「そんなんじゃやっていけないよ~(^O^)」

 おそらく激励の言葉なのだろうと推察いたします……(汗)。くよくよ思い悩んでいる人に対して、こういう励まし方をする場合が一定の割合であるのでしょう。でも……これ、ちょっと危険な言葉だと思うんですよね。


 言っているほうの意図としては――「そんなに悩む必要ないって!」「真面目に考えすぎることないよ!」みたいな、そういうことだと思います。そして、「そ、そうだよね……うん。もう悩むのよそうっ」と相手が気持ちを切り替えてくれることを期待しているのかな、と。。


 でも、ほんっとうに「かなりやばい」くらい鬱な人にこれ言っちゃと――「そっか、やっぱり自分はダメなんだ。やっていけないんだ……」と完全に真に受けちゃいますからねぇ(汗)。


 一生懸命に育児をしている人には禁句だと思いますよ。初めての子育てをしている人にはとくに。きっとね、毎日毎日「本当にこれでいいのか」「自分はちゃんとできているのか」「もっと別のやり方のほうが……」と、不安を抱えて迷いながらやっていると思うのです。私はそうでした。


そこへ「そんなじゃやっていけないよー」などと言われた日にはもう……。自分のやり方を完全否定されたように、打ちのめされちゃうじゃないですか。或いは、頭の血管がプチッと切れて逆上してしまうかも?


 だってね、じゃあどんなんだったらやっていけるのさって話ですよ(苦笑)。考えすぎない? くよくよしない? いやいやいやいや、気持ちの切り替えができないほど、逼迫しているわけですからね。


 気分転換に外出してみても、子連れは気苦労が多いです。周りに迷惑かけないように気を遣っていたら、結局は別のストレスで疲れてしまったりしてね。


 励ましの言葉を「ありがとう」と受け取れないことを、決して責めないで欲しいのです。そう思うのは甘えでしょうか?


 幼い子どもを育てる母親って、いつだって最後の砦をまかされているようだと思うのですよ。もう、後がない。後ろには誰もいなくて、子どもの安全も何もかもすべてを一人で守らなければならない。


 夫が帰宅する時間って一般的におよそ何時くらいなんでしょうね? とりあえず夕方であるはずがありません。母子二人の閉鎖空間は普通ですか? 都市部であればどこにでもあるようなごくごく普通の状況ですか? そういった認識でいるのなら、それは大きな間違いです。


 あるところに住む育児に疲れ切った母親が言ったそうですよ。「今やりたいことは?」と聞かれて、「大人と話がしたい……」と。この状況って普通じゃないですよね。けっこう異常な状況で行われているんですよ、育児って。


 褒めてほしいっていうのとは少し違うと思うのです。ただただ、不安でしかたがないのです。だから、否定するような言葉を使わないでもらえるとありがたいといいますか……。面倒ですか? そうでしょうね……。


でも――何気ない言葉であっても、何が凶器になるかわからない。私たちはその事実をもっと認識すべきだと思うのでした……。

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