八つ目 後ろの人はpsycho-passです。

 私もこう見えて、勉強に忙しい学生ですので、塾に通っています。

 その塾で後ろに座っているのが、少しおかしい人でありまして、問題を解いていると、

「おかしいなぁ、こんな答えになる訳がない」

と、けたたましい声をあげます。

 おかしいのはお前だ。

 

 この前は授業中、母親から電話があったようで、

「少し、電話して来ます」

と言って廊下に出て行き、電話を耳につけた瞬間、

「え?いま、塾にいるんだから電話しないでよ」

と、叫び初め、その声は教室まで響いていました。

 それを聞いて、私は思わず笑ってしまったのですが、驚くことに笑っていたのは私だけで、浮いてしまいました。

 

 そして、今日あいつは後ろでずっとチップスターをむさぼっていたため、

 私の後ろからは、クチャクチャ、と音が鳴り、そのせいで集中出来ませんでした。(これは、言い訳ですが)

 しかし、そういうやつに限って頭が良いから、たちが悪いです。

 「こんな答えになる訳がない」と言いながら解いていたのは、チャレンジ問題と言う早く解き終わってしまった生徒のための応用問題なのです。

 私はああいう風になりたかったのかもしれません。

 少し、価値観が特殊であり、誰もよりつけない存在。

「特別」

 それに私はなりたかった。


 今日も、つまらない愚痴に付き合ってくれて、ありがとう。

 

 

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