第二十八話 絶望なんか吹っ飛ばせ。
希望を失ってない兵士達が
佐太夫は少し照れると「救世主、佐太夫様でいいぞ。」とヤヤ偉そうに言った。
兵士の一人が「救世主、佐太夫様。私たちの命、アナタに預けます。」と言った。
佐太夫は自分が言わせておいて悪いけど、何を大袈裟かと思った。そして、イイ響きだ、できることなら一生、そう呼ばれたいとも思っていた。そして、
幾人もの敵兵と戦い、斬り進み。佐太夫たちは海野城が一望できる木々が生い茂る丘にたどり着いた。
丘の上で兵士の一人が「海野城が本当に陥落している。」と言って肩を落とした。
そして、さすがの佐太夫もこれには動揺の色を隠しきれないようだった
すると、木々の間から見覚えのある太った小さな目の男が現れ「プププ。おい、バカヅラ!!」と一喝した。
突然の
幸義は怒り心頭の様子で気を失っている幸隆をニラミつけ、その小さな目を強ばらせながら「変な名前つけるな。腰抜けは、いつまで寝てんだよ。
佐太夫は思い出しただけでも腹がたつような顔をして「頼綱。幸隆の弟。そいつは裏切ったぞ。だから、こっちは大変だったんだよ『超七光りデブ』」と言った。
幸義は顔を溶岩のように真っ赤にさせて「プゥゥウウウウウ。頼綱が裏切った!?。なんで?腰抜けが、また余計なことを言ったんだろ。そうだろ。」と大激怒した。熱マジりのツバを飛ばした。
佐太夫も顔を真っ赤にさせて「わかるか、そんなこと!!」と言って、幸義をぶん殴った。
幸義は痛みをこらえながら「父上も、なんか言ってくれよ。いつまでも、燃えてる城なんか見てないで。うぅ。」と、その汚く小さな瞳から塩水を流した。
幸義の父、
佐太夫は「立ってーー!!」と言って、棟綱を強引に立たせるとある布を渡した。
棟綱は死んだ目をしながら「......なんなの。」と布を広げた。なんと、その布には墨で六文銭が描かれていた。
佐太夫は滅多にみせないほどのスゴイ笑顔で「これ、かっちょよくないですか!!」と棟綱に語り掛けた。
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