CONFDENTIAL TALK

やがて、車は空港へと到着した。

てっきり協会ビルへと向かうのかと思っていたあたしは、違和感を感じて尋ねた。


「これから何処へ向かうんです?」


「今のところ本社は建物も内部の人間も疑わしいからな。キミ達にはしばらくは隠れ基地を根城にしてもらう。」

会長がニヤリと不敵な笑みを浮かべる。


って自分が行きたいだけじゃないの!?

男ってのは幾つになっても秘密基地が大好きよね。

とはいえ半ば呆れつつも、実はワクワクしているあたしがいた。


でも、そのワクワク感も直ぐに後悔へとすり替えられることになる。

何故なら、車が到着した格納庫であたし達を待ち受けていたのは、先程高度1万2000メートル上空から、無情にもあたしを突き落とした自家用飛行機とあのイケメンスチュワードだったのだから。


「絶対イヤですよ!もうスカイダイビングは御免ですからね!!」

あたしは全力で拒否権を発動した。


「私も酔っていて今は飛べないから安心したまえ。」

悪びれもせず会長は堂々と言い放った。酔ってなければ一緒に突き落とす気なのだろうか?

やっぱり会長は噂通りの怖い人だわ。

これくらいの図太さがないと、トレジャーハンター協会の会長など務まらないのかも知れないわね。


渋々と車から飛行機に乗り換えると、再びあたし達を乗せた飛行機はマイアミの真っ青な空へと飛び立った。




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