第十七話 駆け引き
この娘の名前はキョウ、
しかし、キョウは運悪く、タマタマ通りかかった
キョウは猫のような目を丸くして「......なにって?」困った表情をした。
佐太夫は「幸隆の部屋入れよ。」と言うと、強引にキョウを部屋の中へ入れるのであった。
幸隆の部屋に突然入れられたキョウは「え!?」戸惑いの声をあげる。
すると、幸隆はアグラをかきながら興味なさそうに「テメェ?だれ??」とキョウに名前を聞いた。ちなみに、幸隆はキョウが毎日、自分の部屋に一瞬だけ立ってることを知っている。そのうえで佐太夫と相談し、キョウを招き入れたのだった。
キョウは立ちすくみ頬を赤らめながら「......私、キョウです。」と目をクリクリさせて言った。
そしたら、幸隆は思わず本音で「テメェ、カワイイな!!」と言ってしまった。
キョウは顔をさらに真っ赤にさせて「え!?」と言った。
幸隆はそれを挽回させるように「冗談だよ。ボケ。」と平静を装ったうえでハニカミ、幸隆はおもむろに立ち上がった。
この瞬間、佐太夫はなぜか笑いが止まらなくなり「幸隆、今、キョウのこと本音ではカワイイって思っただろ。」と幸隆のことを指をさして、これでもかとケラケラと笑ってしまったのだった。
あせった幸隆は「あ!?お前、誰が、こんなブスを!!」とみずから、すべてを台無しにする発言をしてしまう。
それが原因でキョウは「......そうですよね。」とだけボソっと言うと、その場を立ち去ってしまうのであった。
幸隆は頭を抱えて「余計なこと言うなよ、ボケ!!」と佐太夫をニラミみつけると、外へ飛び出した。
一方その頃、キョウはショボくれて城の外へでて、町をブラブラし「......私なんか、どうせ、陰気臭いブス女ですよ。」と独り言をボソボソと言っていた。
すると、キョウは近所の一人の子供がクソガキ集団にイジメられてるのを発見する。キョウは、勢いにまかせてクソガキ集団に「お前らぁあああ!!」と突撃をかました。
クソガキ集団はキョウのことを口々に「鬼ババア!!」と叫び退散していった。
キョウは、少し涙ぐみながら「......ブスって言われたり、鬼ババアって言われたり最悪の一日すぎだわ。逆に最高な日ってあったっけ??。不幸すぎる。」と悲しみの苦笑いをした。
そこへ偶然通りかかった幸隆が現れ「テメェ、キョウだっけ??いいところあるじゃねぇか。」と、さっきのブス発言を挽回するように言った。ちなみに幸隆は、とっくの昔にキョウの名前を知っている。
キョウに助けられて子供は二人を見て「お二人、お似合いですけど。夫婦かなにかですか?」と素直に言うのであった。
幸隆は心の中で「よく言ったガキ」と思い、自身のコブシを強く握りしめた。
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