FLY HIGH
「CANDY、慌ただしくてすまんな。」
今度こそ正真正銘のトリプルビルが画面に登場した。
「お気遣いなく会長。それよりも火急な用件とはなんでしょう?」
情況は十分理解しているつもりなので、早速用件伺いに入った。
「うむ、先に事情を説明しておきたいのは山々なのだが、電話やメッセンジャーでは話せんのだよ。なのでキミにこうして来てもらって直接対面した上で、説明したいのだ。」
「なるほど、判りました。今はこうしているしか有りませんから、お話はお会いした時に伺いましょう。」
「本当にすまんなCANDY。なおキミに何かあっても当局は一切関知しないので、そのつもりでいてくれ給え。」
ん、何処かで聞いたことのある台詞ね。
「なおこのパソコンは30秒後に自動的に消滅…」
あたしはPCの電源を強制オフした。
会長には申し訳ないが、煩わしいアメリカン・ジョークに愛想笑いをする気分じゃない。
まったくなんであたしの周りにいる連中はこうなのだろう?
おかげで退屈はしないが、毎回悪ふざけに合わせる身にもなって欲しい。
あたしはウエストバッグからiPodを取り出すと、マーシャルのヘッドホンを耳に装着した。
ニッケルバックの重厚なギターリフが、あたしの中に溜まったストレスの塊を全て吹き飛ばしてくれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます