ~、ぷっ。


「ぷっ」


「ぷぉぉぉ~、って変なのじゃ」


「笑わないでよっ!」


 勇者と女王は腹を抱えて笑った。


「初体験なんだから」


 さらに笑いのボルテージが上がる二人。


「ひどいですっ!」


 そう言うと、司祭は上着を脱ぎ始める司祭。


「下の初体験……」


「それ以上は言うな!」


「忘れていた過激なGLネタを原稿チェックで発見して、あわてて『性描写ありレーディング』を入れた著者が、今回こそは健全なものをと書いている努力を無下むげにしようとするのは感心せぬのじゃ」


 はい、それ以上の展開はやめてほしいです。今回は真面目に、いや違う方向でふざけながら書かせていただいております。


「そんなことより、わたくし、もっと大事なことを言うのを忘れてました」


「なんじゃ」


「?」


「もしわたくしがちゃんと吹いて、それが文字で表記されていたなら、著作権団体から訴えられて高額な楽曲使用料を請求されていたはずです」


 べっ、べつに文章力が足りなくて変な演奏になったんじゃないんだからねっ!

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