第55話 王城会議
封印の儀式が終わり、お婆さんが消えた。残されたのは抱きしめているアイリだけ。
リアルでお祖母ちゃんを見送った時の事を思いだして悲しくなり、涙がでてくる。
でも、ここで悲しんでもいられない。ボク達には悲しんでいる時間なんてないんだ。
ボクは涙を腕で拭ってから、周りを見渡す。ここに居る皆も悲しんでいるけれど、中には次を見据えてボクの指示を待っている人もいる。
「皆、悲しむのは後にして聞いて欲しい。お婆さんの為にもこのまま竜族を滅ぼされるわけにはいかないんだ」
ボクの言葉に悲しんでいた人も、意思の籠った力強い瞳でボクを見詰めてくる。ボクは一体……いや、一人一人を見詰めてからしっかりと告げる。
「ボクが就任した竜王姫は普通の竜王とは違う。竜族から支持を受け、支持率の分だけ竜族の皆を強化するスキルなんだ。だから、皆の協力が無いととてもじゃないけれどこの難局を乗り越えられない。幼くて弱いボクだけど、精一杯頑張るから、どうか皆の力を貸してください」
頭を下げてお願いする。お婆さんはボクの為に命を賭けてアイリを救ってくれた。だから、ボクもそれに見合う以上に頑張らせてもらわないといけない。
「頭をお上げください。我等、竜族一同は姫様の命に従います」
「姫様の望む通り、我等を如何様にもお使いください」
「それこそが我等の望む事です」
フェリル達の声に頭を上げると、巫女の人達や他の竜族の人達が跪いている。ドラゴン姿の人も頭を下げていて、何故かメイシアやアナスタシア、ディーナやアイリ達もしている。
「なんでアナスタシア達まで?」
「ノリに決まってるよ!」
「ですね」
「あははは」
「まあいいか」
改めてコホンと仕切り直す。
「さて、皆さん。顔を上げてください。これから皆さんをボクの配下として扱う為の儀式をします。ボクと握手して力を受け入れてくれれば完了です」
ボクは一人一人と握手や顔に触れてボクの竜脈から力を引き出して皆に別けていく。竜族の皆からも彼等が持つ竜脈の力を一部貰うことでボクとの繋がりが生まれる。
普通は自分の体内に入ってきた他人の力に抵抗するけれど、皆は進んでボクの力を受け入れてくれる。すると、金竜の力が皆に行き渡っていくのがわかる。
【竜王姫の威光が発動しました。配下になった全竜族に対して補正が働きます。現在の支持率は94%です】
やっぱり一部の竜族からは指示されていないみたい。こればかりは仕方ないね。
「では、これからについて説明するね」
改めて巫女の人達にした説明をして、理解を得る。人界における竜族の拠点の破棄と魔族や神族への譲渡。当然、聞いた竜族の人達はいい気がしない。そのせいで支持率も8%ほど下がった。
「まず、現状としてボク達の戦力では防衛できないし、中立地帯まで多種族への根回しもなく手を出したから、それ相応の代価を支払わなければならないよね?」
「はい。そうしなければ高確率で竜族は巨人族以外の種族、神族や魔族とも戦争状態に突入するでしょうね」
ディーナが捕捉してくれるので、ボクはそのまま話す。
「うん。だから、彼等に人界の場所を迷惑料として与える」
「でも、それって与え過ぎだよね?」
「そうだね。このままじゃ、確かに与え過ぎだよ。なのでしっかりと条件をつけるよ」
アナスタシアの言う通り、与え過ぎなのでこちらの条件はつける。まあ、これは叶えられなくてもいいものだ。裏技もあるしね。
「条件、ですか?」
「条件はボク達竜族が支配していた領地の支配権は与えるけれど、竜族が人界で活動する権利は認めるようにしてもらうということ。正直に言うけれど、ボク達竜族はその、領地の運営とか苦手だよね?」
「で、できます!」
「領地を守るだけじゃなく、発展させないといけないんだ。その為には生産活動は必須なんだ。でも、竜族は基本的にその土地を調整して自然環境の再生などはできるけれど、二次生産、武器とかなどは作れないよね」
