しーなちゃんの「演技性人格障害」考察

 まだ尺が余りますね。

 小説と違って実話ってなかなか文字数が増えません。

 ということで、昔かいたコラム的なものを。



 これは、「しーなちゃん」がまだネット上で活動していた頃に書いた話です。

 なんでこんなものを書いてたって、こういう考察をしないと対処できないようなひとを目の当たりにして、対応に苦慮してたからですよ。

 おかげさまで、ものすごく耐性がUPしたし、受け流したりやり過ごす技術も向上しました。


 今は、ネットとリアルの敷居がだいぶ低くなって、こういう極端な人に会うことは少なくなりましたけど、やっぱり皆無じゃないですね。

 今風にちょこっと修正入れましたけど、資料などは一〇年以上前のものなので、今はだいぶ見解が変わってる部分もあるかも知れないです。あまり真に受けず、参考のひとつとしてどうぞ。

なんの参考になるかは知りません(笑



 でもね、人の本質って、何年経っても変わらないんですよ。

それこそ千年二千年経っても、ね。




「演技性人格障害(パーソナリティ障害)」というものがあります。

 これは、人格障害を区別する、精神医学用語のひとつです。


 下に参照されている『DSM-4』というのはアメリカの精神医学での診断基準です。

  英文の翻訳なので、いまいちぴんとこない部分もあるのですが、いくつか専門書や専門サイトを巡った上で、とりあえずネット上によくいそうなタイプと、日常生活で触れそうなタイプとを考慮した注釈をつけてみました。注釈部分はその項目に該当しそうな行動の類例なので、全部当てはまる必要 はありません。

 私の解釈が入っているので、そのまま鵜呑みにされるのも危険かと思いますが、自分なりに内容をかみ砕いた上で、当てはまる部分が多い人が近くにいる場合はちょっと注意したほうがいいかも知れません。

 特に、SNSと言われるサイトや、オンラインゲームなんかだと、キャラのお面をかぶって演技してる部分もあるかもしれませんが、その設定やイメージを、現実にそのまま持ち込まれても、ねぇ(何



 余計な忠告ですが、言葉の意味を深く探ろうとしない人は、安易にこの内容を、他所で気を引くために利用しない方がいいと思いますね。

 自分の実になっていない「借り物の言葉」は、ものの判る人にはすぐ見破られるものです。それを踏まえた上で、ご覧になって下さい。


 


++ 演技性人格障害の診断基準(DSM-4より要約) ++ 〔〕は私の注釈



 過度に情緒的で、度を過ごして人の注意を引こうとする行動の広範な様式で、成人期早期に始まり、さまざまな状況で明らかになる。


 以下のうち5つ(またはそれ以上)で診断される。


1)自分が注目の的になっていない状況では楽しくない。


〔自分が参加できない話題が続くと、無理矢理話題を切り替えたり、ことさら自分に関心を向けさせようとする。注目を集めるためなら、他人の模倣・自傷・自殺未 遂(ネットでは自傷・自殺・アカウント抹消等を予告するような言動)・相談のための相談(気を引くために相談事を作り出す)等、どんなことでもする。全体をまとめてグループ を形成しようとする一方で、グループ内の個々が自分を飛ばして交流するのを嫌う。実は見栄っ張り〕


2)他人との交流は、しばしば不適切なほどに性的に誘惑的

  または挑発的な行動によって特徴づけられる。


 〔『異性として好意を持たれている』と相手に思わせかねない発言・行動を、不特定多数の相手に抵抗なく行う。もしくはわざと、相手を子供扱いする。〕


3)浅薄ですばやく変化する感情表出を示す。


〔時に激情的。もしくは過度に弱さを表現する。〕


4)自分への関心を引くために絶えず身体的外見を用いる。


〔実際の自分自身ではなく、アバター・アイコン・H.N.を利用したイメージを作り上げて関心を引こうとする。H.N.やアバタのイメージに依存している自分に疑問を感じない。 資力・才能・人脈等を必要以上にひけらかす。現実では、必要以上と思われるほど化粧・服装・アクセサリー等で身を飾る。〕


5)過度に印象的だが内容の詳細がない話し方をする。


〔話す内容が万人受けに浅く、自分のことばかりなのに本人の現実像を特定できない話が多い。たまに深いものや面白い内容のものがあっても、たいていは他人 の影響か受け売りである。時に意味もなく抽象的で思わせぶりな表現を多用する。語彙が少なく、言葉以上には含みのない単語を使うことが多い。〕


