転落人生の始まり

第12話 いじめ再び

とりあえず、幸運で大学生になったわたしだが...陰りが差したのは意外と早く、大学1年目だった。

大学に行かない日が増え始めたのだ。


理由はいくつかあった。

ひとつは、やる気が出なくなっていたのだ。

そもそも、大学進学に目的があったわけじゃない。

単純に、みんな進学するから...という、流されたような理由で大学に入ったのだから。


ふたつめは、徐々に勉強についていけなくなったのだ。

ただでさえ、やる気が出なかったので大して勉強していなかったのに、大学に行かない日が増え始めたことで、より授業についていけなくなっていくという、悪循環に陥り始めて行った。

もちろん、人見知りであったため大学内に友人は少なく、助けをもらえる手立てはなかった。


みっつめは、おそらくこれが最大の理由である気もする。

大学でも...また、いじめのような事をされたのだった。

それも二組に、である。

そのうちの一組は、高校時代のクラスメイトを含むグループ、男子数人。

そのクラスメイトとは、別に親しくもなんともなかった。

こちらのグループからは、確か入学早々からいじめのような行為が始まった...気がする。

もう一組は、大学の何かの授業でたまたま一緒になったグループ、女子数人。

こちらのグループからは、確か大学2年目以降だったかな。


いずれのグループからも別に、直接何かされたわけではない。

ただ、遠巻きに、聞こえるように、噂のような事を口にされたのだ。


ひとつめの組には、食堂やその他の場所で一緒になったり、あるいはすれ違ったりするたびに、「ああ、あいつじゃね?」とか「おおっと~?」というような事を、わたしの方を見ながら言っていたのだ。

これが大学2年目の終わりくらいまで続いていた。

その高校時代のクラスメイトとは、高校時代を含め特に何もなかった。

だから、そんなふうに言われることに明確に思い当たることはなかった。

ただ、わたしは高校時代に不登校であったし、コミュ症だったのでそれ絡みの失敗はよくやっていた。

もしかしたら、それらのうちの何かが理由になったのかもしれない。


今でも、その真相は分からない。

彼らとはもう会うこともないだろうが、機会があったなら、何が彼らにそんなことをさせる理由になったのか、訊いてみたいような気はする。

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