「それは……」
「別に攻めてるわけじゃないよ。ボク達竜族は生産系が壊滅的な代わりに戦闘に秀でている。だからさ、面倒な所は魔族や神族に投げちゃおう!」
「「「姫様!」」」
「あははは、なるほど、確かにそうね」
「という訳で、ボクは基本的に竜族で戦いたい人達は傭兵として、巨人族などとの戦闘に参加してもらおと思っている。それとこれは竜王姫の命令としてだけど、今から言う事は多種族に告げないように」
皆が頷いた後、ボクは計画を告げていく。この計画なら例え、神族や魔族が人界でのボク達、竜族の活動を拒否したしても関係ない。
「変更しないといけない場所は色々とあるだろうけど、まずは計画の内容を教えるね。まず、ボク達来訪者は竜族に憧れていたり、一緒に戦ったり、乗ったりしたいと思っている。これは間違いないよね?」
「間違いありません。掲示板でも情報が求められています」
「アナも乗りたい!」
「今回の報酬で期待されている一つですね」
「というわけで、神族と魔族が拒否しても、来訪者の人達と傭兵や召喚の契約をして人界で活動してしまえばいいんだよ」
皆の言葉通り、来訪者であるプレイヤーには竜族と関わりたい人が多い。そして、大多数は人などだが、その中には当然のように神族や魔族のプレイヤーもいる。
さて、来訪者を神族と魔族が拒否した場合、死なないボク達を戦力と加えられる他勢力は力をどんどん増していく。このことから、来訪者は拒否できない。
「お姉ちゃん黒い!」
「黒くないよ。普通だよ。それとこの契約を嫌な竜族も居ると思う。でも、君達にもしっかりとした利点があるんだ。来訪者と契約する事で復活が容易くなる。言ってしまえば皆は死ななくなるので、気にせず全力で戦えるようになるよ」
ボクがそう言うと、竜族のほとんどが咆哮を上げて大歓声を轟かせる。竜族にとって戦闘がなによりも大好きみたい。流石は戦闘種族といったところだね。
「お兄様の言う方法なら諜報活動もできますね」
「ディーナ?」
「ドラゴンを連れていくようなプレイヤー、来訪者は基本的に戦闘系や商人系です。彼等と共に色々な場所を旅するのなら、その時に各地の情報が勝手に手に入ってきます」
確かにできそうだ。情報を収集するの方法に色々な問題はあるけれど、それさえどうにかできたらとても便利になる。
「ん~フェリル、竜族特有の伝達手段って何か有る?」
「竜族のみでしたら龍脈を使って行き来できます」
「一々転移してこないといけないのか……」
「常に龍脈の中に人員を配置しておけばその必要もありません。力の一部と合わせて龍脈に流せば情報を送る事ができます。龍脈の内部で得た情報を竜界に待機している者に飛ばせば伝える事ができるでしょう」
「それって負担にはならないのかな?」
「退屈になる程度なので、お気になさらなくて構いません」
「それなら、交代制にすればいいね。ご褒美を何か用意したらいいだろうし」
「集めた情報の解析は私がしますね」
「お願い、ディーナ」
「任せてください」
ディーナは機人族だから、情報の解析とかは得意分野だろうし任せていい。他に何か決めないといけない事は……
「あっ、フェリル。ボクは礼儀作法とか詳しくないんだけど、神族と魔族から来る使者の人と会わないいけないよね。だから、その辺りについて知っている人はいるかな?」
「……誰かいますか?」
フェリルが他の巫女やドラゴンさん達を見渡すけれど、全員が首を振る。
「今までってどうしてたの?」
「要求を突き付けて、受け入れるか戦うかですね。勝利した方の願いを叶えます」
「蛮族じゃん!」
アナスタシアの叫び声に一部の人達から怒りの視線が向けられるけれど、仕方ないよね。
