母子手帳とマタニティマーク
ご自分の乳幼児期の記録が書かれた母子手帳、ご覧になったことありますか? 私のは実家で母が持ったままなのですが、確かニワトリとヒヨコの絵が描かれた表紙だったような……。あれ? それは妹のやつだっけ? 思い出せません(苦笑)
母子手帳は自治体の窓口で交付されるもので、タイミングとしては妊婦健診で胎児心拍が確認できたあたりで、ドクターから「もらってきてね」と言われることが多いようです。実家の母曰く「昔はもらえる時期がもっと遅かった気がする」とのことですが、昔と今とではそんなに違うんですかね?
ちなみに、どの自治体も交付に関する費用は無料のようですが、申請書類にちょっとした違いがあったり、手帳の大きさやデザインも違うんですよね。ミッフィーちゃんやドラちゃんみたいなキャラクターが表紙の自治体もあるようですが、私のところは残念ながら……。まあ、そんなにへんなやつではありませんが。
私、母子手帳って案外あっさりもらえて拍子抜けしたんですよね(そうでない自治体もあるのかもしれませんが)。氏名などの他に、週数と予定日と受診している医療機関名などを所定の用紙に記入して出せばOK。
すべて自己申告で医療機関の証明などは不要。ついでに印鑑も。まあ、仮に妊婦でない人がもらったとしても使い道がひとつもないですしね。そういうケースは想定する必要がないのかもしれません。
役所の窓口の人の対応は、それはそれは事務的でそっけないものでしたよ(笑)ま、それでいいんですけどね。「おめでとうございますぅ~~」と、紙吹雪とかまかれても困りますし。
だいたいどこの自治体も、母子手帳と一緒に健診費用の補助券や関連情報を集めた冊子などを渡すようです。それは私のところも同じで、冊子だのプリント類だのが入った封筒を渡されました。これまた味も素っ気もないフツーの事務用封筒です(笑)
しかもね、明らかに封筒のサイズが合っていなくて、ぎゅうぎゅう詰めという……。ところによっては、マタニティマークがプリントされた可愛い紙袋に入れて持たせてくれる自治体もあると聞きましたが、まあなんといいますか……ねぇ(苦笑)
そういえば、私が妊婦だった当時はマタニティマークってわりと大きめで「よく目につく」ものだったと思います。でも、逆に今は小さくなっているようですね。つけることを躊躇する妊婦さんもいると聞きました。
マークをつけていることで、不快な思いをさせられたり傷つけられたりするくらいなら、いっそつけないほうがいい、と……。なんですかねぇ、どうしてこういう優しくない世の中になっちゃったんですかね。
私はつけていて欲しいなと思いますよ。というか、つけておいてもらえると、周りとしてはわかりやすくて助かります。私自身も特に妊娠初期の頃はつけるようにしていました。
例えば、もし倒れたりしたとき――周りの人の善意に頼らざるを得ないわけですが、妊婦というのがすぐにわかったほうが絶対にいいですよね。お腹が目立たない初期の頃って、ほんっとわかりませんし。
また、これはちょっと余談ですが――お腹が大きい人を見て「妊婦さん……だよね???」と、ちょーっと迷うこともなきにしもあらずでして(汗) とにかく、わかりやすいに越したことはない。少なくとも、私個人はそう思って見ております。
妊婦さんたちって、決して「優遇」を主張してあのマークをつけているわけじゃないと思います(思いたい……)。万一のときを考えて自分ができること。マタニティマークをつけるのは、その一つなのではないでしょうか。
けれども、残念ながら中にはちょっとおかしな人もいるそうで……。「私は妊婦様よ」的な非常識な態度に、不愉快な思いをさせられたり、迷惑をかけられたという投稿もネットでけっこう見かけます。
けど、周囲の人に迷惑をかけないように、不快な思いをさせないようにと、一生懸命に気を遣っている人もたくさんいると思うのです。本当は、頑張りを求めるのではなく、もっと自然に「配慮」ができる優しい世の中だったらいいのに……。
ちなみに、私がマタニティマークを入手したのは最寄駅の事務室でした。対応してくださったのは割と若い男性の駅員さんだったのですが、ちょっと印象に残っているんですよね。
私がおずおずと「マタニティマークをいただけると聞いたのですが……」とたずねると、駅員さんは「はいっ、ただいまお持ちいたしますね」とシャキシャキ用意してくれました。そして、私が「ありがとうございます」とお礼を言うと、その駅員さんは「いえっ、ありがとうございますっ」と――。
そのときの表情が、とっても優しかったんですよ。それでですね、すごく温かい気持ちになって、なんだか元気が出たんです。
妊娠している間、こういった何気ない優しさに救われたことがずいぶんありました。いや、その頃に限らず今でもそうでしょうね。子育てはしんどいことが多いです。周りに迷惑をかけないようにと頑張っていても、うまくいかないことが多々あります。子どもって大人の思い通りにはいかないことが多いから。
でも、それを善意や慈愛の目をもって見守り助けてくれる人もいる。やるせない気持ちで涙を飲まざるを得ないことがあるのも本当だけれど、優しい人たちがいるというのも本当なのです。
そういえば、あのマタニティマークはどこへいったのだろう??? お、思い出せません……(汗)
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