6)自己演技化、芝居がかった態度、誇張した情緒表現。


〔自分に起きた些細なことを劇的に表現する。話を自分に都合の良いように脚色する(もしくは本気でそう思いこんでいる)。自分自身の情報をあえて誤認させ、相手に期待させるような話し方をする〕


7)被暗示的、つまり他人または環境の影響を受けやすい。


〔人の話に左右されやすい。人のしていることを疑問なくそのまままねる。話題に上ったものは多少高額でもすぐ手に入れようとする。しかし関心は一時的なものなので、趣味として長続きしない〕


8)対人関係を実際以上に親密なものとみなす。


〔実際はそれほどでもないのに、自分が相手にとって重要な存在であると思いこみ、そのように振る舞う。望まれていないのに、お節介と称して他人の深いところに踏み込んでくる。〕



 特にネット上では、4)の傾向を顕著に表すひとがいます。

 ネット上で、自分の身を飾るアクセサリーとして多く用いられるのは、アイコンや写真だけでなく、人間関係です。

「業界では大御所の某氏から参考になる話が聞けた(相手の具体的な名前と話の内容は書かない)」等、読む人によっては誰とでもとれそうな曖昧な表記で、自分が特別な人たちとつながりがあると思わせようとしたり、自分が関わっている世界でさも特別なことが起きたと匂わせるような(具体的なことは書かない)ことばかり並べる人は、要注意と思っています。

 本当に事情があって具体的なことが書けないけど嬉しかったから! という無邪気な言葉と、人との関係性を自慢したいだけの言葉は、印象が違うもので、

 周りはもてはやしてるけど、なんかおかしい、と感じたら、その違和感について冷静にふり返ってみるのは大事だと思うのです。






「人格障害」にくくられるものの共通的な特徴として、度が過ぎると家族や友人、精神科の医師まで振り回して、周囲全体を消耗させてしまう人もいるのだそうです。

 この根底にあるのは、「自分は必要とされている存在」と感じたい欲求のようです。これらの点は「共依存」にも共通していると(私には)思われるので、近い将来には「共依存」も別な名前をつけられて、人格障害の類型として並ぶことになるかも知れませんね。

  一般に人格障害は幼児期からの体験で基盤が形成されるそうなのですが、幼児期にある程度人格障害の要素を培われつつも大過なく型にはまった人生を送ってき た人が、青年期の早い時期に自分の存在意義を揺るがされるような大きな出来事を体験したときに、それが引き金になって本格的に人格障害の症状を発症するこ ともありえるように思います。



 精神医学サイトにはあまり掲載されていないのですが、資料として目を通した本に「キュー」という作用について述べられていました。

 多分、現時点では理論的に説明がつかない作用なため、安易に紹介できないのだと思いますが、この「キュー」が、DSM-4の項目外でも、人格障害かそうでないかを判定するうえで重要な要素のひとつになっているのだそうです。


 初診時には気がつかれないようですが、人格障害の人を診察すると、精神科医がいつもの診察時よりも「やる気」になっているのだそうです。

 多分、映画やドラマの撮影での「3・2・1・キュー!」というアレに由来しているのでしょう。

 人格障害、特に演技性人格障害に触発されて、患者が主役の「舞台」に引きずり出されてしまう、そのサインなのでしょうね。

  ただ、この「キュー」は、たとえるなら強壮剤のようなものでもあるらしく、「やる気」を起こさせる作用も強いぶん、気力を消耗させるのも早いようです。あ る人に関わったひとが、かなりの確率で以前ほど積極的に活動しなくなる、ということが見受けられるようであれば、人格障害を警戒してみた方がいいかも知れ ません。

 特にネット上は「演技性人格障害」者の格好の舞台です。一見普通に見えるのに、なにかおかしいものを感じるようなら、一歩引いて理由を客観的に分析してみることをオススメします。

 抜かなければいけないと思っていた毒が、実は違う場所にあった、という事態が、往々にしてあるものです。




 この「演技性人格障害」に「共依存」の傾向が重なると、かなり判断が難しくなってくると思われます。違和感を感じる場合はあえて心を鬼にして原因を考えてみる必要もあるかも知れません。

 すべてが自分に原因があると考えていると、正直な話、最後には未必の故意的な形で殺されかねません。過去形として認識できるようになったからこそ言えることですが。

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