女子高生、鈴木美鈴

14 蝸牛管

 デスメタルみたいな低い声がわたしを怯えさせる。お父さんの声にも似ているけど、そうじゃない。これはきっとお母さんの声だ。

 わたしの男を奪ったな。

 お前は恩知らずな女だ。

 それでもって恥知らずだ。

 お前は頭の緩い女だ。

 頭だけじゃない、股も緩い女だ。

 なんて浅ましい女。汚らわしい女。最低の女。わたしはデスボイスで罵られながら、発狂しそうになって頭を掻き毟る。

 殺して。

 殺して。

 誰か、わたしを殺して。

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