「我等は強者だ。弱者の事など……」
「いや、今はもう弱者だよ? いくら個体として強くても軍隊で負けちゃって追い詰められてるんだし」
「ぐっ……」
「はいはい、そこまで。とりあえず意識は変えようか。竜族の皆は今の状況にそぐわない無駄な傲慢や慢心は捨てちゃおう」
「姫様!」
「でも! 竜族である誇りは捨てない」
誇りは重要だ。でも、それで慢心や傲慢を生むのはいただけない。
「え?」
「竜族として誇り高く生きるのは必要な事だからね。でも、多種族を下等種や劣等種と思わないように。それぞれの種族には劣っている場所と秀でいる場所が必ずあるの。
私達竜族は頑丈で戦闘が得意。その中でも物理系は大得意。魔法系はちょっと苦手。生産系に関しては壊滅的」
「ですが、それなら力で支配すればよろしいのでは?」
「生産の部分を任せてしまえばいい」
「任せるのは賛成だけど、力による支配は駄目かな。力で支配した場合、必ずと言っていいほど支配された側は反抗してくる。
そして、その場合は入念な準備を整えて、竜殺しの装備や兵器を開発してくるはずだよ。そうなればボク達が滅ぼされる。
ボクが居る世界には巨人族じゃなくて、人族が竜殺しの武器や兵器を持って竜族を打倒する話が幾つもある。それにあちらの世界じゃ竜族はほぼ滅んで表には出てこない。
ボク達からしたら、ひ弱な人族ですら時間をかけて数を増やし、協力して竜族を調べつくし、有効な
ボクの言葉に即座に否定する。誰も滅ぶのなんて望んでいない。
「本当に人によって滅ぼされたの?」
「事実だよ。生きているのも隠れ住んでいるだけかな。まあ、人の血が混じった混血児はいるかもしれないけれど、もう何百年も経っているからわからないね」
「そうですね。確かに私達の世界では竜族は滅亡したといえるでしょう」
「伝承やお話しの中にしか残ってないしね~」
「はい」
エクスの質問にアナスタシアやディーナ、メイシア達が答えていく。不安になったのか、アイリがボクの服を掴んでくるので彼女の頭を優しく撫でて安心させてあげる。
「はい」
言葉が出なくなった辺りで、パンッと両手を叩いて音を出して注目を集める。
「ボクはこの世界で竜王ヴェーヌスを殺し、お婆さんや竜族の皆さんの願いを持って竜王姫になりました。だから、私は皆さんを助けるために頑張るといいました。ですが、先にも言ったように皆さんの協力がなければなりません。生き方を変えるのがどうしても嫌なら、竜界でひっそりと過ごすか、追放されて人界で自由に過ごすか選んでください」
「それは……」
「ボクは皆を助けたいですが、大切な人達が犠牲になるのなら諦めるしかありません」
「だが……どうする?」
「う~む。傭兵か」
「我等巫女は主に従います」
「あ、傭兵の報酬に金銀財宝とか、お宝を貰う契約をしたらいいんじゃないかな? ドラゴンって光物好きだよね?」
「「「っ!?」」」
アナスタシアの言葉に一斉にボクの方を見てきた。そこまで財宝が好きか。
「あ~うん、報酬として貰うのは有りだね」
「それと多種族と協力する事で財宝を作り出す事も富を集める事もできます」
「なに?」
「本当か?」
「はい。情報を集め、それを資金運用に利用します。また、鉱石などを加工してもらって秘宝に作り変えたりも可能です」
「商売をするのも良さそうですね。聞いた限り、ドラゴンの転移を利用すれば物資の持ち運び輸送なども簡単です」
「物流を支配するとか、とっても楽しそうだね!」
確かに秘宝を作り出したり、竜族由来の武器や防具を作って売ると儲けはかなり出ると思う。それにドラゴン輸送は流通革命を起こす事間違いなしだよ。確か、流通革命であってたはず。もうよく覚えてないけど。
「私達にはわからない事ですね。我等は主に付き従うのみですが、皆さんも自ら選んだ主に従いましょう。あちらの世界で滅び、隠れ住んでいた竜族の方が我等の滅亡を前にこうして助けるために来訪していただけたのです」
