隼と龍と蓮也 闇と光と鍵

龍は、最も西の異世界西の果に飛ばされた。龍は仲間を作り、ダンジョンを攻略した。だが、西の果には、もっと多くの18歳が送り込まれていた。今回のゲームでは、西、東、北、南の果てに、均等になるように18歳を配置したのだ。そんな中で、西のブロックは、魔王の直接的管理がなかったがために、モンスターは凶暴化し、どの果てよりも厳しいブロックだったのだ。そんな中、龍とは対照的に、一匹狼として生き残った天才がいる。それが、加藤 シュンだ。シュンは、高校に入ってから、グレていた。中学では優しく、明るい生徒だったが、ある事をきっかけに、グレたのである。頭はそこまで良くないが、腕っ節が強く、背が高い。悪さをする時だけ、異常に頭が冴える。そんなシュンのスキルは、

「あらゆる水分を沸騰させ、蒸発させる」沸騰ボイリングだった。初め、このスキルの使い道が見いだせなかったシュンだが、食人植物に食われかけ、一度死にそうになった時、ダメもとでスキルを使った時。その食人植物は一瞬にして枯れたのだ。それを目にしたシュンはある事に気づく。ーーー生き物は水がないと生きられないんだったなーーーこの沸騰というスキル、生き物の対しての効果は絶大だった。水分の無くなった生き物は、即死だ。これに気づいたシュンは、1人の不良でなく、1柱の伝説となることを目指すため、独りで、1ヶ月間のサバイバルに望むはずだった。


サバイバル7日目 朝5時

シュンの朝は早い。彼は朝起きて、直ぐに東へ向かう。もうシュンは、西の果を見たあとだった。龍達がダンジョンの外に出た時、モンスターが居なかったのは、シュンが全てのモンスターを倒したからだったのだ。丁度シュンが西の果を去った1時間後に、龍たちがダンジョンから出たので、2人はお互いの存在を知ることはない。

とにかく、東へ進むこと3時間。そこでシュンは、ある男と出会う。高田蓮也という、自分と同じ18歳でこちらの世界へ来た少年だ。彼はレンと読んでくれと言っているが、もとより一緒にいるつもりもないので、シュンはその場を立ち去ったのだ。だがレンは、シュンのあとを追っていく。シュンにとってはいい迷惑だ。

「付いてくるなぁ!」

「いいじゃん。減るもんじゃないし。」

レンは余りにもしつこいため、シュンも諦めて、「勝手にしろ」と、言ったのだ。

その時、三つの影が、彼らの上を高速で飛んでいったのを、は見逃さなかった。


今、ゴブリンの村に、大きな危機が迫っている。それを龍たちが知るのは、一時間後の話である。

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