無名無題

たとえこの人生でもらえなくとも、次回。

これは本当のことだから。いや、本当に本当。

あんなに死にたいと思ってたのに、それがまるで嘘のように、生きててよかったな、と思う日が必ず来る。

この人生でこなければ、次の人生で。

輪廻を覚えてる自分が言うので間違いないです。親を殺してしまうというカルマを積まなくてよかったですね。

時おり世界はとても残酷かなと思うときもあるけれど、結局のところ全ては忘れ去られていくのだろう、と。
そういうことを、思う。
そして、それこそが残酷なことなんじゃあないかなあとも、思ったりする。
そういえばボリス・ヴィアンの小説に登場する恋人は水仙じゃあなくて、睡蓮の花を心臓に咲かせて死んだのだっけ。

「百億年前はきっとここは海の底だ。つまらなそうだね、こんな話。もうお終いにするけど、つまりこういうこと。風景や歴史や世界のほうが僕らよりずっと忘れっぽいということ。百年後のこの場所には君もぼくももういない。僕たちは世界に忘れ去られているんだ。それって納得できる？」
岡崎京子『ぼくたちは何だかす…続きを読む