「それもそうだな。我等は姫様に付き従えばよい」
「うむ。我等は思い付く限りの事をして敗北した。ならば、全てを姫様に託し、我等が思いつかぬ方法で打開してもらえばよい。なに、失敗したとしても我等は既に詰んでいるのだ」
「確かにそうね」
竜族の皆が話し合っている間にボクはメイシアを見る。
「メイシア、ボクに礼儀作法や立ち振る舞いとかを教えてくれる?」
「確かに私が適任ですね。こちらの世界の事は良くわかりませんが、来訪者として礼節を重んじれば就任直後は大丈夫でしょう」
「うん。ジルさん達ドラゴンナイツの人達に連絡して、その辺りは調べてもらおう。違いがあるのなら、改めて教師を雇って勉強するよ。だから、メイシア、悪いけどお願いできるかな?」
「……はい、いいですよ。私にも得がありますし」
「得?」
「なんでもありません。それよりも、アイちゃんも一緒に頑張りましょうね。お母さんらしく、しっかりと教えてあげます」
「了解だ、です」
「頑張ろうね」
「はいです」
スパルタで怖そうだけど、時間がないから仕方がないね。それに礼儀作法はリアルでも役に立つし、ボクとしても覚えておいて損はない。むしろ、アナスタシアにも教える方がいいかも?
「あ、アナはいらないからね。色々とやらないといけない事があるし」
「やらないといけない事?」
「うん。お姉ちゃんのためとアナの楽しみのためだけどね」
「何をする気なんですか?」
「えっとね。それぞれの世界には専用のダンジョンが複数あるんだ。もちろん、竜界にもあるはずだよ。そこで竜界特有の素材を手に入れたら、皆の戦力強化になるよね」
「それは確かにそうだね。うん、調べてみよう」
「お願い」
竜界の支配権を使うように意識しながら腕を振るう。すると目の前に竜界全ての情報が映し出された大きな石板が出現した。大きい上に読みにくいし、ステータスみたいな仮想スクリーンにならないかな?
そう思ったら、石板が消えて仮想スクリーンが展開された。どうやら、ボクが使い易いようにインターフェイスが変更されたみたい。情報が多いので検索できるように考えると、検索欄が追加された。便利だね。
「えっと、全体マップとダンジョンを表示」
指示すると、目の前に竜界全体の地図が表示された。続いてダンジョンの位置がいっぱい現れた。
「なんか多いね」
「そうだね」
後ろからアナスタシアに抱き着かれ、頭に彼女の顎が載ってくる。首には両手が回されていて、普通なら足も絡めてくるけれどそれはない。多分、空を飛びながら覗き込んでいる。
「こちらはそれぞれの修練所ですね」
「修練所?」
「はい。私がおりました水の島もあります。エクスが過ごしている火の島もありますね」
「もしかして、属性ごとにあるのかな?」
「属性の数よりも、ダンジョンの数はもっと多いよ?」
アナスタシアの言う通り、確かに表示された数はもっと多い。
「属性やランク毎にも変わります。我が主であれば金竜専用の修練所がございます」
「つまり、色々な素材が手に入ると」
「過去の巫女や竜王様の幻影と戦う事ができます」
「あんなのもうやりたくないよ!」
「確かにそうですね」
ヴェーヌスとの戦いは本当に酷かった。皆の力を貸してもらわないと本当に勝てなかった。何時かは勝ちたいけれど、しばらくは遠慮したい、うん。というか、竜王姫じゃなくてちゃんとした竜王にもなりたいし、何れは幽界に行ってリベンジする予定だし、影を相手にするのは丁度いいかな。
「アナ、竜族の皆に連携を仕込む事はできる?」
「こちらの言う事を聞いてくれればできるよ。付け焼き刃でもいいならすぐにでもできるからね」
「凄いね」
