巻末付録
その後の「しーな」ちゃん
コンビニのおねーさんのライトでほのぼのな日記を装った、ヘヴィな雇用問題小説に最後までおつきあいいただいて、ありがとうございます。
最初からずっと言ってますが、「しーなちゃんのコンビニ回顧録」は、実際にあった出来事です。後半の多賀部(仮)氏の台詞なんか、チャットのログをそのままコピペしてます。
作ってるのは、主人公の「しーな」のキャラクターぐらいです(笑
このおはなしを一言で言うなら、
村長がいつの間にか悪魔にすり替わられてしまったことに気付いたけど、村を救ってくれる勇者が全然現れなかったので、自分で伝説の武器と防具を手に悪魔と闘った村娘の物語
でしょうか。
現実世界では、黙って泣いてたって勇者は来てくれません。
通りがかりのどっかのご隠居なんか、都合良く現れてはくれません。
自分を守るためには、自分自身が戦わなきゃいけないし、時には逃げ出す勇気も必要です。
だからこそお話の中の、勇者的存在を待つ心、勇者的存在になりたいと思う心に、共感できるのかも知れないです。
※
その後、「しーな」ちゃんがどうなったのか、簡単におはなししましょう。
コンビニのおねーさんから、スーパーのレジのおねーさんになったしーなちゃんは、数年後、引越と共にそのスーパーともお別れします。
引っ越し先で新しく職を得て一ヶ月も経たない頃、しーなちゃんは交通事故に遭います。
左股関節脱臼骨折と左側関節(足首)粉砕骨折で、絶対安静期間三週間を含む計二ヶ月の入院。松葉杖なしで歩けるようになるまで、更に半年以上を費やします。
当然失職します。
長めの静養期間を経て、しーなちゃんは今、とある会社で受付事務をしています。
その会社は、コンビニやスーパーとも関わる機会が多くて、かつて自分が「オーナー」「奥さん」の下で働いたコンビニの店員さんとも、電話でやりとりする機会があります。
でも、そのお店との電話に、「オーナー」「奥さん」が出たことはありません。
もう経営者が変わっているのではないかと思われます。
※
この「しーなちゃんのコンビニ回顧録」は、気持ちに一区切りついたときに一度、某出版社の公募用にまとめ、その五年後、自分のブログに全文掲載しています。
パソコンのトラブルで一部のデータが消失していて、第二部半ばから最後にかけての部分は、出版社から戻ってきた紙の原稿からタイプしなおす必要がありました。
その作業のために原稿を読み返すだけで胃が痛くなり、身体的精神的にきつくなって、一時作業中断。
先を読みたいと催促してくれた方がいたおかげで、なんとか作業を再開し、全文のアップにこぎ着けました。
全てが終わって五年も経っていたというのに、当時のダメージが蘇るのだから、DQNのパワー恐るべし。
そして更に五年。
2013年から14年にかけてにライブドアで行われた「ライトなラノベコンテスト」に参加した際に、文字数の関係で、「しーなちゃんのコンビニ日記 日常編」「激闘編」と分割し、後半は読みやすさを意識して更に改稿。
前半に当たる日常編は、Impress QuickBooks から電子書籍として発行されています。そのとき取り残された「激闘編」に多少追記したのが、今回のお話です。
五万字には足りないため、宣伝のつもりで参加したのですが、予想外にレビューや応援を頂きまして、やはり今でも同じようなことで悩んでいる方はおられるのだなぁと痛感しました。
カクヨムの仕様で太字や色替えが使えないため、若干見づらい点もあるかも知れませんが、それでも目を通してくださって有り難い限りです。
機会があれば、マンガと小説を組み合わせた労働基準法の解説書のように構成してみたいのですが、なかなか機会に恵まれませんね。
「しーな」ちゃんの過去の経験が、少しでも、今のあなたに笑顔と、必要な知識をもたらせていたら、幸いと思います。
※ ※
と、ここまで書いても、若干5万字には遠いので、コンビニをやめた後に遭遇した事故の時の経験談でも、巻末付録として掲載したいと思います。
もう少しおつきあい、よろしくお願いします。
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