素直にそう思う。ボクには連携なんて教えることはできない。友達もいないし、連携なんて怜奈達と一緒に遊ぶくらいだ。その時だって二人が会わせてくれるぐらいだしね。考えたら駄目駄目だ。
「伊達にゲームいっぱいしてないしね!」
「ちゃんと学校の宿題や復習もしなよ?」
「うぐっ!? お、思い出させないで……」
「まったく……まあいいや。エクス!」
シルヴィアには巫女達の統率をお願いしないといけない。フェリルはかなりレベルが下がっているし、他の竜族が従うか不安だ。それにエクスの攻撃は火力が高すぎて、連携の練習をさないと危険過ぎて戦わせてあげることができない。味方諸共滅ぼすような自爆攻撃は遠慮したいしね。
「呼んだ?」
「うん。エクスとフェリルは竜族を率いてダンジョンの攻略をアナ、アナスタシアの指揮の下でお願い。アナスタシアの言葉はボクの言葉として言う事を聞くように」
「吸血鬼の?」
エクスが不思議そうに聞いてくる。彼女達竜族からしたら、ボクの家族とはいえ吸血鬼であるアナスタシアはあくまでも無関係な存在なんだろうね。
「うん。巨人族は連携して竜族を各個撃破したんだよね?」
「そうね」
「だったら、こっちも連携しないと一方的にやられるよ。そんな簡単に一人で竜族数人分の働きができるわけないしね」
「姫様の力があればいけるんじゃないの?」
「無理だと思うよ。だって、ボクの力を使っても、全盛期の竜族には絶対に及ばない。何せ、全盛期だとこちらには完全な竜王が居たんだよ。それなのに敗北したんだからね」
弱っていたのにアレだけの力があったんだから、ボクとヴェーヌスの力の差は歴然だ。そのヴェーヌスを倒す事ができる巨人族が相手なのだから、生半可な力じゃ勝てない。
それこそ、同じクラスであろう神族や魔族の王様達じゃないと駄目だと思う。
「なるほど。そう言われると納得できるわ。アナスタシアだったわね。よろしくね」
「こちらこそよろしく!」
「私は弱体化していますので、前のように支援は期待しないでください」
「ええ、心得たわ」
「楽しみになってきたな~」
フェリルもエクスも、アナスタシアがボクの妹だという事ですぐに受け入れてくれているので、大丈夫だろう。
竜族達の方も丁度話し合いが終わったようなので、そろそろ会議を締めよう。支持率は99.7%もあるし大丈夫。
「じゃあ、皆で頑張ってこの難局を乗り切ろう。えいえいおー!」
「「「「おー!」」」」
「「「「お~?」」」」
うぅ、外しちゃった。まあ、仕方ないよね。よ~し、頑張って立ち振る舞いを覚えて、神族や魔族との会談に挑まないとね。草案はディーナ達に頼む予定だし、きっと大丈夫!
「ところで、ユーリ」
「メイシア、どうしたの?」
「教える立ち振る舞いは女性の物になるのでしょうか?」
「男性でお願い!」
「でも、ユーリは女性と認識されていますよ? 竜王姫なんですから」
「……それでも、男性でお願い、します……」
「ユーリのお願いはわかりました。ですが、ここで問題があります」
「な、なに? 凄く嫌な予感がするんだけど……」
「私は女性としての立ち振る舞いしかわかりません」
「あっ」
そうだよね。メイシアは女の子だし、男性の方を詳しく知っているはずはない。
「その、ごめんなさい……」
「……し、仕方ないね、うん。ほん、本当に仕方ない……そっちで、お願い、します……うぅ……」
「だ、男性の方も教えてきてもらいますから、少しだけ待ってください」
「うん、お願い、します……あははは」
涙が出てくるけれど諦める訳にはいかないし、第一印象が大切だからしっかりと頑張ろう!
人形と家族の為にファイトだボク! ボクならやれる! きっとやれる! やりたくないけど……頑張る!
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